02 サトシにとって驚愕的な真実

その後、サトシ達ウルトラガーディアンズはルザミーネとビッケとバーネットとククイと別れて、ポケモンスクールの秘密基地に帰還した。しかし…。

「「「ええぇ!!?」」」

秘密基地内は荒らされていた。さらに、ルザミーネのポケモンであるピクシーも拘束された状態である。この光景を目の当たりにしたみんなは驚きを隠せなかった。

「なによこれ…」

マオは驚きのコメントを述べる。その後、ピクシーはサトシ達の手によって解放されている。

『ない!ないロト!』

ロトムはなにか慌てている。

「どうしたのロトム?」

サトシは聞いた。

『ウルトラボールがひとつもないロト!!』
「「「ええぇ!!?」」」

ウルトラボールがなくなっている…。それを聞いたみんなは驚きの声を上げた。

「あっ!そうだ!」

マーマネはこのエリアにある端末を操作し始めた。

「なにしているんだ?」

カキは聞いた。

「監視カメラの映像だよ。これでなにかがわかるはずさ」

マーマネの言葉にみんなは理解した。その後、監視カメラの映像が出てきた。映像には、ムサシとコジロウとニャースが映っていた。

「ロケット団…」
「しかも…鮮やか過ぎる…」

サトシとスイレンはコメントを述べる。犯人はロケット団であることは判明できたが、あまりにも鮮やか過ぎていることに、みんなは驚いた。
その後、みんなはルザミーネ達に連絡を入れて、事情を話す。

『ウルトラボールが盗まれたですって!?』
『犯人はロケット団ですか…』

ルザミーネとビッケは驚きの言葉を述べた。

『そもそも、秘密基地にはそう簡単に侵入できるものじゃないぞ』
『ええ』

ククイとバーネットはそう話す。

「さっき、確認しましたけど、どうやらサイバー攻撃を受けたようなんです」

マーマネはさらに端末を操作して、この秘密基地にサイバー攻撃を仕掛けられたことを確認する。それを聞いたルザミーネ達は関心を抱く。ロケット団はここまで有能なのかと…。

「思い出した!」

サトシはなにか思い出したようだ。

『どうしたロト?』

ロトムは聞いた。

「イッシュ地方で旅をしていたときにロケット団が邪魔してきたんだけど、そのときのロケット団は超有能で……。しかも、ゼーゲルというロケット団の科学者だっけ?その科学者がロケット団を部下にしていたんだ」

サトシはロケット団に関する事情をみんなに話した。

『ゼーゲル…興味深いわね…。もしそれが本当なら、ゼーゲルという男が裏で引いているのかもしれないわね』

ルザミーネはゼーゲルに対して興味を抱く。

『ウルトラボールがない以上、ウルトラガーディアンズの活動をしばらく休止せざるを得ないわ』

バーネットはこう述べた。

翌日…。メレメレ島のどこかにある場所…。その場所はロケット団の秘密基地となっている。会議室には、アポロ、ゼーゲル、ムサシとコジロウとニャースの5名がいる。フリントは別の任務のため不在。

「ウルトラボールの解析を完了し、ウルトラボールの製造を開始した。それまでは、このウルトラボールでウルトラビーストをゲットするほかないじゃろう」

ゼーゲルは報告を述べる。

「我々の最終計画は『かがやきさま』を確保するのが目的。ウルトラビーストはあくまでも『かがやきさま』を確保する戦力に過ぎない。最終的には、このボールを使います」

アポロはあるモンスターボールを見せた。そのモンスターボールとは、マスターボールである。どんなポケモンでも必ずゲットできるという代物であるが、マスターボール自体が非常に高価なため、簡単に市場に出回らない。高価であるという理由もあるが、製造するだけでもかなりのコストがかかるのが最大の理由。

「よくボスがマスターボールを出してくれたものだな」
「『かがやきさま』は重要であると判断したのでしょう」

アポロとゼーゲルはそう話す。
そんなときだった。

『キーー!!』

キテルグマが現れた。

「「「ええぇ!!!??」」」

みんなは驚きの声を上げた。そのキテルグマはムサシとコジロウとニャースを捕まえて、ワンピースの月歩のように空中歩行して、空高く飛んで行ったという。

「「「なにこの感じー!」」」

キテルグマに拉致されたムサシとコジロウとニャースの言葉である。

「な…なんじゃあのキテルグマ…」
「随分とチートなポケモンですね…」

ゼーゲルとアポロは目がテンになって、キテルグマのチートぶりに驚いたという。

一方、ポケモンスクール…。今日の授業はバトルの実技で、現在はサトシとカキがバトルフィールドでバトルしている。サトシはルガルガンでカキはガラガラである。両者は互角である。マオとリーリエとスイレンとマーマネとククイ、ピカチュウとベベノムなどのポケモン達もそのバトルを見守る。

「腕を上げたじゃないか」
「そっちこそ」

サトシとカキはバトルを楽しんでいる。

『ピカー!!』
『ベー!!』

そのとき、ピカチュウとベベノムは悲鳴を上げた。みんなは驚いて2匹のほうを見ると、誰かに捕まっていた。

「ウルトラビーストゲット」
「ついでにピカチュウもゲット」

男女の二人組である。網の大砲でピカチュウとベベノムを捕まえた。

「何なんだお前達は!?」

サトシは尋ねた。

「何だかんだと聞かれたら」
「答えないのが普通だが」
「「まあ特別に答えてやろう」」
「地球の破壊を防ぐため」
「地球の平和を守るため」
「愛と誠実な悪を貫く」
「キュートでお茶目な敵役」
「ヤマト」
「コサブロウ」
「宇宙を駆けるロケット団の二人には」
「ショッキングピンク桃色の明日が待ってるぜ」
「なーんてな」
『ラッチューノ!』

その2人組であるヤマトとコサブロウは登場のセリフを述べてラッタが登場。ラッタはヤマトのポケモンで、リージョンフォームでなく普通のポケモンである。

「ああ!ヤマトにコサンジ!!」
「コサブロウと名乗ってるだろう!!」

コサブロウは敵味方問わず『コサンジ』と呼ばれ、間違われている。そのおかげで、コサンジ、ではなくコサブロウは敵味方関係なく、間違われた人間にツッコミを入れている。

「サトシ、知り合いなの?」

スイレンは聞いた。

「あいつらはムサシとコジロウとニャースと同じロケット団だ」
「「「!!?」」」

ムサシとコジロウとニャースとは、サトシのピカチュウを狙っているロケット団だが、空気を読まないキテルグマに連れ去られるというギャグ要素が増えている。

「おや、そこにいるのはジャリボーイじゃない」
「久しぶりだな。トレーナーをやめて学校生活を満喫しているとは良いご身分だな」
「トレーナーをやめてたまるか!なんでここにいるんだよ!ヤマトにコサンジ!?」
「コサブロウだ!我々はお前が持つウルトラビーストを確保することが目的だ!」
「ついでにピカチュウもゲットよ。わたしのペットポケモンとして可愛がってあげるわ」
「ふざけるなおばさん!」
「誰がおばさんよ!!?ぶっつぶす!!」

サトシに「おばさん」呼ばわりされたヤマトはブチギレ。

「ヘルガー!」
「グラエナ!」

ヤマトはヘルガー、コサブロウはグラエナを出す。サトシ達は相棒のポケモンを出してバトルに臨む。

「ヘルガー!『かえんほうしゃ』!!」
「バクガメス!こっちも『かえんほうしゃ』だ!!」

カキはヤマトとバトル。ヘルガーとバクガメスの技が激突。

「ルガルガン!『アクセルロック』!!」
「グラエナ!『はかいこうせん』!!」

サトシはコサブロウとバトル。ルガルガンはグラエナの『はかいこうせん』をかわしながら『アクセルロック』で攻撃。グラエナはダメージを受けた。

「アシマリ!『バブルこうせん』でピカチュウとベベノムを救って!」

スイレンはアシマリに指示。コサブロウの手にはピカチュウとベベノムがいる。アシマリはコサンジ、じゃなくてコサブロウに向かって『バブルこうせん』を放った。コサブロウはこれを受けた。

「しまった!?」

ピカチュウとベベノムは解放された。
それからしばらくすると、サトシとカキが有利な展開に進んだ。そして、Zリングを構える。

「俺の全身、全霊、全力!すべてのZよ、アーカラの山のごとく、熱き炎となって燃えよ!『ダイナミックフルフレイム』!!」
「いっけえぇ!ピカチュウ!これが俺達の!全力だあぁっ!『スパーキングギガボルト』!!」

それぞれのZワザを放ち、2人のポケモンを撃破。ついでにヤマトとコサブロウを吹っ飛ばす。

「「やな気持ち~!!」」

そして星になった。
落ち着いた雰囲気となった。

「どうなってんだよ…あいつら以外のロケット団がここにいるなんて…」

サトシは疑問を抱いた。みんなは不安を抱いていた。なぜかはわからないけど…。

夜…ククイの家…。

「え?あいつら以外のロケット団がアローラに現れたですって?」
「ああ」

サトシとククイはバーネットに説明する。他のポケモン達は遊んでいる。

「そういえば最近、アローラの外からやってくる人間が多くなったわね」

バーネットはこう話す。

「単なる観光客であればいいのだが、嫌な予感がするな」

ククイは深刻な表情になる。

「ウルトラボールがロケット団の手に渡ったということは、連中の目的はウルトラビーストを捕まえることにあるかもしれないわね」

バーネットはそう推測する。しかし、バーネットの予感は的中した。

翌日、アローラ地方にウルトラホールが開かれた。出てきたのはウルトラビーストのウツロイド。早くも察知していたロケット団は、ウルトラガーディアンズの秘密基地から盗み出したウルトラボールでウツロイドをゲットした。ウツロイドをゲットしたのは、フリントである。
メレメレ島にあるロケット団の秘密基地…。ムサシとコジロウとニャースがいるのだが、キテルグマから脱出したようだ。一方で、アポロとフリントは不在である。

「ウルトラビーストのウツロイド…これはなかなか…」

ゼーゲルは捕らえたウツロイドを解析し始めた。

「ウルトラビーストの言葉はニャーでもわからないのですニャ」

ニャースはこう話す。

「ポケモンの言葉でもわからないとはな…」

ますますウルトラビーストに興味を抱くゼーゲルである。

「邪魔するぞ」

そのとき、筋骨隆々の巨漢のロケット団団員が現れた。

「あれもしや…」
「ロケット団特務工作部の…」
「幹部のタツミさんだニャ…」

ムサシとコジロウとニャースはこう述べる。

「久しぶりだなお前達」

タツミというロケット団幹部はムサシ達と面識がある。

「お久しぶりですタツミさん。どうして特務工作部の幹部であるあなたが?」

コジロウは聞いた。

「ああ。総司令とゼーゲル博士の要請を受けて、島の守り神というポケモン確保のためにこちらに来たのだ」

島の守り神とは、カプ・コケコ、カプ・テテフ、カプ・ブルル、カプ・レフレのことである。実力自体は伝説のポケモンに勝るとも劣らない。

「あれ?警察に捕まったのでは?」
「ある人物のおかげで釈放されてね。そういえば、総司令とゼーゲル博士から聞いたぞ。無能と呼ばれたお前達が成果を上げて出世しているとは…。どうだ?俺の手伝いしないか?」

随分とフレンドリーなタツミである。

「ご厚意感謝いたしますが、自分達の任務があるので、辞退させていただきます」

ムサシは丁寧に断った。

「そうか。それは仕方ないな」

気性の荒い一面を持つタツミだが、途中から任務を放り出してまで誘いを受ける人間は好まない。
ムサシとコジロウとニャースの任務は、ウルトラビーストとかがやきさまに関する情報収集である。

「挨拶が遅れてすみません」
「いや、説明するまでもないと思うが、お前には島の守り神の確保を頼みたい。四体すべて。できるか?」
「確保するだけなら手段は選びません。よろしいですね?」
「無論じゃ」

タツミとゼーゲルは黒い笑みを浮かべた。

それから、ポケモンスクール…。ウルトラビーストのウツロイドがロケット団に捕まったことについては、ポケモンスクールにいるサトシ達の耳に入った。

「最悪な事態が起きたな」

ククイはつぶやく。

「くそ…どうすることもできないのかよ…」

サトシは憤った。みんなもそうである。
そんなときだった。ネッコアラがポケモンスクールの上にある鐘をガンガンと鳴らし始めた。ウルトラガーディアンズ緊急出動要請である。

「大変じゃククイ博士」
「校長先生!?」

ポケモンスクール校長ナリヤ・オーキドが現れた。かなり慌てている様子だった。

「メレメレ島の戦(いくさ)の遺跡にロケット団が現れたのじゃ!!」
「「「えぇ!?」」」

メレメレ島の遺跡にロケット団が現れた…。それを聞いたみんなは驚いた。

「戦の遺跡って?」

サトシは聞いた。

「カプ・コケコがいる遺跡だ」
「なんだって!?」

ククイは答えると、サトシは驚いた。

「ウルトラガーディアンズ、とりあえず基地へ。俺は真っ先に現場に向かっているぜ」

その後、サトシ達ウルトラガーディアンズは秘密基地に移動。ククイは戦の遺跡に向かった。

ウルトラガーディアンズの秘密基地に到着したサトシ達。このとき、専用コスチュームを着ている。

『アローラ、ウルトラガーディアンズ』
「「「アローラ」」」

そのとき、モニターにルザミーネとビッケとバーネットが現れた。

「ロケット団がカプ・コケコを狙っていると聞きました!」

サトシは聞いた。

『ええ。なんとしても阻止しなければならないの。他の島の守り神達、カプ・テテフ、カプ・ブルル、カプ・レフレはすでにロケット団の手に落ちたわ』
「「「!!?」」」

カプ・テテフ、カプ・ブルル、カプ・レフレ、この守り神のポケモン達はロケット団に捕らわれた。それを聞いたサトシ達は驚いた。

「だけど、そう簡単に捕まえられるのですか?」

マオは聞いた。それについてバーネットは説明する。

『そう。守り神達の実力は他の伝説のポケモンに勝るとも劣らないから、並のポケモンでは太刀打ちできないと思う。だけど、メガシンカポケモンだったら、実力で倒せるかもしれないわ』

メガシンカポケモンについて触れたバーネット。

『情報によれば、そのロケット団はメタグロスをメガシンカして守り神達を倒して捕らえています。守り神のポケモン達はフェアリータイプを持っているから、鋼タイプのポケモンが相手では相性が最悪ってことです』

ビッケはそう説明する。

『なんとしても、カプ・コケコを守ってちょうだい。ウルトラガーディアンズ!出撃!』
「「「ウルトラジャー!!」」」

ウルトラガーディアンズは戦の遺跡に向かって、それぞれのライドポケモンに乗って出撃する。

一方、戦の遺跡の前…。そこにはメレメレ島の島キングのハラと、ハラの相棒であるハリテヤマがいた。だが、傍にはグラジオと、その相棒であるシルヴァディがいる。シルヴァディは特性『ARシステム』とメモリによって、電気タイプになっている。二人は共闘しているようだ。なぜなら目の前には、タツミ率いるロケット団がいるからである。
このときのタツミはオニドリルを二体出して、ハラとグラジオとバトルしている。

「強い…」
「それだけの強さを持ちながらなぜ悪に加担するのだ…?」

ハラは尋ねた。

「決まっている。俺の強さをロケット団が活かしてくれるからだ。強さこそ正義!勝ったやつが正義!まさかロケット団の俺が正義という言葉を使うことになるとはな」
「「ロケット団!?」」

ハラとグラジオが知るロケット団はムサシとコジロウとニャースのこと。この男もロケット団だということは、組織の規模はどれくらい大きいのかと考えてしまう。

「カプ・コケコを差し出せばこの場から退く!そうではない場合は容赦はしない!オニドリル!『はかいこうせん』だ!!」

タツミの指示を受けたオニドリル2体はそれぞれ、ハリテヤマとシルヴァディに向かって『はかいこうせん』を放った。

「「かわせ!!」」

ハリテヤマとシルヴァディは攻撃をかわした。そのとき、ハラはZリングを構えた。ハリテヤマはZパワーを身にまとう。

「我、メレメレ島、そして守り神カプ・コケコと意思を共にする島キングなり!今こそ全ての力を一つにするとき!『ぜんりょくむそうげきれつけん』!!」

そして、ハリテヤマはZワザを繰り返した。オニドリルはZワザの攻撃を受けたが、辛うじて戦闘不能に至らなかった。

「効果いまひとつにも関わらずこの威力か…。だが、Zワザを見切った」

タツミは笑みを浮かべたそのとき…。

「『いわなだれ』!!」

どこからか岩タイプの技がオニドリルに向かった。オニドリルはこの攻撃を受けて戦闘不能になった。

「誰だ!?」

タツミは叫んだ。ハラとグラジオの傍に、アーカラ島の島クイーン・ライチと、ライチのポケモンであるルガルガン(まひるのすがた)が現れた。

「アーカラ島の島クイーンのライチよ。ロケット団、アーカラ島の守り神カプ・テテフを返しなさい!!」

ライチはタツミにこう叫んだ。

「おおライチさん、久しぶりじゃないですか。それより、カプ・テテフは…」
「やつらの手に落ちたんです!」
「「!?」」

ライチはカプ・テテフがロケット団に捕らわれたと説明すると、ハラとグラジオは驚愕した。

「形勢逆転だ。カプ・コケコを除く全ての守り神を返してもらおうか!」

形勢逆転で優位に立つハラとグラジオとライチである。

「ふっ…なかなかやるじゃないか…。だが、俺にこれを使わせたのはまずかったかもな。ゆけ!メタグロス!!」

タツミはメタグロスを出す。メタグロスの右前足にあれが付いている。メガストーン『メタグロスナイト』である。そしてタツミは左手の中指にあるキーストーンを構えた。

「あれはまさか…!?」

グラジオはメタグロスナイトとキーストーンの存在に気づいた。

「そのまさかだ。メタグロス!メガシンカ!!」

タツミはメタグロスをメガメタグロスにメガシンカする。

「「「メガシンカ!?」」」

メタグロスがメガシンカした光景を目の当たりにした3人は驚愕した。

「ハリテヤマに『しねんのずつき』!!」

メガメタグロスはハリテヤマに対して『しねんのずつき』で攻撃を仕掛けた。この攻撃を受けたハリテヤマは戦闘不能になった。

「ルガルガン!!」

グラジオはルガルガン(まよなかのすがた)を出した。

「ライチさん!」
「ええ!」

グラジオとライチはZリングを構えた。お互いのルガルガンがZパワーを身にまとう。

「蒼き月のZを浴びし岩塊が今…滅び行く世界を封印する!」
「轟け、命の鼓動!天地を貫く岩の響きよ!」
「「ワールズエンドフォール!!」」

そしてルガルガン二体はZワザを放った。そのZワザをメガメタグロスは受ける。同時に爆煙が舞い上がった。

「シルヴァディ!ほのおメモリを!『マルチアタック』でとどめだ!!」

グラジオはわかっていた。Zワザでメガシンカポケモンはそう簡単に倒せないと…。シルヴァディを炎タイプに変えて仕留めるのが、グラジオの狙いである。
シルヴァディは『マルチアタック』でメガメタグロスにとどめを刺しに出た。

「いい狙いだ。だが、爪が甘かったな。『コメットパンチ』!!」

そのとき、爆煙からメガメタグロスが『コメットパンチ』の耐性で出てきて、シルヴァディはこれを受けた。さらに二体のルガルガンも巻き込まれた。この攻撃で、シルヴァディとルガルガン二体は戦闘不能になった。

「お兄様!!?」

直後、サトシ達ウルトラガーディアンズがライドポケモンに乗って現れた。

「みんな!大丈夫か!?」

同時に、ククイが現れ、ルザミーネとビッケとバーネットが現れた。

「ああ!お前はジョウト地方でギャラドスを無理矢理進化させた…!」
「ピカチュウを連れた、あのときの小僧か…!」
「どうしてここにいるんだ!?」
「ウルトラビーストを捕らえ、島の守り神を捕らえ、そして最強のポケモン軍団を作るのが我々の目的なのだ!」

サトシとタツミはお互いの顔を覚えていた。

「知っているの?」

マオは聞いた。

「あいつもロケット団。ジョウト地方で、特殊な電波でギャラドスを無理矢理進化させたことがあったんだ!」
「「「!!?」」」

サトシはタツミについて説明した。
そのときだった。

『コー!!』

カプ・コケコが現れた。

「カプ・コケコ!?」

マーマネは驚きの声を上げた。

「ダメだカプ・コケコ!あいつの狙いはお前だ!!」
『コー!!』

このときのカプ・コケコは怒りを露わにしている。そのとき、特性『エレキメイカー』で『エレキフィールド』を展開する。

「面白い!受けてたとう!メタグロス!『こうそくいどう』だ!!」

メガメタグロスとカプ・コケコのバトルが始まった。そのとき、カプ・コケコは『ほうでん』を放つ。しかし、『こうそくいどう』によってかわされた。

「『コメットパンチ』!!」

メガメタグロスは攻撃を仕掛ける。この攻撃がカプ・コケコに直撃。しかし、カプ・コケコはまだまだやるようだ。

『コー!!』

カプ・コケコは怒りに溢れる。なぜ怒っているのかというと、カプ・テテフ、カプ・ブルル、カプ・レフレという島の守り神がロケット団に捕らわれたこと、ロケット団が島を荒らしているというところである。

「俺達も加勢するぜ!」

サトシ達ウルトラガーディアンズはカプ・コケコの援護に向かおうとしたが…。

「そうはさせるか!行け!お前達!」
「「「おおーー!!」」」

ロケット団の下っ端達が現れて妨害を受けた。援護に向かえない状態だった。ルザミーネとビッケとバーネットとククイも妨害を受けている。

「終わりだ!『コメットパンチ』!!」

メガメタグロスはカプ・コケコに向かって『コメットパンチ』を放った。カプ・コケコはこれをまともに喰らい、後方にふっ飛ばされて戦闘不能になった。

「カプ・コケコが…」
「敗れた…」

ククイとバーネットは驚愕の表情になる。他のみんなもそうである。

「確保せよ」
「はっ…」

タツミはロケット団の下っ端に命じた。下っ端達は特殊な装置でカプ・コケコを拘束する。

「やめろー!!」

サトシ達ウルトラガーディアンズはカプ・コケコのほうに向かった。しかし、メガメタグロスが立ちふさがる。

「やめておけ。どうせお前達は何もできやしないのだから。メタグロス、地面に向かって『アームハンマー』!」

メガメタグロスは地面に向かって『アームハンマー』を放って土煙を舞い上がらせた。
その後、舞い上がった土煙が消えると、タツミ達ロケット団の姿がなかった。離脱したのであった。

「なんなのあのメタグロス…」

スイレンは疑問の口にする。

『ピピッ、あれはメガメタグロス。メタグロスがメガシンカした姿ロト』

ロトムは解説する。

「ちくしょー!」

ライチは悔しがっていた。アーカラ島の守り神であるカプ・テテフは捕らわれ、メレメレ島の守り神であるカプ・コケコが捕らわれた。悔しいのはライチだけじゃない。みんなもである。

「とりあえず…落ち着ける場所に移動しましょう…」

ルザミーネの言葉にみんなは同意する。

メレメレ島のリリィタウンの広場…。島の守り神がすべてロケット団の手に落ちた。

「これで守り神達はロケット団の手に落ちたことになる…。現れたウルトラビーストは次々とロケット団に捕まっている…。我々がまずやるべきことは、その守り神とウルトラビーストを救うことだ」

ククイは今後の方針について話すと、みんなは同意する。

「だけど、連中がどこにいるかわからないよ」

マーマネは疑問の言葉を述べる。

「それなら心配いりません」

ハラは話す。

「守り神達が捕らわれたことをアローラのトレーナーに知らしめれば、みんな協力するでしょう」

ハラの提案にみんなは同意する。

「だけどグラジオ、どうしてここに?」

サトシは聞いた。

「守り神達とウルトラビーストがロケット団に捕まったと知ってな、それでここに来たんだ」

と、グラジオは説明する。

「じゃあ!みんなでカプ・コケコ達とウルトラビーストをロケット団から救おう!」
「「「おお!!」」」

サトシはこう述べると、ウルトラガーディアンズ達は高揚して声を上げた。

「待ちなあんちゃん」

そのとき、ウラウラ島の島キング・クチナシが現れた。

「クチナシさん」

サトシは反応する。

「久しいじゃねえかハラさん、ライチ」
「久しぶりですなクチナシさん」
「どうしたの?こんなところにきて」

ハラとライチはクチナシを知っている。

「どちらさま?」

スイレンは聞いた。

「ウラウラ島の島キングのクチナシさんだよ」

と、サトシは説明する。

「クチナシさんも守り神達とウルトラビーストの救出に協力してくれるのですか?」

サトシは聞いた。

「いや、警告しにきたよ」
「「「警告?」」」

クチナシは説明する。

「まずロケット団の状況を説明するよ。ロケット団はイッシュ地方の組織であるプラズマ団との抗争をおっぱじめたそうだ」
「プラズマ団だって!?そいつら、ジュンサーさん達に逮捕されて…」
「そのプラズマ団のボス・ゲーチスが七賢人という幹部を動かして脱獄したんだ」
「幹部達がいたのか…」
「だが、プラズマ団は壊滅するだろう。やつらは「かがやきさま」を捕まえて最強のポケモン軍団を作ることが最終目的であるが、真の目的は、世界五大財閥「ジェネラルグループ」と「ヴァイタリンスグループ」との抗争に備えるためだ」
「「「ええぇ!!?」」」

ロケット団の真の目的を聞かされたみんなは驚愕した。

「バカな!ゴッドファイブに挑むなんて正気の沙汰じゃないわ!」

ルザミーネは声を荒げる。

「正気だから挑むんだろう。ロケット団の正体は、同じゴッドファイブの一角であるロケットグループの私設武装組織。裏社会すら恐れられている存在だ。ロケットグループのトップに立つ総帥の名を知っているか?」
「確か、サカキ総帥だとか…」
「ロケット団のボスの名はサカキ。ロケットグループ総帥兼ロケット団のボスでもある」

ルザミーネははクチナシの質問に答えた。ルザミーネほど社交界に精通している人であれば、ゴッドファイブの総帥の名を知っている。

「そういえばあんちゃん」

クチナシはサトシに話しかけた。

「お前は自分の父親の顔を覚えているか」
「え…」

サトシの父親について尋ねられた。

「…わからないです…」

サトシはこう答えるしかなかった。実はサトシの父親は、サトシが生まれて間もなく姿を消した。ポケモントレーナーとして旅に出ているとまでは聞かされている。

「だろうな…。ハンサム、リラ」
「え…」

クチナシに呼ばれて出てきた男女の二人組が現れた。

「ハンサムさん、リラ!?」
「久しぶりだねサトシ」

サトシとリラは面識がある。なぜなら二人は、カントーのバトルフロンティアでバトルしたことがあり、リラ自身はサトシに好意を抱いている。
このときのリラは黒いスーツ「ゲームのポケモンSMの衣装」で、女性らしい体付きをしている。短い紫の髪が腰まで伸ばしている。さらに、スーツの左の襟にブローチがついているが、そのブローチはキーストーン。リラもメガシンカを使うようだ。

「誰なのその人達?」

スイレンはなぜか怖い顔をしている。

「彼女はリラでカントーのバトルフロンティアのタワータイクーンなんだ」
「今は国際警察の一員よ」
「そうなの?」
「うん」

リラは現在、国際警察の一員として活動している。

「この人はハンサムさん。国際警察の人でもあるんだ」

サトシはハンサムを紹介する。
しかし、リラとハンサムは気まずそうな表情になっていた。

「ハンサム…あんちゃんを拘束しな」
「ああ…」

ハンサムはサトシに手錠をかける。

「「「ええ!?」」」

サトシが逮捕された場面を目の当たりにして、みんなは驚愕した。

『サトシ、なにしたロト!?』
「俺にもわからないよ!どういうことなのハンサムさん!?」

サトシは動揺を隠せなかった。

「あんちゃん、俺は島キングになる前はハンサムと同じ国際警察の一員で、裏社会で活動するロケット団のボスと情報のやり取りをしていたんだよ」
「「「ええぇ!?」」」
「まあ、色々あって国際警察をやめて、退職金を得て、賄賂を受け取るなどして現在に至るよ」
「クチナシ…お前を収賄罪の容疑で逮捕したいのだが…」
「冗談だ」

クチナシのほうが手錠をかけるのにふさわしいとみんなは思ったとか…。

「あんちゃんの親父についての話を戻すが…。あんちゃん…お前の父親の名はサカキ。お前さんは…ロケットグループの御曹司にして…ロケット団のボスであるサカキの息子なんだよ」

クチナシから告げられたサトシの父親の存在。その父親が、ロケット団のボス・サカキ。この事実を聞かされたみんなは驚愕を隠せないような表情になった。とくに一番ショックが大きいのは、サトシ自身のほうである。

「お前も薄々感じていたはずだ。お前が幼少の頃に慕っていた義理の姉はロケットグループの令嬢にして全米チャンピオンのモニカ。モニカ嬢が証明している。お前とサカキのDNA鑑定も済ませたが、見事に親子関係が一致したよ」

クチナシは詳しく説明する。実はサトシとモニカは深い関係にある。幼少の頃、サトシとモニカはマサラタウンで過ごしていた。しかし、モニカは自分の姉であるという自慢話すらできなかった。実力差が開き過ぎて、別の世界にいる人間だと感じている。

「さて、来るんだサトシ君」

ハンサムはサトシを連れて行った。ピカチュウもサトシと一緒に行く。

『僕も行くロト!』

ロトムもである。

「サトシをどうするのですか!?」

リーリエは聞いた。

「サトシは我々にとって重要な参考人よ。こうでもしなければ、ロケット団だけでなく、プラズマ団や他の組織からサトシを守れないから。それじゃ、この辺で」

リラは淡々な口調でみんなにこう述べた。
その後、リラはハンサムとサトシのところに去っていった。

「クチナシさん、説明してもらいますからね!!」
「え…あ…ああ…」
「賄賂も含めてです!」

リーリエの迫力にクチナシは負けて、今度はクチナシがみんなの取り調べを受けることになった。

サトシはというと、リラとハンサムと一緒に車で移動している。説明するまでもないが、ロトムとピカチュウもいる。しかし、リラは密かに黒い笑みを浮かべていた。

(これでサトシとイチャイチャできる…)

ロケット団よりリラのほうが危ないとか…。

01 ロケット団、ついに動く!

ウラウラ島の交番…。そこにはアローラのニャースと戯れながらけん玉で遊んでいるクチナシがいた。彼はウラウラ島の島キングであるが、警察官として交番に勤務している。しかし、クチナシは交番の固定電話機で、ある人物と連絡していた。

「そういやサカキ、お前に娘と息子がいたな」
『ああ』

しかもクチナシ、やけに嬉しそうだ。クチナシが連絡している相手とは、ロケット団のボス・サカキである。サカキには娘と息子がいるようだ。
なぜ警察官であるクチナシと、ロケット団のボスであるサカキが親しいのかというと、旧知の中だそうだ。

『今回は娘に頼らん。あれでも全米チャンピオンとして忙しいからな』
「息子についてだが…マサラタウン出身のあれか?」
『名前は出すなよ。ジェネラルグループとヴァイタリンスグループに感づかれる』
「おいおい…ジェネラルグループとヴァイタリンスグループと言えば、世界の経済と裏世界を支配する世界五大財閥「ゴッドファイブ」の一角じゃねえか…そいつらと戦争してるのか?」
『ああ』
「それが本当だったらあいつ、狙われるんじゃねえのか?」
『だからこそ、妻と離婚する形で息子の存在を葬ったのだ。それで、どうだった?』
「カロスリーグで準優勝したと聞いたときはどれくらいの者かと思ったが、なかなか面白いやつじゃないか。カロスリーグで使ったポケモンで挑まれれば、こっちがボコボコにやられていたのかもな。フレア団が起こしたカロスの事件を知っているか?」
『よく知っている』

フレア団とは、カロス地方で展開していた悪の組織だが、カロスの事件が起きて終息した後、ボスのフラダリが消息不明、幹部達は逮捕という形で壊滅した。

「それと『かがやきさま』についてだが、俺は関わらん。だけど急いだほうがいいかもな」
『ほう…』
「イッシュで拘束されていたプラズマ団が脱獄したそうだ」
『なに…?』
「イッシュで活動している知り合いの情報によれば、プラズマ団はこのアローラにやってきて、その『かがやきさま』を手に入れるそうだ」
『なるほど…。だが、そうはさせん。かがやきさまを得るのは、このロケット団なのだからな』

プラズマ団とは、イッシュ地方で展開していた悪の組織。現在はボス・ゲーチスと幹部アクロマが逮捕されたという形で壊滅している。ロケット団と最も対峙していた悪の組織でもある。

同時刻…ポケモンスクールの教室。その教室には、サトシ、リーリエ、マオ、スイレン、カキ、マーマネの6人がいて、傍には相棒のポケモン達がいる。ポケモン図鑑のロトム、ウルトラビーストのベベノム、壇上に立つククイもいる。

「今日はポケモンリーグについての授業を行うぞ。ポケモンリーグはバッヂを8つ集めると出場することができる。そういえばサトシ、何度もリーグに出場していたな」
「はい」
「優勝は?」
「……ないです………」

ククイに質問されたサトシは、ポケモンリーグで優勝経験がないことを自覚して落ち込み始めた。

「ポケモンリーグで、一番印象に残っているバトルは?」

さらにククイに質問されるサトシ。

「そうですね…。シンオウリーグでダークライとラティオスを使うトレーナーとバトルしたことですね…」
「「「……………」」」
「どうしたのみんな?」

サトシはシンオウリーグについて触れると、みんなは沈黙した。ダークライとラティオスという部分に…。そのトレーナーの名はタクトというダークライ使い。シンオウリーグ優勝を飾っている。

「「「えええぇぇーーー!!!??」」」

そして、驚きの声を上げる。

「ダークライとラティオスって言ったら、伝説のポケモンじゃないか!?」
「マジでバトルしたのか!?」

マーマネとカキは聞いた。

「ああ。あのときは、ヘラクロス、コータス、フカマル、ジュカイン、オオスバメ、ピカチュウのメンツで出たけど、結局はボコボコにやられたよ」

と、サトシは答えた。

「あれサトシ、ジュカイン持ってたの?」

草ポケモンが好きという一面を持つマオはジュカインに反応する。

「ああ。見なかったっけ?」
「見かけなかったよ」

彼らはオーキド研究所に訪れてサトシのポケモンを見たのだが、全部を見たわけじゃない。

「そういえばサトシ、お前はカロスリーグに出ていたな。メガシンカバトル、凄かっただろう」
「ええまあ」
「キーストーンは持っているのか?」

ククイにキーストーンについて聞かれたが…。

「持っていません…」

サトシは落ち込んだ。カロスで旅をしていたサトシだが、結局はキーストーンを手に入れることができなかった。

「まあ、珍しいものだから、Zリングよりは手に入れづらいかもな」

ククイは笑みを浮かべる。

「話しを戻すが、ポケモンリーグで優勝すると、チャンピオンリーグの出場資格が得られる。チャンピオンリーグはポケモンリーグ優勝者のみが出場できるという大会だ。その大会で優勝すると、四天王に挑戦する権利が与えられるし、四天王を倒すとチャンピオンマスターに挑戦する権利が与えられる。そのチャンピオンを倒すと、挑戦者がチャンピオン。だけど、それはあくまで地方の中のチャンピオンでしかない。地方チャンピオンより上の全国チャンピオンが存在するからだ。全国チャンピオンはその国で一番強いチャンピオンであるのは想像できるが、みんなはどれくらい知っているかな?」

ククイはみんなに全国チャンピオンについて聞いた。

「はい!わたしは全アメリカチャンピオンマスターのモニカさんを知っています!」

リーリエが挙手する。

「年収3億ドル以上を稼ぐ超セレブだけでなく、あの世界五大財閥「ロケットグループ」の御令嬢にして、連邦軍の元帥という一面を持ちます」

モニカとは、超大国アメリカ合衆国の頂点に立つ全アメリカチャンピオンマスターの絶世の美女。

「うん?どうしたのサトシ?」
「いや、なにも…」

しかし、サトシは過敏に反応する。そのことをスイレンは指摘するが、サトシははぐらかす。

「他の全国チャンピオンといえば、全中国チャンピオンマスターのレイウォンさんと、全ロシアチャンピオンマスターのヴァシリーサさん。あとは全イギリスチャンピオンマスターのリヴェルさんと、全フランスチャンピオンマスターのジャンヌさん、そして全日本チャンピオンマスターのカレンさんなどが有名です」

リーリエは認知されている全国チャンピオンの人達の名を次々と挙げた。

「そう、全国チャンピオンになるためには、彼らを倒さなければならないということだ。加えて、伝説のポケモンをゲットして手持ちに加えていることが多い」

ククイは話をまとめた。

「あの博士…世界五大財閥ってなんですか?」

サトシは聞いた。

「そういえばそうだな…」
「なんだろう…世界五大財閥って…」
「さあ…」

カキとスイレンとマオも知らないようだ。

「なんで知らないの!?」
「超有名ですわよ!」

マーマネとリーリエは驚きの反応する。世界五大財閥についてククイは説明する。

「世界五大財閥は通称『ゴッドファイブ』と呼ばれ、世界の経済や政治など、あらゆる分野を支配する五つの大財閥でもある。その大財閥とは、『ジェネラルグループ』、『ウィークリーグループ』、『クラリアングループ』、『ヴァイタリンスグループ』、『ロケットグループ』の五つだ。大国並の資産を有するだけでなく、大国のリーダーや軍隊すら動かすことができるほどの権力を持っている。ちなみに、このポケモンスクールのスポンサーは、ウィークリーグループでもあるんだ」

ククイの説明を聞いて、みんなは驚いた表情をする。

一方、アローラのメレメレ島の森にあるロケット団の秘密基地…。そこには、ムサシとコジロウとニャースがいた。

『定期連絡の時間が過ぎています』

現在、ロケット団本部と連絡し、サカキの秘書マトリが対応している。

「5分遅れただけなのになんで怒らなければならないのよ!!」

ムサシは不満をぶつける。

『それで、アローラのポケモンはゲットしましたか?』

マトリは聞いたが、3人は落ち込む。

「でも…例のピカチュウをゲットしてサカキ様に献上を…」

と、コジロウは言い訳するが…。

『ピカチュウはいりません!アローラしか生息していないポケモンを送ってください!!』

マトリの怒りは頂点に達している。

『あなた達の成果にサカキ様が不満を抱き、そこでヤマトとコサンジ、じゃなくてコサブロウをアローラに送ることにしました』
「「「ええぇーー!!!??」」」

ヤマトとコサブロウとは、ムサシとコジロウとニャースと同じロケット団のメンバー。その3人とは因縁が深く仲も悪い。

『すでに彼らは到着し、アーカラ島でアローラのポケモンをゲットして本部に送るなど、それなりの成果を上げています』
「「「……………」」」

ムサシとコジロウとニャースの任務はアローラのポケモンをゲットして本部に送ることだが、その任務を忘れて活動しているという。代わりにヤマトとコサブロウがアローラに来て、アローラのポケモンをゲットして活躍しているとか…。結果、ムサシとコジロウとニャースの評価は底知らずに落ちたという。

『マトリ、ちょっと代われ』
『博士?』

そのとき、マトリの傍に白衣を着た老人が現れた。

「「「ゼーゲル博士!?」」」

ムサシとコジロウとニャースの上司にしてロケット団幹部兼科学者ゼーゲルが現れた。「ロケット団の頭脳」という異名を持つ。

『久しぶりじゃな。しばらく見ないうちに堕落しおって…』

ゼーゲルの指摘に3人は落ち込んだ。

『お前達は例のピカチュウを狙っているようじゃが、それは後回しにせい。わしはこれからアローラ地方に向かう。メレメレ島でお前達と合流する。お前達には手伝ってもらわなければならないことがあるからな』
「「「はい」」」

しかし、ゼーゲルは3人に頼るのであった。

夕方、ポケモンスクール…。ネッコアラがポケモンスクールの鐘をガンガン鳴らし始めた。

「ウルトラガーディアンズ!緊急出動要請だ!」

ククイは黒板を上げて、その内側にあった巨大なボタンを押すと、教室の壁の部分が扉として開いた。サトシ達とポケモン達はククイを残して、その扉に入ってすぐにエレベーターで秘密基地に向かった。秘密基地に移動する途中、サトシ達はライドウェアをベースにした色違いのコスチュームにチェンジする。チェンジした後に秘密基地に到着すると、目の前にはピクシーがいた。そのピクシーはエーテル財団代表ルザミーネのポケモンでもある。

『ウルトラガーディアンズ、アローラ』
「「「アローラ!」」」

目の前の画面にルザミーネとビッケとバーネットがいた。彼女達3人はエーテル財団の本拠地である人工島エーテルパラダイスにいる。
ウルトラガーディアンズの任務は、アローラ地方に迷い込んだウルトラビーストの保護である。ウルトラビーストの戦闘力は、ラティオスやダークライと言った伝説のポケモンに匹敵する。ウルトラビーストを保護するということは、アローラ地方を守ることにつながる。

『このメレメレ島にウルトラビーストが現れたの。またマッシブーンよ』

ルザミーネの報告によれば、マッシブーンというウルトラビーストが現れたとのことである。

『一刻も早く、被害が出ないうちにマッシブーンを保護して』
「「「ウルトラジャー!!」」」

みんなはそれぞれのライドポケモンに乗り、秘密基地から出撃していった。
サトシはガブリアス、リーリエはチルタリス、カキはリザードン、マオはフライゴン、スイレンはハクリュー、マーマネはメタング、それぞれのライドポケモンに搭乗している。

しかし、その出撃の様子をムサシとコジロウとニャースが物陰に隠れて見ていた。

「こちらムサシ、ゼーゲル博士、応答を願います」
『うむ』
「ジャリボーイ達はウルトラビーストの確保のために出撃したと思われます。いかがなさいましょうか?」
『出撃した場所を調査せよ。可能であれば、ウルトラビーストに関する情報を得たい』
「了解」

その様子をゼーゲルに通信で報告する。

「ところでゼーゲル博士、やつらはウルトラビーストの確保に出撃したそうですが、そのウルトラビーストを我々で確保しなくても大丈夫でしょうか?」

コジロウはゼーゲルに聞いた。

『問題はない。我々の目的は、如何にしてウルトラビーストを確保するのかを調査することだからな』
「わかりました。任務完了次第、再び連絡します」
『うむ』

ゼーゲルとの通信を切った。

「任務開始ニャ。我々の汚名を晴らすために」

ニャースの言葉にムサシとコジロウは同意する。

それから、マッシブーンが現れた場所に向かった。周りは森で囲まれている。

『ピピッ!マッシブーン発見ロト!』
「あれか!?」

ロトムはマッシブーンを発見。サトシ達はマッシブーンがいるところにライドポケモンを着地する。

「以前のマッシブーンと違う」
「まあ、マッシブーンが1体だけとは限らないしね」

スイレンとマオはこう話す。

「筋肉ポーズで行けるか?」

カキはそう話すも…。

「以前のマッシブーンより好戦的っぽいね」

マーマネは推測する。

「来ます!」

リーリエは叫ぶと、マッシブーンが突如としてサトシ達に襲い掛かった。

「ピカチュウ!『10まんボルト』!!」

ピカチュウはマッシブーンに『10まんボルト』を放つが、マッシブーンはかわされてしまう。そのマッシブーンがピカチュウに向かって『アームハンマー』で仕掛ける。この攻撃をピカチュウは喰らってダメージを受けた。

「ピカチュウ、大丈夫か?」
『ピカ』
「ゲッコウガがいればすぐに倒せるんだけどな…」

サトシはゲッコウガについてこう呟く。

「行くぞ!バクガメス!」
「トゲデマル!」
「アママイコ!」
「アシマリ!」
「シロン!」

カキとマーマネとマオとスイレンとリーリエはそれぞれのポケモンを出す。ちなみにシロンとは、リーリエが名付けたアローラのロコンである。
そんなときだった。

「『かえんほうしゃ』!!」

どこからかポケモンの技『かえんほうしゃ』が放たれてマッシブーンに命中。

「「「!!?」」」

みんなは『かえんほうしゃ』が放たれた場所を見ると、スーツを着た男性とヘルガーがいた。

「君たち、ここは任せてください」

男性とヘルガーはサトシ達の前に出て、マッシブーンと対峙する。

「ウルトラビースト…その力がどれほどものなのか確かめさせてもらいましょう!ヘルガー!メガシンカ!!」

男性はペンダントとして首に下げているキーストーンを手に取り、ヘルガーの首輪にあるヘルガーナイトというメガストーンと共鳴させた。そしてヘルガーは、メガヘルガーにメガシンカする。

「ヘルガーがメガシンカ!?」
「メガシンカポケモンとウルトラビースト、どっちが強いのだろう…」

マーマネは驚き、スイレンは推測する。バトルが始まった。

「『かえんほうしゃ』!!」

メガヘルガーはマッシブーンに向かって『かえんほうしゃ』を放った。マッシブーンは持ち前のスピードで攻撃をかわして『アームハンマー』で攻撃を仕掛ける。メガヘルガーは効果抜群のダメージを受けたが、まだまだやれる。

「ヘルガー!『スモッグ』!さらに『かえんほうしゃ』!!」

メガヘルガーはマッシブーンに向かって『スモッグ』を放った。マッシブーンはこの攻撃を喰らうだけでなく、『スモッグ』の煙に包まれた。そこを『かえんほうしゃ』で攻撃を仕掛けると爆発した。マッシブーンは強烈なダメージを受けた。

「とどめだ!『かみくだく』!!」

男性は勝負を決めに出た。メガヘルガーはマッシブーンに対して『かみくだく』で攻撃を仕掛けた。マッシブーンはこの攻撃を喰らって戦闘不能になり、地面に倒れて気絶した。このバトル、男性とメガヘルガーの勝利に終わった。バトルが終わった直後、メガヘルガーはメガシンカが解けて、元の姿に戻る。

「「「……………」」」

ウルトラビーストを実力で倒すとは思わなかったと驚いているサトシ達であった。

「あとはお好きにどうぞ」

と、男性とヘルガーは去っていった。
しばらく沈黙を続けていると…。

「サトシ、ウルトラボールを!」
「そうだった」

リーリエは気づいた。サトシはウルトラボールを手に持って、それを気絶したマッシブーンに向かって投げた。マッシブーンはウルトラボールに吸い込まれる。そして、マッシブーンのゲットに成功する。

「マッシブーン!ウルトラゲットだぜ!」

サトシは高らかに宣言する。

その後、サトシ達はマッシブーンが入ったウルトラボールを持って、それぞれのライドポケモンに乗って飛んで行った。
しかし、その様子をヘルガーを連れた男性は目撃しながら、スマートフォンを持って誰かと連絡している。

「わたしです、サカキ様」
『うむ』

相手はロケット団のボス・サカキである。

「ウルトラビーストの力を確認してきました。メガシンカしたヘルガーでバトルしましたが、苦戦を強いられました。やはり、伝説のポケモンに勝るとも劣らない実力を持っています」
『なるほどな…』
「ウルトラビーストはウルトラホールから現れる。その報告をサカキ様は受けているはずですが」
『報告は聞いている』
「恐らく、『かがやきさま』という名を持つポケモンはウルトラホールの先にいると思われるでしょうが、問題はそのウルトラビーストをどうやってゲットするかです。ウルトラガーディアンズと名乗る少年達はウルトラボールと呼ばれる特殊なモンスターボールを使って、ウルトラビーストをゲットしました。第一目標は、ウルトラボールの確保と分析と量産化ですね」
『よくぞそこまでの情報を得ることができた。さすがアポロ、ロケット団最高幹部筆頭だけのことはある』
「恐れ入ります」

男性の正体はロケット団最高幹部筆頭アポロ。ロケット団の総司令官としてサカキを補佐する。いわば、ロケット団のナンバー2である。

「それでは、ゼーゲル博士に報告を入れてます」
『うむ』

アポロはサカキとの通信を切り、ゼーゲルに通信を入れる。

「ゼーゲル博士、こちらアポロ。ウルトラビーストに関する報告をしたいと思って連絡した次第です」
『うむ』
「ウルトラガーディアンズと名乗る少年達は、ウルトラビーストをウルトラボールという特殊なモンスターを使ってゲットしました。可能であれば、あなたの配下の団員達にウルトラボールの入手を依頼したいのですが」
『わかった。その配下の団員達はウルトラガーディアンズに潜入中だ。ウルトラボールの確保を命じよう』
「最優先でお願いします。でないと、『かがやきさま』というポケモンはゲットできないと思われます」
『うむ』

ゼーゲルにウルトラボールの確保を依頼する。

一方、サトシ達はメレメレ島のとある場所で、そこにいたルザミーネとビッケとバーネットとククイと合流。その場所の空にウルトラホールが開いている。サトシはマッシブーンをウルトラボールから出して、ウルトラホールに帰した。直後、ウルトラホールは消えた。

「メガシンカしたヘルガーでマッシブーンを実力で倒したですって!?」

ルザミーネは驚きの声を上げた。ビッケとバーネットとククイも驚いている。
サトシ達から、マッシブーンをゲットした経緯についての報告を聞いて現在に至る。

「本当に強かったよね…」
「うん…」

マオとスイレンはこう述べる。

「恐らく、その男はアローラの外からやってきたのだろう」

ククイは推測する。

「わかるの?」

サトシは聞いた。

「アローラの人間でメガシンカを使うトレーナーは一人もいないからね」

バーネットはサトシの質問に答えた。
アローラでZワザを使うトレーナーは多いが、メガシンカを使うトレーナーは現在のところ一人もいない。だから、メガシンカを使うトレーナーは外部から来た人間だと認識される。なお、アローラから別の地方に留学して、その地方でキーストーンとメガストーンを手に入れているという可能性もあるが、その可能性も非常に低い。

「メガシンカしたポケモンによって、ウルトラビーストや伝説のポケモンに匹敵しますからね」

ビッケはこうコメントする。

「そういえばその男の人…ウルトラビーストのことを知っていたようなんです」
「「「えぇ!?」」」

リーリエはメガシンカ使いの男性がウルトラビーストを知っていたと話すと、ククイ達は驚いた。

一方、ポケモンスクールの地下にあるウルトラガーディアンズの秘密基地…。そこには、ロケット団のムサシとコジロウとニャースがいた。侵入しているようだ。

「ウルトラボールはすべて確保したニャ」
「ウルトラビーストに関するデータも確保」
「あとは撤収」

ニャース、コジロウ、ムサシの順に話す。彼らはポケモンゲットに関しては情けない一面を持つが、本格的な任務となれば、イッシュ地方にいたような実力を発揮する。
3人はウルトラボールとウルトラビーストに関するデータを確保して、秘密基地から脱出する。その後、ある場所に向かう。その場所とは、メレメレ島にあるテンカラットヒルの最深部。ゼーゲルが指定した場所でもある。到着すると、一人の男性がいた。

「おや、あなた達ですか」
「これは、アポロ総司令!?」

アポロである。ムサシとコジロウとニャースはアポロに対して敬礼する。

「その手に持っているのは、ウルトラビーストに関するものですか?」

アポロはムサシが右手に持っている大きなスーツケースに目をつけた。

「はい。ご覧になられますか?」
「ええ」

ムサシはアポロにスーツケースを手渡し、アポロはスーツケースを開ける。中身は、いくつかのウルトラボールとウルトラビーストに関するデータの資料である。

「確かに」

アポロはスーツケースを閉じてムサシに手渡す。

「総司令はどうしてここに?」

コジロウは聞いた。

「アローラ地方で行われる例のプロジェクトの全権をサカキ様に任されたのです。そういえば、あなた達がアローラのポケモンゲットの任務を疎かにしていると聞きましたが、ちゃんと堅実にやればできるじゃないですか」

と、アポロは笑みを浮かべて3人を評価する。
そのとき、上空から大型ヘリコプターが現れた。ヘリコプターは彼らの前に着陸する。ヘリコプターの扉が開かれると、ロケット団の科学者ゼーゲルと、その補佐を務めるフリントが現れた。二人は彼らの前に近づいた。

「お疲れ様です、ゼーゲル博士。さっそくですが、例のものを入手しました」

ムサシはスーツケースをゼーゲルに預け、ゼーゲルはそれを受け取った。

「中身はすでに確認済みです。彼らが任務を果たしてくれました」

アポロはゼーゲルにこう話す。ゼーゲルはスーツケースを開けて、中にあるウルトラボールとウルトラビーストに関するデータの資料を確認した。

「確かに、これで第一計画は完遂じゃ。第二計画の移行に入る。第二計画は……ウルトラビーストの確保じゃ」

ゼーゲルは目を光らせた。
ロケット団のボス・サカキは、そのプロジェクトの全権をロケット団のナンバー2であるアポロに委任。あのゼーゲルが出てくるということは、アローラ地方でなにかよからぬことを企んでいるようだ。

26 国際大会編 次々に勝ち進む猛者達!ウルトラビースト出現!

トーキョーシティのトーキョースタジアムで国際大会「U-18トーキョーインターナショナルチャレンジ」が開催された。世界各国のトレーナーが集まるだけあって、日本中のトレーナーが彼らを見るために観戦している。
オープニングバトルで、サトシが韓国出身のトレーナーのユジンに対して、サトシゲッコウガとZワザ『スパーキングギガボルト』で鮮やかな勝利を見せつけた。Zワザで勝利したことで、観客席にいるククイ博士達アローラ組は歓喜に沸いた。

いろいろ面倒くさいので省略します。アーサー連合の上位トレーナー達は全員勝ち進んだ。ダーシャンもレベッカもである。
そして2日目の大会。サトシの対戦相手は……ゴッドファイブが一角、アメリカのウィークリーグループの令嬢ジョセフィーヌ・ウィークリー。アメリカポケモンプロチーム『スターダスト』の1軍メンバーに名を連ね、世界に名を轟かせるトップトレーナーでもある。

「リザードン!フローゼル!君に決めた!!」

サトシはリザードンとフローゼルを出した。対するジョセフィーヌは…

「頼むわよ!ライチュウ!サーナイト!」

ライチュウとサーナイトを出した。サーナイトにメガストーンの一つ『サーナイトナイト』が腕輪としてサーナイトの左手首に装着されている。しかし、ライチュウが問題だ。

「アローラのライチュウか!?」

ジョセフィーヌのライチュウはただのライチュウじゃない、アローラ地方に生息するライチュウ。特性『サーフテール』。タイプは電気とエスパー。そして、バトルスタート。

「どんなポケモンだろうと、こっちは負けるわけにはいかないんだ!リザードン!『かえんほうしゃ』!フローゼル!『ハイドロポンプ』!!」

先制攻撃を仕掛けてきたのはサトシ。

「ライチュウ!『10まんボルト』!サーナイト!『シャドーボール』!!」

ジョセフィーヌは対応。お互いの技がぶつかり合って相殺。パワーは互角である。

「今よ!ライチュウ!全力で行くよ!」
『ライ!!』

そのとき、ジョセフィーヌはゼンリョクポーズを取った。

「Zワザか!?」

ジョセフィーヌの左手首にはZリングがあり、デンキZがはめ込まれている。

「『ライトニングサーフライド』!!」

Zパワーを纏ったライチュウは必殺技と言わんばかりに、尻尾をサーフボード代わりに乗って、さらに強力な電撃を纏ってリザードンとフローゼルに突撃した。

「まずい!『ブラストバーン』だ!!」

サトシの指示を受けたリザードンは『ブラストバーン』を放ったが、ライチュウを止めることができなかった。しかし、リザードンはかわすことができたが、フローゼルはダメージを受けた。とはいえ、まだ戦闘不能に至っていない。

「ああ惜しい!『ブラストバーン』がなければ確実に決まったのに」

と、ジョセフィーヌは悔しがる。

「まさか、アローラの試練を…!?」
「ええ。Zワザを使うのは、あなただけじゃないのよ!」

そして、ジョセフィーヌはメガシンカデバイスの一つ、メガチャームを手に取った。

「サーナイト!メガシンカ!!」

サーナイトをメガサーナイトにメガシンカさせる。

「わたしのZワザとメガシンカポケモン、これで優勝を狙うわ!!」
「そう簡単に行くか!」

サトシはメガリングを構えた。

「燃え上れ!リザードン!メガシンカ!!」

リザードンをメガリザードンXにメガシンカさせる。
この数分間、サトシとジョセフィーヌのバトルが続いた。

「ライチュウ!とどめよ!『エレキボール』!!」

ライチュウは『エレキボール』を放って、勝負に出た。

「まだだ!リザードン!真上から『フレアドライブ』!!」
「え…!?」

サトシの指示を受けたメガリザードンXは飛び上がって『フレアドライブ』のエネルギーを纏って、正面からではなく真上からライチュウに突撃した。真上からの攻撃を受けて、ライチュウは戦闘不能になった。

「フローゼル!メガサーナイトに『れいとうパンチ』!!」

フローゼルが仕掛けてきた。

「かわせ!!」

メガサーナイトはそれを難なくかわすが…。

「フローゼル!メガサーナイトから離れろ!リザードン!『ブラストバーン』!!」

その隙を突かれ、メガリザードンXの強襲を受けた。『ブラストバーン』の攻撃を受けたメガサーナイトは戦闘不能。同時にメガシンカが解ける。

「ライチュウとサーナイト戦闘不能!よって勝者サトシ選手!」

審判はサトシの勝利を宣言した。同時にメガリザードンXはメガシンカが解けて元の姿に戻る。

(やばかった…)

サトシは心の中で本音を漏らしたのである。

「うぅ~~~!!」

自分の敗北に悔しがるジョセフィーヌ。

その後、ジョセフィーヌの他に、スターダストのメンバーが出場していた。ブレット・ヴァンブレスである。彼はジョセフィーヌと同じ一軍のメンバーだが、超大国アメリカ合衆国に恥じないほどの実力を持つ。彼の対戦相手はオリビエだが、そのオリビエを完膚なきまでに叩きのめした。
この光景を目の当たりにした、観客席にいるサトシ達は驚きの表情をしている。

「あのオリビエ王子を打ち負かすなんて…」

マオは驚きの声を上げる。

「ブレット・ヴァンブレスか…。ジョセフィーヌと同様、Zワザとメガシンカの両方を使ってくるとはな…」

ククイは評価する。

「それだけじゃないよ。ブレットは過去にアメリカ代表として世界大会に出場して……優勝しているんだ」
「「「なんだって!!?」」」

マーマネの言葉にみんなは驚きの声を上げた。
実はブレット、過去に世界大会に出場して優勝した経験を持つ。

『サトシにとって厳しい相手になるロト』

ロトムはこう述べた。

大会3日目。サトシの相手はアーサー連合に所属するイギリスのウェルズ。

「まさか君とこんなに早く当たるとは思わなかった。僕の力、アーサーの力を思い知るがいい!」
「誰であろうと負けるものか!!?」

面倒くさいのでバトルをスキップさせていただきます。サトシはリザードンとピカチュウ。ウェルズはジュカインとマニューラを出す。フィールドは草原。サトシはリザードン、ウェルズはジュカイン、それぞれメガシンカさせる。
その後、メガリザードンXの『ドラゴンクロー』がメガジュカインに炸裂。ピカチュウのZワザ『1000まんボルト』を放って、マニューラを真っ黒こげにする。ジュカインとマニューラが戦闘不能になったところで、サトシの勝利は決まった。

バトルを終えた後、ウェルズはソフィーとジュリアスを含むアーサー連合のトレーナーと合流する。

「メガシンカの他にZワザを使ってくる。サトシだけでなくブレットもだ。Zワザを使えない我々は非常に不利だ」

と、説明する。

「そうは言っても、現時点でZリングを入手するのは不可能だ。Zワザ抜きで乗り切るしかない」

ジュリアスは冷静にこう述べる。

「だけど、Zワザがすべてじゃない。工夫すれば大したことはない」
「ポケモンによって、Zワザの威力は異なるからね」

Zワザを使うトレーナーと対戦した経験を持つヘルバルトとマルグリットはこう述べる。

「今回は仕方ないさ」
「「「グレイクス卿!?ヴェラッディ卿!?」」」

そのとき、アッシュ・グレイクス、マンフレディ・フォン・ヴェラッディという2人の男性が現れた。ユーラシア大陸を守護する「六神将」が一人にしてポケモンマスターでもある。2人の出現にみんなは驚いた。

「確かに、Zワザが使えない君達は不利だけど、なにもZワザがすべてじゃないのはわかっているよね」
「今回ばかりは気合で乗り切れ。サトシを倒し、ダーシャン、レベッカ、ブレットの3名を倒すことで、ヨーロッパが最強であることを証明するのだ」
「「「はっ!!」」」

マンフレディの言葉に、みんなは気合の入った返事をする。
その後、大会は続いた。サトシのほかに、ダーシャン、レベッカ、ブレットの3人は生き残った。アーサー連合の大部分も脱落したが、ジュリアス、フォルセ、マルグリット、ヘルバルト、ソフィなどが生き残っている。脱落した人間の中に、ファイヤーボールズのロレイン、テティス、フェリシア、ケアリーも含まれる。
ちなみに、ロレインはレベッカ、テティスはダーシャン、フェリシアはブレット、ケアリーはマルグリットと、それぞれの対戦相手に当たって、脱落している。これでも、世界に名を轟かせるトレーナーだったが、相手が悪かった。

その結果…。夕方になって大会が終わると…。

「「「「お世話になりま~す♪」」」」

サトシの敵ではなくなったロレイン、テティス、フェリシア、ケアリーはサトシがいるロケットグループ別宅に押しかけ、居候し始めた。
このことを知ったマルグリットは…。

「あいつら~……!!」

仲間外れにされて怒りを露わにしている様子。
戻ってロケットグループ別宅…。

「帰れ小娘ども!」

モニカは怒りを露わにするも…。

「いいじゃないかお姉ちゃん。ロレインさん達困っているし…」
「ぬぐぐぐ…!」

サトシは了解を得た。モニカのブラコンは重度と化しており、他の女がサトシに近づくことを嫌う。
それを聞いたロレイン達は嬉しそうである。なぜ困っているのかというと、敗北した選手は選手用の宿泊施設を利用できないことであるが、実は利用できる。ロレイン達はその口実を利用して、ロケットグループ別宅に押しかけたのである。

しかし…。

「お久しぶりねサトシ君。それにみんな」

一人の女性が現れた。その後ろにも2人の女性がいる。

「ルザミーネさん!?」
「お母様!?」
「「ビッケさん!?」」
「バーネット!?」
「「バーネットさん!?」」

ルザミーネとビッケとバーネットである。サトシとリーリエ、マオとスイレン、ククイとカキとマーマネが驚きの声を上げた。
ちなみにルザミーネはリーリエの母親にあたる。

「お姉ちゃん、どうして3人が…」
「ああ実は…」

モニカは説明した。3人はエーテル財団の者として、ロケットグループと商談しているという。エーテル財団の代表を務めるのはルザミーネ。

「商談だけじゃない。この周辺でウルトラホールが感知されたこともあって、モニカ嬢に話しをしたら、好きなだけ泊めてくれるとのことよ」

と、バーネットは説明する。
ウルトラホールとは、簡単にいえば。ウルトラビーストがいる世界と出入りできる、いわばゲートである。過去にアローラで起きたウルトラビースト関連の事件をサトシ達は解決したのである。

「まあ、ウルトラビーストが出てきても問題はないと思う。なにせトーキョーシティに、超一流のトレーナー達がいて、わたしがいて、ユーラシアのポケモンマスターが2人いるからね」
「「「ポケモンマスター!!?」」」
『初耳だロト!』

モニカが言うポケモンマスターとは、アッシュとマンフレディのことを指す。

「ウルトラビーストってなんなの?」

テティスはサトシに聞いた。

「ああ実は……ロトム」
『お任せロト』

自分よりロトムに聞いたほうが早いと判断してのことである。ロトムはウルトラビーストのデータをロレイン達に見せると、ロレイン達は興味を示している。

「ウルトラビースト1体1体が伝説のポケモンに匹敵するんだ」

と、サトシは付け加える。

「もしかして、あれがそうなの?」

ロレインは指を刺し、みんなは刺した方向に顔を向けると…。

「「「ウルトラビースト!!?」」」

1体のウルトラビーストが現れた。

「UB04スラッシュ!?」

ルザミーネは叫んだ。コードネームはUB04だが、ポケモン名はカミツルギと呼ぶ。高さは0.3と小さいが、相手はウルトラビースト。間違いなく、伝説のポケモンに匹敵する力を持つ。

「リザードン!メガシンカ!!」

サトシはリザードンを出して、メガリザードンXにメガシンカさせる。
ウルトラビーストVSメガシンカポケモンのバトルが始まった。

「リザードン!炎タイプの技は使えない!火事になる!」
『グル』
「『ドラゴンクロー』!!」

先制攻撃を仕掛けるメガリザードンX。しかし、カミツルギは『サイコカッター』で難なく受け止める。さらに、『しんくうは』を放つ。メガリザードンXはこの攻撃を喰らい、ダメージを受けた。

「あんな小さいのに大したポケモン、じゃなくてウルトラビーストね」

フェリシアはこう評価する。
しかし、カミツルギは『ハサミギロチン』を放った。この攻撃を受けたメガリザードンXは戦闘不能になった。同時にメガシンカが解けた。一撃必殺の技である。同時に、カミツルギの特性『ビーストブースト』によって、攻撃力が上がった。

「俺のリザードンが…!?」

自慢のリザードンがやられて、サトシは驚きを隠せない。

「メガシンカポケモンでもやられるなんて…」
「というより、『ハサミギロチン』を使ってくるとは思わなかったよ」

と、ビッケとバーネットも驚きの顔をする。

「なるほど…。エルレイド!メガシンカ!!」

ここでモニカが動いた。エルレイドを出して、メガエルレイドにメガシンカさせる。カミツルギが先制攻撃を仕掛ける。しかも、『ハサミギロチン』である。

「エルレイド!かわして『リーフブレード』で打ち上げる!」

カミツルギの攻撃をかわしたメガエルレイドは『リーフブレード』でカミツルギを打ち上げる。

「『インファイト』!!」

そしてとどめの『インファイト』。この攻撃を受けたカミツルギは戦闘不能になった。

「攻撃力は高いけど、防御力が低いのが弱点よ」

実はカミツルギの防御力が低い。その弱点をモニカは突いたのである。

「はい、さようなら!」

モニカは戦闘不能になったカミツルギを手に持って、そのカミツルギをウルトラホールに投げて、自分の波導でウルトラホールを閉じた。戦闘が終わった後、メガエルレイドは元の姿に戻った。

「さすがモニカさん…」
「ウルトラビーストでも歯が立たないなんて…」
「強過ぎ…」

リーリエとマオとスイレンはコメントする。

「サトシ!いるか!開けてくれ!」
「あの声、ダーシャン!?」

ダーシャンが訪ねてきた。なにか慌てている様子である。サトシはダーシャンを中に入れる。

「どうしたんだよダーシャン?」
「変なポケモンに遭遇してバトルしたんだよ。そいつら1体1体が伝説のポケモンに匹敵して、参ったよ!」
「「「ええぇ!?」」」

ダーシャンの話を聞いて、みんなは驚いた。
その後、落ち着きを取り戻したダーシャンは詳しく事情を説明する。ダーシャンが戦った変なポケモンとは、ウルトラビーストかもしれないと思ったサトシは、ロトムに頼んで、ダーシャンにウルトラビーストのデータを見せる。

「こいつら2体だ。UB02イクスパンションと、UB02ビューティーだ」

どうやらダーシャンが戦った変なポケモンとはウルトラビーストのことで、現れたウルトラビーストの数は2体。ポケモン名は、マッシブーンとフェローチェである。

「倒したのか?」
「ガブリアスをメガシンカさせて何とかな…」

アローラでは、ウルトラビーストは脅かす存在と知られているが、実力でウルトラビーストを倒すトレーナーとポケモンがいるのは多くない。

「こっちもウルトラビーストが現れたよ」
「なんだと?どうだった!?」
「『ハサミギロチン』を喰らって、メガリザードンXが負けた。だけど、お姉ちゃんが倒してくれたから大丈夫だよ」
「お前の自慢のポケモンが負けるほど強かったのか…」
「UB04スラッシュといって、非常に小さいウルトラビーストなんだ。攻撃力が異常に高かったのは予想外だったよ」

サトシはダーシャンに、こっちもウルトラビーストが現れたことを説明する。

「ウルトラビーストについて知らせようとお前に尋ねてきたのだが、どうやらその必要はないようだな」

と、ダーシャンは安心する。
その後、ダーシャンはロケットグループ別宅を後にする。

「ねえサトシ君、今晩一緒に寝ましょう♪」

ロレインはサトシにくっついた。

「ちょっと!サトシ君と一緒に寝るのはあたし!」
「2人はサトシ君とやったからいいでしょ!」
「次はわたし!」

テティスとフェリシアとケアリーもサトシと寝たがっている。

「わたしのサトシから離れろ小娘ども!」
「「「えぇ~!」」」

モニカは彼女達からサトシを引き離す。

「しばらく、サトシはわたしと一緒に寝る!これは決定事項!拒否権なし!」
「「「横暴だー!!」」」

と、ロレイン達はモニカの言葉に猛抗議するのだった。
明日は大会4日目である。

【サトセレ】サトシとセレナ、アズール湾デート

カロス地方を旅するサトシ達はその途中、ヒヨクシティのアズール湾を訪れていた。
海で遊ぶという約束なのだが、サトシはまだしもセレナの準備が長い。
サトシがピカチュウと一緒に準備運動を始め出した次の瞬間!

「サトシー!遅くなってゴメーン!」

黒のホルターネック(首の後ろで結んだりひっかけたりして固定するタイプ)ビキニに身をやつしたセレナが駆け寄ってきた。
水着に着替えると良く分かるのが、カイスの実のように大きく膨らんだバスト、ルカリオのように引き締まったウエスト、前方からは解らないがヒップもきれいに引き締まっている。
顔付き抜群、スタイル抜群、ファッションセンス抜群、さらには調理スキルも高いという究極の美少女がそこにいる。
その美少女が憧れを起点とする恋心を抱くサトシとはどういう人か。ちなみに、セレナの相棒であるテールナーはほのお・エスパータイプ、泳げないのでサングラスをかけ、ビーチチェアでごゆっくり。というか、ゲッコウガ以外(ピカチュウ、ヌメルゴン、ファイアロー、オンバーン、ルチャブル、テールナー、ヤンチャム、ニンフィア)は全員泳げるポケモンではない。一部は飛ぶ?気にしない。

「セレナ、すっげえ似合ってるぜ!」

誰もが言うだろう。セレナは「ありがとう!」と返してそのまま2人は準備運動をし、泳ぎだす。ちなみに水泳勝負はサトシの圧勝。セレナも女子としては悪くはなかったが…。
もしかするとその魅惑のバストがブイと化して動きが鈍ったのだろうか…。
泳ぎきった2人はそのまま海神の穴へのある小島へ。セレナは「やっぱりサトシってすごいのね!」と負けた悔しさを感じさせない笑顔で言い放つ。よくサトシは腰砕けにならないものだ。
2人は知ってか知らずか、海神の穴へ入るが、ポケモンが1匹もいないことも相まって一休みしたらすぐに出てヒヨクシティまで泳いで戻ってしまった。
普段の服装に着替え、ピカチュウ以外をモンスターボールに戻し、ポケモンセンターまで歩を進める2人。話題は海神の穴のこと。その途中でヒヨクジムのジムリーダー・フクジと再会し、意外なことを知った。

「あそこは時々遠方からサンダー、ファイヤー、フリーザーがやって来るんじゃが…お2人さん、ちょっと運が悪かったようじゃ」
「そうですか…」サトシとセレナの声が重なる。その時だった。1匹のでんげきポケモン・サンダーが上空を飛んだのだ。
「行く先は、海神の穴かな?」サトシが言うが「さあ、どうじゃろうな」とフクジ。ポケモン大好きサトシにちょっとむくれるセレナ。

今日はサトシとセレナの2人にとって、特別な1日となった。

25 国際大会編 圧倒的な実力を披露するサトシ!!

ロケットグループ別宅にククイ博士達アローラ組がやってきた。課外授業の一環で、明日トーキョーシティのトーキョースタジアムで開かれる国際大会「U-18トーキョーインターナショナルチャレンジ」に観戦するためである。滞在場所として、事前の連絡を受けたサトシはアローラ組を迎え入れる準備をしていた。そして、現在に至る。

夕方…。会場となるトーキョースタジアムには、出場予定の選手が大勢いる。現在はウェルカムパーティーが開かれており、選手とその関係者達はパーティーを楽しんでいる。サトシは自分のピカチュウとロトムとククイ博士達アローラ組を連れて、このパーティーに出席している。

『サトシ、僕達は偵察にきたのが目的ロト。相手選手を知らないとバトルで不利になるかもしれないロト』
「ああ、わかってるさ」
『というか、すごい実力者が集まっているロト』

ロトムの言うことはただしい。それは選手も同じである。

「おおサトシ、久しぶりだな」
「ダーシャン!?」

そのとき、サトシは誰かに声をかけられた。中国のダーシャンである。

「ダーシャンって、世界ランキング2位の中国の方ですよね?」
「なんか、フレンドリーって気がする」

リーリエとスイレンはコメントを述べる。

「しばらく見ないうちに強くなったじゃないか。俺も本気出させてもらうぜ」
「もちろんだ!」

サトシが強くなったことをダーシャンは喜ぶ。
その後、サトシはダーシャンをアローラ組に紹介する。

「俺はダーシャン。少林寺で修行する修行僧だ。賞金と修行の一環のために、この大会に参加したんだ」

と、ダーシャンは自己紹介する。

「賞金って出るの?」

マオは聞いた。

「聞いてないのか?優勝賞金は10億円」
「「「10億円!?」」」
「準優勝賞金は1億円」

ダーシャンの話をまとめると、国際大会の優勝賞金は10億円。準優勝賞金は1億円。妥当といえば妥当である。

「絶対に優勝しろサトシ!俺に豪華な家をプレゼントしてくれ!」
「そんな無茶な!?」

サトシに無心するククイであった。

「だが、あいつらには注意しろ」
「あいつら?」
「マルグリットがいるグループだ」

ダーシャンはある方向に指を刺した。その方向にサトシ達は目を向けると、マルグリット達数十人の選手達が集まっている。

「もしかして、ヨーロッパのトレーナーか?」
「ああ。噂のアーサー連合の加盟選手だ」

アーサー連合…。二十歳未満のヨーロッパのトレーナーとコーディネーターが加盟している連合組織。共通点は、王族と貴族などのセレブ連中にして全員が波導使い。別に秘密組織でもなんでもないが、そのアーサー連合に加盟するだけでも大変な名誉があるうえに多くのメリットが得られるといわれている。カントーリーグに出場していたオリビエもアーサー連合の一人で、上位に位置する。
マルグリットだけでなく、オリビエもいる。マルグリットが所属するファイヤーボールズのメンバーであるロレインやテティス達も含まれる。全員が出場選手である。

「アーサー連合については俺も聞いたことがある。結構有名だからな」

ククイもその組織について、耳にしたことがあるようだ。

「あれ?あの人もしかして、カントーリーグでサトシとバトルしたオリビエ?」

マーマネは気づいた。マルグリット達の中にオリビエがいることを…。

「ああ。あいつもアーサー連合の一人にして上層部のトレーナーだ」

と、解説するダーシャンである。

「もしかして、あいつら全員がそのアーサー連合」

カキは聞いた。

「ああそうだ。あいつらの目的は、カントーリーグでオリビエを打ち負かしたサトシを叩き潰すことだ」

ダーシャンはこう話す。

「叩き潰すって……サトシを殺害する気なのですか!?」
「「「ええぇ!!?」」」

リーリエの言葉にみんなは驚愕するが…。

「ちょっと待て!そこまで物騒なことはしないぞ!」

そのとき、背が高い男が現れた。

「おおヘルバルトじゃないか」
「ダーシャン…」
「アーサー連合はいつから不良組織に成り下がったのだ?」
「誤解だ!!」

ダーシャンとヘルバルトは知り合いだが、ダーシャンはからかうように笑い始めた。

「いいか!俺達はこのバトルの中で、オリビエ王子を打ち負かしたサトシを倒すことが目的なのだ!」

アーサー連合の目的を語るヘルバルトである。

「だそうだサトシ」
「はい?」

ダーシャンはサトシに声をかけた。

「お前がサトシか?」
「ああ。もしかして、ドイツのヘルバルト・フォン・ベルゲングリュンか?」
「俺を知っているなら話は早い。さっきも言ったように、我らアーサー連合の目的はお前を倒すことだ」
「面白れぇ。全力で受けてたつぜ」
「それは楽しみだ。お前が絶好調の状態でなければ倒す意味はないのだからな。体調管理は万全にしておけよ」
「ああ」

サトシが絶好調の状態で倒すことをヘルバルトは話す。プライドの高いトレーナーのようだ。

「ところでサトシ、彼らはお前の仲間か?」
「ああ」

サトシはヘルバルトにアローラ組を紹介する。

「アローラ地方か。そういえば、腕につけているリングはもしかして、Zリングか?」
「おっ、ヨーロッパにも伝わっているのか?」

ククイは反応する。

「ああ。よければZワザ、見せてもらえないだろうか?」
「だが、君達は明日の大会に出場するのだろう。いいのか?」
「練習試合はできるから問題ない」

選手同士の本格的なバトルは禁止されているが、練習試合程度であれば問題ないようだ。

「わかった。誰かヘルバルトとバトルしたい人は?」
「俺がやります」

カキは名乗り出た。
その後、屋外のバトルフィールドに移動。ダーシャンも興味があるとして、彼らについていく。バトルフィールドのトレーナーボックスには、それぞれヘルバルトとカキが着いている。
バトルしない人達は、その場にあるベンチに腰掛ける。

「1対1のバトルだ。俺はボスゴドラでいく!」
「なら俺はバクガメスだ!」

ヘルバルトはボスゴドラ、カキはバクガメスをそれぞれ出す。ボスゴドラの体にメガストーン『ボスゴドラナイト』が身に付いている。

(アローラのポケモンか…)
(メガストーンか…)

ヘルバルトはバクガメスを見るのは初めて。カキはボスゴドラの体に身に着けているメガストーンに気がついた。バトルスタート。

「バクガメス!『かえんほうしゃ』だ!!」

バクガメスはボスゴドラに『かえんほうしゃ』を放った。しかし、難無く振り払った。

「なに!?」

これには驚くカキである。

「重量級のポケモンの力を見せてやる。『ヘビーボンバー』!!」
「『ドラゴンテール』で迎え撃て!!」
「気をつけろ!ボスゴドラの特性は『ヘビィメタル』!!」
「なに!?」

『ヘビーボンバー』で仕掛けるボスゴドラに、バクガメスは『ドラゴンテール』で迎え撃った。しかし、『ヘビーボンバー』に『ドラゴンテール』が負けた。結果、バクガメスはふっ飛ばされた。ボスゴドラの特性は『ヘビィメタル』。

「『ヘビィメタル』は自分の体重が2倍になる特性。『ヘビーボンバー』は鋼タイプの技で、自分の体重が多ければ多いほど威力が増す技です」

リーリエは解説する。

「ヘルバルトは重量級のポケモンを中心とするバトルスタイルを取っている。あいつのスタイルを打ち崩すのは、さすがの俺もまいったぜ」
「バトルしたことがあるの?」
「ある国際大会でな。そのときは俺が勝ったんだがな」

ダーシャンはヘルバルトのバトルスタイルを解説する。マオの質問にダーシャンは、以前のバトルでヘルバルトに勝ったことがあると答えた。

「攻めていくぞ!ボスゴドラ!メガシンカ!!」

ヘルバルトは左の中指にはめられた指輪の石に触れた。その石はキーストーン。ボスゴドラはキーストーンとボスゴドラナイトに反応して、メガボスゴドラにメガシンカする。

「来るぞ!」

カキとバクガメスは構えた。

「『メタルクロー』!!」
「『トラップシェル』!!」

メガボスゴドラは『メタルクロー』で仕掛けた。バクガメスは甲羅をメガボスゴドラに向けて攻撃を防ぎ、さらに『トラップシェル』でカウンターを仕掛ける。

「なに!?」

これには驚くヘルバルト。

「今だ!行くぞバクガメス!!」

カキはZリングを構えた。

「俺の全身、全霊、全力!すべてのZよ、アーカラの山のごとく、熱き炎となって燃えよ!『ダイナミックフルフレイム』!!」

バクガメスがZパワーをまとって、メガボスゴドラに向けてZワザを放った。メガボスゴドラはZワザをまともに受けた。

「よし!」
「いくらメガシンカしたボスゴドラでも効果抜群です!」
「これで決まりね」

マオとリーリエとスイレンは歓喜に沸く。

「いや、ボスゴドラは立っているぞ」
「「「え…?」」」

ダーシャンの言葉にみんなは驚きの顔をしてバトルに振り向く。

「なに!?」

カキは驚いた。なぜなら、Zワザをまともに受けたにもかかわらず、メガボスゴドラが立っているからである。

「そうか!メガボスゴドラの特性は『フィルター』!」

サトシは声を上げた。

「『フィルター』といえば効果抜群の技を受けるダメージを抑えるという特性だな」

ククイは解説する。

「あれ?ボスゴドラの特性は『ヘビィメタル』だったんじゃないの?」

疑問に思ったマーマネは聞いた。

「メガシンカすると、タイプと特性が変わるポケモンがいるんだ」

その答えにサトシは話す。

「ボスゴドラ!『ドラゴンクロー』!!」

メガボスゴドラがとどめを刺しに出た。

「バクガメス!『トラップシェル』!!」

バクガメスは『トラップシェル』で迎え撃つ。『ドラゴンクロー』と『トラップシェル』は激突するも、『ドラゴンクロー』のパワーが勝った。結果、バクガメスは戦闘不能になった。バトルを終えたメガボスゴドラは元の姿に戻る。

「あのカキが負けた…」
「さすが世界ランキング7位のトレーナー…」

マオとマーマネは驚きのコメントを述べる。

「いいバトルをありがとう」
「こっちこそ」

と、検討を称え合うヘルバルトとカキである。

「『フィルター』なかったら倒れてたかもね」
「マルグリット!?」

そのとき、マルグリットが現れた。

「ヨーロッパのトレーナーか?」

サトシは気づいた。マルグリットの後方に、アーサー連合に加盟するトレーナー達がいる。

『すごいメンツロト』

ロトムは感想を述べる。

「サトシ、これお前のポケモンか?」

ヘルバルトは驚きながら、ロトムについてサトシに聞いた。

「ああ。ポケモン図鑑に入ったロトムだ」
『よロトしく』
「「「しゃべった!?」」」

ロトムが喋ったことに、すでに知っているマルグリットやオリビエ達を除くヨーロッパのトレーナーは驚いた。

「すごい…今度…分解させてもらえるか?」
『ロトーーー!!!??』

ヘルバルトの目つきがやばいと感じたロトムは恐怖を隠せなかった。
それから落ち着いた頃…。

「それで、どうしてみんなここに?」

ダーシャンは聞いた。

「アローラのポケモンとZワザが見たいというからこっちにきたのよ」
「なるほど…」

マルグリットは話す。

「アローラのZワザが強力なら………それ以前にどうやってZワザを使えるのだ?」

ヘルバルトはアローラ組に聞いた。

「アローラで島巡りをやって、試練を受けるんだ。試練を受けて突破したらZリングをもらえて、Zクリスタルを手に入れて、初めてZワザを使えるんだ」

と、ククイは説明する。

「なるほど。そういえばスイレンちゃん。Zワザを放つとき、かわいいポーズやったよね。あのポーズをやらないとZワザ出せないの?」
「うん。ちゃんと決まらないとZワザ出せない」

マルグリットの説明にスイレンは答える。

「話しを戻すけどさ」

そのとき、オリビエが割って入った。

「サトシ、みんなは君を倒したがっているのは言うまでもないっしょ。僕も負けっぱなしでいたくないからね」

と、オリビエは言う。

「紹介するよ。この美少女はイギリスのソフィ」
「よろしく」

オリビエはまずソフィという美少女を紹介する。

「きれい…」
「スタイルも顔立ちも抜群ですわ…」
「まさにセレブのお嬢様…」

スイレンとリーリエとマオはソフィを評価する。

「ちなみに彼女、サトシと同じアーロンの子孫だよ」
「マジか…」

ソフィがアーロンの血族と知って、サトシは驚いた。

「ゴッドファイブの御曹司もいるよ。こっちがジェネラルグループのジュリアスで、こっちがクラリアングループのフォルセ」

オリビエの紹介に出てきたジュリアスとフォルセは前に出て、サトシの前に立つと、サトシを睨み始めた。サトシも負けじと睨み返す。

「ジェネラルグループか…」
「ロケットグループと対立関係にあるゴッドファイブ…」

ククイとダーシャンはコメントする。

「で、こっちはウェルズ。女にモテなくて悩んでいるイギリスのトレーナー」
「余計なことは言わなくて結構ですよ!」

オリビエはウェルズというイギリス出身のトレーナーを紹介するが、本当にモテないようだ。そのウェルズが出てきてオリビエにツッコミを入れる。

「とにかく、僕達は君を倒す!」

と、サトシに宣戦布告。

「俺は注目されないんだな」

ダーシャンは述べる。

「それじゃ俺行くよ」
「おう。また明日な」

サトシはアローラ組を連れて、この場を後にする。しかもスイレン、サトシにくっついている。

(あの子をぶっつぶす…)

と、ロレインはスイレンに嫉妬して『こわいかお』になっていたとか…。

 

ロケットグループ別宅・エントランス…。

「そういえば、レベッカさんがいなかったね」

スイレンは指摘すると、みんなは気づいた。レベッカがいなかったことに…。レベッカもこの国際大会に出てくる予定。

「騒がしいところが苦手なんでな」
「「「レベッカさん!?」」」

そのとき、レベッカが現れた。

「ヨーロッパの連中に結構絡まれていたようだな」

と、レベッカは指摘する。どうやら見ていたようだ。

「あのねレベッカ、サトシにとってあんたは敵なのよ」

そのとき、モニカが現れた。

「やあモニカさん。しばらくここに住むことになりましたので」
「…………」

と、レベッカは挨拶すると、モニカは沈黙の怒りを持って、レベッカを追い出したという。

「ちょっとモニカさん!なんで追い出すんですか!?」
「サトシにとってあんたは敵だって言ったでしょ!?」
「いいじゃないですか!なんたってわたしはサトシの嫁…!」
「それ以上言ったらぶっ飛ばす!」

モニカのブラコンに対するレベッカの抵抗も虚しかったとか…。

 

翌日…。トーキョーシティのトーキョースタジアムで国際大会「U-18トーキョーインターナショナルチャレンジ」が開催された。世界各国のトレーナーが集まるだけあって、日本中のトレーナーが彼らを見るために観戦している。気がついたら、観客席は満員である。
ルールは単純。予選まではダブルバトルで使用ポケモンは2体のみ。予選は4人になるまでずっと続く。対戦の組み合わせはランダムに決まる。本選に進出できるのはわずか4人。本選は6対6のフルバトル。

観客席にVIP席は設けられているが、注目すべき人物が2人いる。マンフレディ・フォン・ヴェラッティとアッシュ・グレイクスという2人の男性。この2人は、ユーラシア大陸を守護する神の将軍、通称「六神将」が一人。ユーラシア大陸のポケモンマスターである。
20代に見える美青年のほうがアッシュで、40代に見える渋い男性はマンフレディ。マンフレディは貴族だが、アッシュは平民である。

「予想以上に集まってきましたねヴェラッディ卿」
「ああ。ヨーロッパのトレーナーが頂点に立たなければならない。それを証明するために、我々はこの国際大会を主催したのだから」

マンフレディとアッシュ、彼らはこの国際大会の主催者で、真の目的はヨーロッパのトレーナーが世界の頂点に立つことである。

「だけど心配はない。我々ヨーロッパ人にはマルグリットという世界最強のトレーナーがいます。彼女が負けることはまずあり得ない」
「もし、負けたらどうするアッシュ?」
「我々がそこまでだったってことです。ですが、これは国際大会。負けても別に問題はありませんが、世界大会なら話しは別です」
「世界大会は国の名を背負って選手達が戦う。まあ、世界各国のトレーナーの実力を見るいい機会かもな」
「楽しみですね。ところで、わたしは楽しみにしている選手がいます」
「それは?」
「サトシです。彼はカントーリーグでオリビエ王子を倒し、アーサー連合を敵に回しました。しかも彼は、アーロンの血族です」
「なるほど…」

マンフレディは黒い笑みを浮かべている。2人はサトシを注目している。

「そろそろ時間だ」
「はい」

マンフレディに催促され、アッシュは壇上に立ち、マイクを構える。すると、会場は静まり返った。

「U-18トーキョーインターナショナルチャレンジの主催者の一人、アッシュ・グレイクスです。観客のみなさま、わざわざこの会場に足を運んでくださり、感謝に堪えません。わたし達がこの国際大会を主催する目的は、ポケモントレーナーに国境線がないことを証明するためです。本音を言えば、日本で国際大会を開いて、アメリカやヨーロッパを含む世界各国のトレーナーを見せることが目的でもあります。話しが長くなりましたが、これより、国際大会、U-18トーキョーインターナショナルチャレンジの開催を宣言いたします!」

アッシュは開催を宣言すると、会場は大いに盛り上がった。

 

第1試合、オープニングバトルに出てくる選手は、サトシ。サトシの相手は韓国出身のポケモントレーナーのキム・ユジンである。バトルフィールドは荒野に設定された。
そして、ポケモンを出す合図が出た。

「行け!ピジョット!ドンカラス!!」

ユジンは二体のポケモンを出した。しかもピジョットはメガストーン『ピジョットナイト』を持っている。

「ゲッコウガ!ピカチュウ!君に決めた!!」

対するサトシはゲッコウガとピカチュウを出した。オープニングバトルが始まった。

「ピジョット!『エアスラッシュ』!!ドンカラス!『あくのはどう』!!」

先に仕掛けたのはユジン。

「かわせ!ゲッコウガ!『みずしゅりけん』!!ピカチュウ!『10まんボルト』!!」

ゲッコウガとピカチュウはその攻撃をかわして仕掛けた。しかし、ピジョットとドンカラスは2体のポケモンの攻撃をかわす。

「ここからが本番だ!」

そのとき、ユジンは左手首に装着している『メガバンクル』を構えた。

「ピジョット!メガシンカ!!」

『ピジョットナイト』と『メガバンクル』が共鳴してピジョットの体が発光。その光が消えるとピジョットの姿が変わった。メガピジョットにメガシンカしたのである。

「使ってきたか」

しかし、サトシは笑みを浮かべた。

「メガシンカしたピジョットの力を見せてやる!ドンカラス!『ねっぷう』!!ピジョット!『ぼうふう』!!」

ユジンは勝負に出た。ドンガラスが放った『ねっぷう』がメガピジョットの『ぼうふう』と組み合った瞬間、威力ある技が完成した。これが決まればユジンの勝利である。

「ピカチュウ!『10まんボルト』を放ちながら回転!カウンターシールドだ!!」

サトシの指示を受けたピカチュウは『10まんボルト』を利用したカウンターシールドを出した。これによって、ドンガラスとメガピジョットのコンビネーション技が防がれた。

「なに!?」

これには驚くユジン。

「いくぞゲッコウガ!俺達はもっともっと強く!!」

サトシとゲッコウガが構えた瞬間、ゲッコウガの体に水が纏い始めた。纏った水が巨大な水手裏剣となって背中に背負うだけでなく姿も変わった。ユリーカ曰くサトシゲッコウガである。キズナ現象によるメガシンカで、サトシとゲッコウガがシンクロすることにより初めて成せると言われているが、結局は謎に包まれたものである。
この光景に人々は驚きと感心を持つ。

「まずい!構えろ!!」

ユジンはサトシゲッコウガの脅威を感じてドンカラスとメガピジョットに指示を出すも…。

「遅い!ゲッコウガ!メガピジョットに向けて『みずしゅりけん』!!」

サトシの指示を受けたサトシゲッコウガは背中に背負っている『みずしゅりけん』をメガピジョットに勢いよく投げ飛ばした。

「ピジョット!?」

メガピジョットはサトシゲッコウガの強烈な攻撃を受けて、たった一撃で戦闘不能になった。同時にメガシンカが解けた。

「決めるぞピカチュウ!」
『ピカ!』

サトシはZリングを構えた。

「これが俺達の!全力だあぁっ!『スパーキングギガボルト』!!」
「なにっ!!?」

ピカチュウはZパワーを纏って、Zワザを放った。これには驚くユジン。ピカチュウが放ったZワザはドンガラスに直撃。戦闘不能になった。

「マジか…」

ユジンは地面に膝が着いた。

「ピジョットとドンカラス戦闘不能!サトシ選手の勝利!」

審判はサトシの勝利を宣言した。サトシの圧倒的な力によりユジンは敗北したのである。サトシのエースポケモンはリザードンだが、強いのはリザードンだけではないことを世界に知らしめた。
Zワザを決めたことで、観戦していたアローラ組は大いに盛り上がった。

ロケットグループ別宅でテレビを見ていたモニカは…

「さっすがわたしの弟♪」

盛り上がっていた。
大会はまだまだ続く。

24 国際大会編 アローラ組登場!スイレンVSマルグリット!

グランドフェスティバル・トーキョー国際大会の4日目にして最終日。午前中はセレナVSエル、リサVSイーシャに分かれた。会場はトーキョードーム。会場は超満員でサトシ達もいる。コンテストバトルのルールはダブルバトル。書くのが面倒くさいので省略します。
セレナとエルのコンテストバトルで勝利したのはエル。カロスクイーンの意地を見せた。続いてリサとイーシャのコンテストバトル。お互い、メガシンカを使っての攻防戦。それを制したのはイーシャである。
そして午後…。エルVSイーシャ…。二人は火花を散らしている。

「わたしが勝ったら今度こそサトシを諦めて」
「そのセリフ、そのままそっくり返すわ」

サトシを巡ってである。
エルはフレフワンとマフォクシーを出す一方、イーシャはラティオスとツタージャである。そしてコンテストバトルがスタート。
イーシャはいきなりラティオスをメガラティオスにメガシンカ。これによって、エルのポイントが削られる。エルも負けなかった。ツタージャ相手に『ブラストバーン』を出すなど容赦はなかったが、ツタージャは『ハードプラント』で対応。さらにイーシャは波導を行使して、エルを追い詰める。
しかし、エルは一糸を報いてイーシャのポイントを大きく削るが、メガラティオスとツタージャの攻撃によって、エルのフレフワンとマフォクシーが戦闘不能になった。イーシャの勝利である。
この国際大会の優勝者はイーシャに決まった。

 

それから…。

「サトシ~♪」
「……………」

優勝したイーシャはサトシにベッタリだった。

「「「うぅーーー!!!」」」

負けたセレナとエルとリサは『ブラストバーン』のごとく嫉妬の炎を燃やし始めた。

「それじゃあ、イーシャ姫とバトルして勝ったらサトシを独占できるというのね。やってやるわ」
「…………」

マルグリットはやる気満々だった。ファイヤーボールズの美少女達もである。イーシャはわかっていた。こいつらに勝つのは無理だと…。

「サトシこっち!」
「「「待てーー!!」」」

イーシャはサトシを連れて逃亡。サトシ大好きな女の子達は追撃。

 

以降は時が流れた。3ヶ月が経過した。その間にいろいろな出来事があった。

ファイヤーボールズは遠征を終えてデンマークに帰国しようとするも、マルグリットとロレインがサトシと離れるのを嫌がっていた。しかし、カルロッテがそれを許さず、みんな一緒に帰国していった。同時に、リルとリサ、オルハとイーシャ、そしてエルとセレナもそれぞれの母国に帰国。とくにオルハとイーシャはロケットグループとの関係をさらに進展させたと両親に報告する。ハルカとヒカリはそれぞれの実家に戻っていった。

それから1ヶ月経過すると、アイルランド王女であるオルハが懐妊されたと全世界に報道された。精子バンクを利用したと世間に公表されるが、実際はサトシとの行為で妊娠した。サトシの子供を孕もうと企んだモニカとリルとカレンは妊娠に至らなかった。同時に、サトシとイーシャの婚約が正式に発表された。記事の内容はこうだ。

『タイトル「ロケットグループ御曹司サトシ氏とアイルランド王女イーシャ姫の婚約!!」サトシ氏はカロスクイーンのエルさんという恋人がいたはずなのだが、イーシャ姫はサトシ氏を寝取って略奪したとされる。これについてエルさんからのコメントが発表された。「信じられない!絶対にサトシ君を取り戻す!!」とイーシャ姫に怒りを露わにしていた。それだけにとどまらず、全世界のサトシファンの女子達が一致団結して、この婚約に反対するためにデモ行進。プラカードには「わたし達のサトシ様を取るな!」、「サトシ様を返せ!」、「打倒イーシャ姫!」と一部過激な発言が飛び交うようになった』

随分と詳しく書かれています。一部、号外として流れているのだった。

サトシが英才教育と帝王学の過程を終えて、ポケモン関連事業を展開。そのサトシを補佐するのは、サトシの秘書と自称するレベッカ。ロトムの調査能力とレベッカの有能性が加わったおかげか、ポケモン関連事業は成功に収める。ポケモン関連事業とは、ポケモングッズとモンスターボールなどの製造だけでなく、ポケモンジムとポケモンセンターのリフォーム、各地のポケモンスタジアムなどのリフォームなど、それぞれに出資して手掛けている。それらから生まれる利益は大したことないのだが、広告を出しているので、広告収入だけで十分な利益を確保している。
現在はロケットデパートで、ポケモングッズの販売やポケモンスクールの開講などを行っている。ロケットデパートとは、ロケットグループが運営する大型百貨店。食料品や日用品や家電製品、さらにポケモングッズなど全ての分野を取り扱っている。庶民とトレーナーにやさしい百貨店で、屋内にポケモンセンターとバトルフィールド、ポケモンスクールまでもある。
すぐ隣には、同じくロケットグループが運営する高級ホテル「トーキョー・ローレット」がある。地下5階から23階建てで部屋の数は438室。そのうち20室はスイートルームで18階から22階。22階にあるスイートルームが一番高く、22階と23階フロア全域を貸し切り状態にできるという特典がある。富裕層の間で人気が高く予約状態と満室状態が続いている。その他に、美容室やサロン、高級ブランド品のバッグやアクセサリーと腕時計、レストランや映画館やカジノだってある。ロケットデパートが庶民向けなら、トーキョー・ローレットは富裕層向けである。
サトシとレベッカはトーキョー・ローレット22階のスイートルームを第二の拠点にしており、実はロケットグループ一族は無料で宿泊できるという一族ならではの特典がある。
ロケットグループ総帥であるサカキは、正式にサトシにロケットグループ別宅を譲渡した。これによって発生した贈与税を支払ったとか…。贈与税、ムカつく税金システムだぜ。

そして現在に至る。トーキョーシティには多くの外国人トレーナーが集まっている。なぜなら、明日はトーキョースタジアムでトレーナー向けの国際大会が開かれる。大会名は「U-18トーキョーインターナショナルチャレンジ」。通常、大会の規模は大したことないのだが、なぜか世界大会に匹敵するくらいの規模になっている。中心となるのが、アメリカ、中国、ロシア、ヨーロッパという大国出身のトレーナーである。ちなみに、日本とロシアの関係は官民問わず良好だという。

そしてロケットグループ別宅の前…。

「「「…………」」」

そこには、唖然とした表情になっている人達がいた。ククイ博士、リーリエ、マオ、スイレン、カキ、マーマネの6人である。なぜアローラ組がここにいるのかというと、ポケモンスクールの課外授業で、こんな大都市に来ているのである。ちなみに、常時上半身裸のククイとカキはちゃんと服着ている。その連絡を受けたサトシは、ここを招待したのである。唖然とした表情になっているのは、ロケットグループ別宅の規模の大きさに驚いているからである。

<ピンポーン!>

スイレンはインターホンを押すと…。

『どちらさま?』

モニターにモニカが出てきた。

「モニカさん、お久しぶりです」
『スイレンちゃんじゃない。それにみんなも…。ということは課外授業でここに?』
「はい!」
『話しはサトシから聞いているわ。通ってこっちに来て』

モニカはアローラ組を別宅に通す。
ロケットグループ別宅・エントランス…。豪華絢爛なエントランスにアローラ組は驚くばかり。さすがゴッドファイブの邸宅である。

「あのモニカさん、サトシはどこにいるのでしょうか?」

リーリエは聞いた。

「あの子は地下のバトルフィールドで特訓しているわ。U-18トーキョーインターナショナルチャレンジという国際大会に出るために」
「「「国際大会?」」」

モニカはこう話すと、アローラ組は口を揃えた。

「そういえば明日、国際大会が開かれるんだったな。俺達の課外授業に、その国際大会の観戦が含まれているんだ」

ククイは説明する。みんなはその国際大会について知っているようだ。

「今回の大会はなぜか、U-18ポケモントレーナー世界ランキング上位連中が出てくるから、規模は大きいわよ」

その大会についてモニカは解説する。
そのとき、マーマネは携帯していたノートパソコンを開いて、U-18ポケモントレーナー世界ランキング上位陣について検索し始めた。

「1位がデンマークのマルグリット、2位がレベッカさん、3位が中国のダーシャン、4位がアメリカのブレット、5位がイギリスのジュリアス、6位がロシアのユーリ。7位がドイツのヘルバルト、8位がフランスのオリビエ、9位がスウェーデンのフォルセ、10位がイギリスのソフィ。みんな有名人ばかりだけでなく、みんなこの大会に出場するそうだよ」
「「「うわ…」」」

マーマネの解説にアローラ組は引いた。

「サトシ、優勝無理なんじゃないか?」

カキはそう口にすると…。

「大丈夫だって!サトシなら行けるよ!」
「うん!サトシが優勝する!」

マオとスイレンはサトシを信じている。

「だけど上位連中、世界大会の常連だよ。その半数以上が、世界大会優勝経験を持っているよ」
「しかも全員、全国チャンピオンに匹敵する波導使いだしね」
「「「…………」」」

マーマネの説明と、その説明に付け加えたモニカのコメントに、アローラ組は暗い表情になった。世界大会優勝経験を持っているトレーナーは、全国チャンピオンに匹敵する実力を持つ。サトシの優勝は絶望的だということは伝わっている。

 

ロケットグループ別宅地下3階のバトルフィールド…。フィールドに立っているのは、メガリザードンXとピカチュウ。そのフィールドの外野にはサトシとロトム、その他のポケモン達がいる。

「行くぞピカチュウ!」

サトシはZリングを構えた。

「『スパーキングギガボルト』!!」

ピカチュウはZパワーを身にまとい、メガリザードンXに向かってZワザを放った。

「リザードン!『ブラストバーン』!!」

サトシの指示を受けたメガリザードンXは『ブラストバーン』を放った。メガリザードンXの『ブラストバーン』と、ピカチュウの『スパーキングギガボルト』がぶつかり合った。パワーは互角で、相殺された。

「ふう。みんな、一休みするか」

サトシは休憩に入る。このとき、メガリザードンXはリザードンの姿に戻った。

「すごい迫力だね」

そのとき、女の子の声がした。声がした方向をみると、モニカとアローラ組みんながいた。

「みんな!よく来てくれたな!」

と、サトシはアローラ組との再会を喜ぶ。

「ずっと見てたよ。すごいねサトシ」

スイレンは嬉しそうである。スイレンはサトシに好意を抱く女の一人である。

 

それからみんなはラウンジに移動。

「えっと、明日の大会のルールは、予選はダブルバトル。本選トーナメントはフルバトルとなっています」

リーリエはタブレット端末を持ってU-18トーキョーインターナショナルチャレンジについて調べていた。

「出場するには、リーグ優勝した経験、国際大会優勝した経験、世界大会に出場した経験のいずれかとなっています。今大会で注目すべき選手はやはり、ランキング1位のマルグリットさんです」

さらに解説する。

「マルグリットね…」
「マルグリットか…」

モニカとサトシは深刻そうな表情になる。

「知ってるのサトシ?」

マオは聞いた。

「ああ。数ヶ月前まではうちに住んでたんだ」
「「「ええぇ!!?」」」

マルグリットがロケットグループにいたことを知ったアローラ組は驚愕を隠せなかった。

「大変だったわよ。マルグリットだけでなくデンマークのファイヤーボールズ達がうちを合宿所に使ったからね。マルグリットはそこに所属するポケモンプロチームのプロトレーナーだったんだけど、なにせプロチーム全員が風俗嬢とAV女優なのよ」
「「「風俗嬢!!?」」」
「「「AV女優!!?」」」
「しかも全員がサトシにメロメロで…」
「メロメロ…」

メロメロという言葉にスイレンはヤンデレなような表情になる。

「ちょっと待ってくれモニカさん。ファイヤーボールズといえばヨーロッパ最強のポケモンプロチームで、メンバー全員が世界大会の常連で、中には優勝したという選手がいるほどだと聞いたが?」
「そう。風俗嬢とAV女優というポケモントレーナーに泥を塗るような職業に就いているんだけど、本来の実力はトップクラスよ。それに、マルグリットを含む18歳以下のファイヤーボールズの女の子達も明日の大会に出てくるわ。他にも、アメリカのスターダスト、イギリスのペンドラゴン、フランスのシュバリエ、ドイツのジークフリート、中国の王虎衆(ワンフージョン)、ロシアのアレクサンドルなど、それぞれのクラブチームのエーストレーナーが出てくる」
「世界大会並の規模だな…」

各国のポケモンプロチームのエーストレーナーが出てくるとされている。たしかに、世界大会並の規模である。

「サトシ~、遊びにきたわよ~♪」

噂をすればなんとやら…。マルグリット本人が現れ、すぐにサトシに抱きつく。

「どうしてここに!?ていうか不法侵入…」
「固いこと言わない言わない。再会の記念にチューを」

と、サトシにキスを迫るが…。

「どっから入ってきたのよ小娘」
「げっ!?モニカさん!」

モニカに阻止される。

「あのね、サトシにとってあんたは敵なの。わかったなら帰る」
「いやですよ。それにサトシが泣いているのです。あたしでなくイーシャ姫と婚約することに…」
「わたしだって泣いてるわよ。だから、わかったなら帰る」
「一発やらせてくださいお姉様♪」
「……………」
「苦しいーー!!」

あまりのしつこさにモニカはマルグリットにチョークスリーパーを仕掛けた。

「誰なの?サトシにべったりしていたあの女?」

スイレンが「こわいかお」の表情になった。

「さっき話したマルグリットよ」

モニカはそう話すと…。

「ええ!?」
「あの人は世界ランキング1位の!?」

マオとリーリエが声をあげて驚く。

『実力は確かだロト。マルグリットさんの戦績を詳しく検索してみると、他国の全国チャンピオンの何人かに勝利しているし、過去に世界大会に出場して優勝しているロト』
「そんなに強いのか!?」
「さすが世界ランキング1位…」

ロトムの説明にカキとマーマネは驚きの声をあげる。

「そういえば、見ない顔がいるわね」

マルグリットはアローラ組の存在に気づいた。サトシに自己紹介され、アローラ組はそれぞれ名乗るが…。

「マルグリットさん、わたしと勝負してください!」
「はい?」
「わたしが勝ったらサトシを諦めて」
「え…うん…」

スイレンに勝負を挑まれたマルグリットは動揺しながらもバトルを受ける。
ロケットグループ別宅内のプールエリアに移動。水タイプ専用のバトルフィールドとしても使用することができる。スイレンとマルグリットはそれぞれのトレーナーボックスに入り、サトシ達みんなはそこにあったベンチに座って観戦する。マルグリットはすでにラグラージを出している。

「あたしはラグラージでいくわ。あなたは?」

スイレンはあるポケモンを出す。

「行って!オシャマリ!!」

アイドルポケモンのオシャマリである。

「へぇ~、あのアシマリが進化したんだ」

サトシは興味を抱く。バトルスタート。水の中である。

「オシャマリ!『アクアジェット』!!」
「『アームハンマー』で迎え撃て!!」

先制したのはオシャマリ。『アクアジェット』で立ち向かうが、ラグラージの『アームハンマー』によってぶっ飛ばされてしまう。

「まだまだ!『バブルこうせん』!!」
「『ハイドロポンプ』!!」

続けて、オシャマリは『バブルこうせん』を放つもラグラージの『ハイドロポンプ』のパワーに負けてしまい、『ハイドロポンプ』を喰らってダメージを受ける。

「もう終わり?」
「まだまだ!行くよオシャマリ!!」

そのとき、スイレンはZリングを構えた。

「噂のZワザね。ならラグラージ!メガシンカ!!」

マルグリットは左手の中指にはめ込まれているキーストーンの指輪を構えた。ラグラージをメガラグラージにメガシンカさせる。

「届け!水平線の彼方まで!!『スーパーアクアトルネード』!!」

Zパワーを身にまとったオシャマリはZワザを放つ。

「ラグラージ!『ハイドロカノン』!!」

メガラグラージは水タイプ最強の技『ハイドロカノン』を放った。『ハイドロカノン』と『スーパーアクアトルネード』がぶつかり合った。しかし、メガラグラージの『ハイドロカノン』が『スーパーアクアトルネード』を打ち負かした。

「そんな!!?」

これには驚くスイレン。オシャマリは『ハイドロカノン』を受けて戦闘不能になった。

「Zワザを普通の技で打ち負かすなんて…」
「さすが世界ランキング1位のトレーナーのポケモン…」

マオとカキは驚きのコメントする。
バトルを終えたので、メガラグラージは元の姿に戻る。

「サトシの嫁はあたしに決定ね♪」
「うぅ~…」

と、マルグリットは勝利の笑みを浮かべ、スイレンは落ち込んだ。

「つまり、わたしが勝てば、サトシの嫁の座はわたしのものなのね?」
「え…?」

そのとき、モニカは立ち上がった。マルグリットもこれには冷や汗を掻いた。

「久々にバトルしたくなっちゃった。マルグリット、覚悟しなさいよ♪」
「ええぇーーー!!!??」

結局、モニカとマルグリットはこの場でバトルすることが決まった。このときのモニカの表情は黒い。
モニカはエルレイドを出して、マルグリットはこのままラグラージで挑む。ラグラージは『かいふくのくすり』で回復済み。互いのポケモンはいきなりメガシンカ。バトルを書くのが面倒くさいので省略します。
結果はモニカの圧勝。しかも、数分も経たず…。水のフィールドなので相手の水ポケモンが有利にもかかわらずである。バトルに負けたマルグリットは…。

「さっさと帰る!」
「うぅ~…」

モニカにロケットグループ別宅を追い出されたという。
明日は世界大会並の国際大会が始まるのであった。

23 欧州編 女達によるサトシ救出作戦?(後編)(R-15)

就寝の時間…。ロケットグループ別宅のラウンジ…。ここには、サトシ大好きな美しき女子達が集まって会議している。この女子達の中に、リサとエルとセレナとハルカとヒカリも含まれている。
ちなみに、サトシの部屋に、サトシとオルハとイーシャがいて、3人は裸の状態である。現在、イーシャはベッドで眠って、サトシとオルハは寝ているイーシャの傍で性行為を行っている。騎乗位でオルハがサトシを攻めている。コンドームは使用しておらず、それどころかサトシはオルハの中に何度も中出しし、オルハは何度もイッてアへ顔となって、さらに大きな喘ぎ声を出している。これだけやってもイーシャは起きない。実はイーシャ、オルハに眠らされている。サトシはオルハによって、魅惑の波導術『チャーム』をかけられており、現在はオルハにメロメロである。
この様子をロトムは監視し、映像をモニカ達に送っている。

「アへ顔になるほど気持ちいいの…」
「羨ましい…」

とくにファイヤーボールズのみなさんはサトシと行為をしているオルハを羨ましそうな目で見ていた。

「みんないいわね。乗り込むわよ」
「「「ええ!」」」

モニカは率先する。

そして、サトシの部屋の前に到着。しかし、扉には結界が張られている。

「オルハが張った光の波導の結界のようね」

モニカは推測する。

「マルグリット、お願い」
「はい」

カルロッテはマルグリットを指名。マルグリットはアーロンの波導を使って、光の結界を消滅する。

「オルハ!そこまでよ!!」

そして突入。現在のサトシの部屋の状況は、ベッドの上にサトシとオルハが裸になって性行為をしている。現在の状態は騎乗位で、オルハが攻めている状態である。傍にイーシャが眠っている。

「あなた達?」

モニカ達の存在に気づいたオルハは冷静である。

「サトシから離れて!!」

マルグリットは突撃するも、突然、マルグリットの足元に魔方陣が現れた。

「これは…!?」
「『マナバインディング』」

オルハは呟くと、マルグリットの右腕にタトゥーが浮かび上がった。

「アーロンの波導が使えない!?」

マルグリットは波導が使えないことに動揺を隠せなかった。
マナバインディングとは、封印の上級波導術。殺傷能力はないが、その波導術を受けると、しばらくの間波導が使えない。たとえアーロンの波導でも…。

「アーロンの波導さえ封じ込めばこっちのものですわ♪」

さらにオルハはモニカ達の周りに光の結界を張った。その結界はモニカやカレンでさえも打ち破ることが難しいほど強固である。
オルハはモニカ達が来ることを想定していた。

「オルハ!アフターピルを飲め!」
「いやですわ。いまサトシ君と子作りしていますので」
「ふざけるな!サトシと子作りしていいのはわたしだけだ!」
「ブラコンもほどほどにしておきなさいよモニカ」

モニカの言葉に怒りを表すオルハである。

「ぶっちゃけオルハ、なんでサトシ君にこだわっているわけ?」

リルは聞いてみた。

「いろいろ理由はありますけど、明確となっているのは、アイルランド王国の財政を改善するためです。最近、アイルランドの財政が厳しい状態になっているので、ロケットグループの莫大な資産と経済力を持って、アイルランドの財政を改善しようと計画したのです。そのためには、サトシ君はわたし、ではなくイーシャと結ばれなければなりません」
「ちょっと!今の本音!?」

説明している途中に本音がポロリと零れたオルハである。

「わたしがサトシ君の子供を産みたいという理由は、わたしの個人的な欲求ですわ♪」
「「「ふざけないでよ!!?」」」
「できれば3人産みたいですわ♪」

と、嬉しそうにモジモジするオルハに怒り心頭なサトシ大好きな女性達である。
だけど、これだけはわかる。アイルランドの財政よりオルハの個人的な欲求のほうが大きいことを…。肝心のサトシはオルハの『チャーム』によって逆らえない。そのままオルハの中に射精するサトシである。射精し終えた後、オルハはサトシから離れると、オルハのあそこからサトシの精液が流れ出てくる。

「お姉様のバカ!!」
「イーシャ!?」

そのとき、イーシャが起きた。イーシャはサトシをオルハから引き離す。

「サトシの子供はわたしが産むのになんで!?」

いくら姉でも想い人を寝取られたらたまったものではない。

「わたしは異性としてサトシ君を愛しているのです。それ以外になにかありますか?」
「お姉様のバカ!」

と、イーシャはオルハに立ち向かって取っ組み合いとなり始めた。その反動でサトシ、ベッドから落ちて…

「あれ?俺なにを?」

落ちた衝撃で正気に戻った。オルハにかけられた『チャーム』が解けた。

「サトシ!正気に戻ったのね!アーロンの波導でこの結界を壊して!」
「え…あ…うん」

状況がわからないサトシはモニカに言われるがまま、モニカ達を囲っていた結界をアーロンの波導で打ち消した。

「嘘!?」

これには驚きを隠せないオルハ。

「「「オルハ!!」」」

結局、オルハはモニカとカレンとカルロッテとリルによって抑えられた。

「離して!」
「やかましい!」

イーシャはマルグリットによって抑えられた。

「サトシ、大丈夫?」

リサはサトシを保護するが、ハルカとヒカリは真っ赤になってサトシの下半身をマジマジとみていた。

「うわああ!!」

自分が真っ裸になっていることに気づいたサトシは、急いでベッドにある掛布団を体に包んだ。

「「?」」

セレナとエルはなにかに気づいた。ベッドの下に視線が向けられた。

「あら?」

ロレインも気づき、ベッドの下を直接見た。その瞬間、ドス黒いオーラが漂い始めた。しかも、オーラが濃い。

「ねえサトシ君……これ…なに…?」

ロレインはベッドの下にあるものを発見し、それを手に取ってサトシに見せた。

「え…なにこれ…?」

それを見たサトシは硬直した。ロレインが手にしたあるものとは、大量のエロ本とエロDVDである。そのエロ本とエロDVDの中に、ファイヤーボールズ関連のものがあった。サトシにはまったく身に覚えがない。しかし、サトシ大好きな女達はこれを見逃さなかった。

「サートシくーん、なにかなこれ?」

リルは黒い笑みを浮かべてサトシにくっついた。

「し、知りませんよこれ!?」

サトシは否定する。

「なんてものを買ってんのよサトシ!」

モニカは怒りを露わにする。

「こんなものを性欲処理に使うとは見損なったぞ」

レベッカの目が怖い。

「「「「「最低!」」」」」

ハルカとヒカリとセレナとエルとリサも怒りを露わにしている。

「まさかサトシ君がこんなものを買っているとは…」
「悲しい…」

オルハとイーシャは哀れみのような目をしている。どうやらなにも知らないようだ。

「サトシ!こんなものを買ってなにが楽しいのよ!?」
「そんなにやりたかったらわたしに言えばいいのになんで!!」

怒り心頭なマルグリットとロレイン。

「取り調べよ」
「ひぃー!!」

カレンの一言でサトシは恐怖に怯えたという。
その後、オルハが握っていたみんなの弱味の回収し、すべて処分することができた。しかし、サトシの本当の地獄はここからである。

翌日…。ロケットグループ別宅のラウンジ…。モニカとカレンが主導するサトシの取り調べがすでに始まっている。周りにはサトシが好きな女達がいる。テーブルの上には大量のエロ本とエロDVDが置かれている。
グランドフェスティバル・トーキョー国際大会の3日目がスタートなので、リサとイーシャ、エルとセレナとハルカとヒカリは不在である。

「なんでこれを買ったのよ!?」

怒鳴り声を散らすモニカに…

「身に覚えないよ…」

怯えるサトシである。

「エロガキにまで堕落するとは情けない…」

容赦ないカレンである。
マルグリットとロレインとレベッカは今でも怒り心頭である。エロ本とエロDVDを大量に購入した彼氏に対する彼女の怒りでもあるとか…。

「そこまでにしたら?サトシ君泣いちゃったじゃない」

カルロッテはサトシを擁護する。現在、サトシは泣いている。

「そうよ。男の子は誰しもエロ本とエロDVDくらい持っているわ。わたし達のやつがあるなら、わたし達が相手をするし」

ギンノは笑みを浮かべるも…。

「あんた達は黙ってて…」

モニカはこう呟く。

『ああそれは!』

そのとき、ロトムとサトシのピカチュウが現れたのだが、ロトムは大量のエロ本とエロDVDを見て声をあげる。

「ロトム知ってるのか?」

サトシは聞いた。

『知ってるもなにも、それは僕がサトシのために買ったものだロト』
「「「「「え…」」」」」

ロトムの言葉にみんなは目がテンになった。

『サトシはロケットグループの御曹司。勉強だけでなく恋愛も性行為もうまくならなければならない。これはサトシの恋愛と性行為のテクニックを向上させるために、僕が買ったものだロト。ベッドの下に保管して後で見せようと思ったんだけど…』

真実を知ったみんな…。

「お前のものかロトムー!!」

サトシは発狂するような感じで声をあげた。

「ポンコツのくせによくもわたしのサトシを陥れようとしたわね…!」
<チュイーーーーン!!>
『ロトーーー!!!』

どこから出したのか不明だが、電動ドリルを手に持ってロトムに迫るモニカ。これにロトムは恐怖を抱くしかなかった。

『あ、僕、アローラ探偵ラキのDVDを見なきゃ…』

と、ロトムは退散すると…。

「待てごらーーー!!!」

鬼の形相と化したモニカは電動ドリルを手に持ったままロトムを追いかけ始めた。

「よくよく考えたら、サトシがこんなものを持ってないわよね」
「たしかにそうね」

マルグリットとロレインは気まずそうな表情になりながらも、こう弁解する。

「そういえば、サトシの荷物を常にチェックしていたな」

レベッカもこう話す。

「わたし、サトシ君を信じてましたわ」

オルハはこう述べるが、サトシを哀れみの眼差しで強く見ていたのは彼女である。信じるという心がどこにあったか…。
とにかく、疑いが晴れたサトシ。エロ本とエロDVDだけでここまで豹変する彼女達もどうかと思うが…。

「サトシ君、おわびにわたしがサトシ君とエッチしてあげるわ」

しかもロレイン、サトシに抱きついて誘った。

「ちょっと!サトシとエッチするのはわたし!」

さらにマルグリットはサトシに抱きつく。

「もう勘弁してくれー!!」

と、サトシは逃亡。無理もない。彼女達の黒い部分をここまでみたサトシは女性に対する恐怖が染み付いてしまっている。

夕方…。グランドフェスティバル・トーキョー国際大会の3日目が終了。昨日から二次審査であるコンテストバトルが始まって、みんなはなんとか生き残っているのだが、ハルカとヒカリが脱落。そのわけは、ハルカの対戦相手がリサ、ヒカリの対戦相手がイーシャとなったのである。結果はリサとイーシャそれぞれの圧勝。生き残ったのは、セレナとエルとリサとイーシャ。
対戦相手の組み合わせも決まった。セレナ対エル、リサ対イーシャ。実は明日から準決勝。午前中は準決勝で、午後から決勝が行われる。明日が最終日となっている。

そしてロケットグループ別宅。帰ってきた女の子達は、大量のエロ本とエロDVDはロトムが購入したものと知って安堵する。もう一度言うが、ここまで豹変するとは思わなかったサトシである。
だが、問題はここからである。今晩、サトシと一緒に寝る人である。オルハの件もあって、決めなければ、サトシに対する夜這いをする痴女達が続出するだろう。サトシも身の安全のために受け入れざるを得なかった。
サトシと一緒に寝る人をどうやって決めるのかというと、くじ引きである。先端に赤いマークを引き当てた女がサトシと一緒に寝る人となる。その結果…。

「やったー!!」

リサが引き当てた。

「イカサマよ!」

マルグリットは抗議するが…。

「最初に引いたわたしがイカサマしようないじゃない」
「ぐぅ~!」

リサに正論を述べられて、マルグリットは言い返す言葉が見つからなかった。

就寝の時間…。サトシの部屋…。サトシとリサはベッドの上で裸になって性行為をしていた。コンドームを使用した安全な性行為である。この過程でサトシはリサの処女を奪い、リサは大好きな人に処女を捧げることができて嬉しそうな表情になっていた。このときの状態は正常位である。王女の処女をいただくサトシはリア充爆発しろである。
その後、性行為を終えて2人は寝ようとしたとき…。

「サートシくーん♪」
「うわっ!リルさん!」

リルが現れた。

「お姉様!?どっから出てきたの!?鍵閉めてたはずなのに!?」

リサは動揺する。

「サトシ君の部屋の合鍵をこっそり作っちゃった。てへ♪」
「てへじゃないでしょ!?」

実はリル、時期は不明だがサトシの部屋の合鍵を作っていた。

「じゃあサトシ君、次はお姉さんとやろ♪」
「えぇ!?」

そしてリルは服を脱いで裸になってサトシの上に乗っかって、そしてキスする。ディープキスである。直後、サトシとのキスを終えたリル。キスされたサトシは生気を吸い取られたような疲れた表情になった。

「お姉様!邪魔しないで!」
「それはこっちのセリフ!」

リルはリサをどけて、騎乗位の状態でサトシの反り立ったあれを自分のあそこにそのまま入れる。実はコンドームを装着していない生の状態なのだが、入れた同時に、リルのあそこから血が流れた。リルはサトシに処女を捧げたのであった。そのまま腰を振って、その間にサトシにキスする場面もあった。
絶頂を迎えたとき、サトシは離れようとするが、リルは離れなかった。そして、諭しはリルの中にそのまま射精した。射精し終えると、サトシのあれがリルのあそこから離れると、リルのあそこから精液と処女の血が混じり合って流れ出てきた。

「気持ちよかった~…」

このときのリルはアへ顔になって、サトシの体に倒れ込んだ。

「むぅ~、サトシ!次はわたし!今度はわたしにも中出しして!」
「えぇ!?」
「サトシ君もう一回♪」
「ええぇ!?」

スペイン王女姉妹に迫られるサトシ。
その後、サトシは自前の『テクニシャン』と『メロメロボディ』でリサとリルを何度もイカした。

「サトシ~、もっともっとしようよ~」
「さいこうだよサトシく~ん」

結果、この姉妹はアへ顔になって中毒と化しつつサトシを求めたのであった。眠れない夜になったサトシであったという。

22 欧州編 女達によるサトシ救出作戦?(前編)(R-15)

夜、ロケットグループ別宅のラウンジ…。ここには、女性と女子達が全員集合している。ちなみにサトシはここにおらず、自分の部屋でポケモン関連の本を読んでいる。

「今日からサトシ君の面倒はわたしが見ます」

オルハは高らかに宣言すると…。

「サトシの面倒を見るのは、姉であるわたしの役目。なんでオルハなの?」

モニカは怒りを露わにする。

「そうだよ。そもそもわたし達がいるかぎり独占できるとでも?」

リルもさすがにご立腹の様子。他のみんなも同様である。

「その代わり、みなさんにはこれを差し上げます」

オルハはテーブルのうえに置いてあった数多くの封筒をみんなに差し出す。封筒それぞれに名前が書かれている。ただし、イーシャのがない。みんなは手渡された封筒を開封して中を見ると、真っ青になった。

「オ…オルハ…これ…」
「サトシ君に見られたらショックでしょうね…とくにモニカとハルカちゃんとヒカリちゃん」

オルハの黒い笑みにみんなは動揺を隠せなかった。

「に…日本では違法なの…?」

カルロッテはわなわなとした表情になる。

「これだけは絶対にサトシに見せたくない!」
「オルハ姫様卑怯ですわ!」

あのマルグリットとロレインが慌てている。

「いつ知られたのだ!?」

あのレベッカでさえも動揺している。

「もしバレたら自分の人生に幕が下りるかもしれませんし、自分に問題なくてもサトシ君に嫌われる、もしくはサトシ君の人生がどうなるかわかりません。黙ってもらえば、わたしも黙っています。イーシャについてですが、サトシ君と婚約してもらうので弱味を握る必要はありません」

イーシャ以外、完全に弱味を握られたみんなである。ちなみに弱味とは、こんな感じである。
モニカは自分と男(ジノ)とのツーショット写真。カレンは自分とサトシの性行為の写真。レベッカはロケットグループ別宅からお金を横領。リサは自分と男の子のツーショット写真。リルはサトシに対する意地悪な行為および横領の証拠。ファイヤーボールズは違法風俗行為(風営法違反&売春禁止法&児童ポルノ禁止法)の証拠。ハルカとヒカリは他の男の子とのツーショット写真。エルとセレナは裸の写真。弱味を握られた全員はオルハに従うほかないという。

「ではイーシャ、サトシ君のところに行きましょう」
「はい♪」

オルハとイーシャは嬉しそうな表情でこの場を後にして、サトシの部屋に向かったのであった。

「やばいやばいやばい…これが世に出たらわたし達…終わりよ…」

カルロッテは落ち込む。カレンはカルロッテの弱味が記載された封筒の内容に目を通すと…。

「そりゃそうよ…違法風俗行為だもん…」

と、カレンは呆れている。

「どうすんの!?このままじゃあたし、サトシとエッチできないじゃない!」

マルグリットは口にするが…。

「わたし達がいない間にそんなことしてたの!?」

リサはマルグリットにツッコミを入れる。

「まずいわ…。まずは弱味の出所を調べるところから始めましょう」
「「「うん」」」

モニカの提案にみんなは同意し、協力し合う。

 

それから就寝の時間。サトシの部屋…。ベッドの上には、全裸となっているサトシとイーシャとオルハがいる。ちなみにピカチュウはモニカと一緒に寝ており、ロトムはどこにいるか不明。
現在、サトシとイーシャは正常位で行為を行って、サトシはイーシャの処女をもらった。コンドームは使っている。大好きなサトシと交わることができて、イーシャはとても嬉しそうだ。そして、イーシャは満足して眠りについた。
イーシャが眠ったところで、サトシはオルハの相手をさせられる。コンドームの使用はなし。正常位で、サトシは自分のあれをオルハのあそこに挿入して、オルハの処女膜を破る。それから数十分が経過。サトシは絶頂して、オルハの中に射精してしまう。射精し終えた後、オルハのあそこを抜くと、オルハのあそこから血と精液が混じり合って流れ出てきた。

「気持ちよかったですわサトシ君。さすが『テクニシャン』と『メロメロボディ』の持ち主。だけど、まだまだやらないと妊娠できませんね」
「うぅ~…」
「今日は痛いので明日にしますわよ♪」

と、オルハはサトシにキスすると…。

「お姉様…妊娠ってどういうことですか?」

イーシャが起きた。しかも表情が黒い。

「イーシャ、これはね…」
「お姉様のバカ!サトシの子供はわたしが産むの!お姉様じゃない!」
「お父様とお母様に言われちゃったのよ。子供を産めと…」

サトシとオルハの行為にイーシャは面白くなく、むしろ怒りを露わにしている。

「サトシ…わたしにも中出しして…」
「いやでも…まだ痛いと思うんだけど…」
「痛くない!だからもう一度やって!」

イーシャの怒りは尋常ではなかった。このまま怒らすとどうなるかわからないので、サトシはイーシャと行為することになった。
数十分後…。サトシはイーシャの中に射精した。

「子宮に注がれるのって…気持ちいい…」

イーシャの感想である。

「サトシ君、わたしにもちょうだい。痛み治まったから…」
「サトシ…わたしも…」

オルハもしたいと言い出し始め、イーシャもサトシに貪欲に求め始めた。結局、2人が満足するまで、サトシの精力が絞られたという。

 

翌日…。起床時間。サトシの部屋…。イーシャとサトシはベッドのうえで眠っている。このとき、イーシャはサトシを抱き枕にしている。しかし、オルハの姿がない。2人は目を覚ますと…。

「おはようございます」

オルハが浴室から出てきた。全裸のままである。よくみると、アンダーヘアも整っており、豊満なスタイルと美貌を兼ね備えている。この人に脅されたとはいえ、美人と交わったことについて、サトシは満更ではないようだ。浴室から出てきたのは、シャワーを浴びたからである。その証拠に、オルハからほのかな香りがする。

「サトシ君、イーシャ、スポーツドリンクですわ」

オルハはスポーツドリンクが入ったカップをサトシとイーシャに渡すと、2人は飲み始めた。

(ふふっ、サトシ君のドリンクにはマカと亜鉛サプリがたっぷり入っているのに対し、イーシャのドリンクにはアフターピルが入っている。さすがにイーシャを妊娠させるわけにはいきませんからね♪)

オルハは策士である。そうとも知らず、2人は飲んでいる。2人がスポーツドリンクを飲み終えた。
ちなみにマカとは、簡単にいえば精力剤。勃起力とペニス増大と勃起の持続力に期待ができるというものである。

「サトシ君、ちょっとこっちみて」
「?」

オルハはサトシを振り向かせ、サトシの目を見る。直後、サトシに波導をかける。かけられているサトシとイーシャが気づくことなく…。

(魅惑の波導術『チャーム』……かけられた相手は術者に魅惑され、術者のことしか考えられなくなる…」

オルハがサトシにかけたのは、魅惑の波導術『チャーム』。効果はオルハの説明したとおりで、簡単にいえば、かけられた相手は術者にメロメロになるという。『チャーム』は永遠に持続するが、解除するには、術者が自分の意思で解除するか、相手にかかっている『チャーム』を打ち消すのどちらかとなる。

「オルハさん!俺、オルハさんのこと好きです!」
「きゃっ!もうサトシ君ったら…わたしもサトシ君のこと好きですわ♪」

さっそく『チャーム』の効果が現れ、サトシはオルハに抱きついて告白し始めた。

「お姉様!サトシになにしたの!?」

イーシャは感づいた。

「サトシ君に『チャーム』という魅惑の波導術をかけたのです。これでサトシ君はわたしにメロメロ。わたしが妊娠するまで、サトシ君の面倒はわたしがみます」
「冗談じゃありません!」
「ちなみにイーシャが飲んだスポーツドリンクには、アフターピルという緊急避妊薬が入っています」
「お姉様!!」

アフターピルを盛られたと知ったイーシャは怒りを露わにする。

「大丈夫ですわイーシャ。わたしが妊娠した後、イーシャがサトシ君を自分のものにすればいいのです」
「でも…」
「わたしの言うとおりにすれば、サトシ君の婚約者の座はイーシャ、あなたのものです」
「うん…」

結局、イーシャはオルハの提案を受け入れる。

「ねえサトシ、お姉様のこと好き?」

イーシャはサトシにかかった『チャーム』の効果を確かめるため、あえて聞いてみた。

「ああ、好きだぜ」
「わたしのことは?」
「普通だな」
「ガーン!」
(効果は抜群ですわね)

『チャーム』は術者にかけられた相手が術者を好きになるのだが、そのとおりの効果となった。普通だといわれたイーシャはショックを受ける。

「じゃあサトシ君、お相手してください」
「はい」

サトシとオルハはベッドの上に移動して行為に及んだ。昨日と違って気持ちいいのか、オルハの喘ぎ声が大きくなってきた。現在は正常位。

「サトシ、わたしも」
「ああ」
(あれ?)

イーシャはオルハの上に乗っかってサトシに自分のあそこを晒すと、サトシは自分のあれをオルハのあそこから抜いて、イーシャのあそこに入れる。

(妹のイーシャもメロメロなのかしら?)

実はオルハ、『チャーム』の効果を理解できていないようだ。加えて、『チャーム』を使ったのがサトシで初めてである。
その後、サトシはイーシャとオルハの中に何度も射精するのであった。そして3人は果てたのであった。

 

それから時間が経過。サトシとオルハはラブラブ状態である。この光景を目の当たりにしたサトシ大好きな女性達は憤りを隠せなかった。しかも、グランドフェスティバル・トーキョー国際大会の2日目がスタートなので、リサとイーシャ、エルとセレナとハルカとヒカリはロケットグループ別宅から離れた。サトシはオルハのもと、英才教育を受け始める。
一方、モニカとカレンとレベッカとファイヤーボールズ達はラウンジで会議を始めた。

「『チャーム』ですって!?」

モニカは驚きの声をあげた。

「オルハのやつ、サトシ君に魅惑の波導術『チャーム』をかけて、サトシ君をメロメロにしているわ」

サトシが『チャーム』にかかっていると、リルは見抜いた。

「このままだとオルハ、サトシで妊娠しかねない…」

モニカは危惧する。

「そうだ!こっちにはアーロンの血族がいるわ!」

カルロッテはマルグリットをみて思い出した。マルグリットはサトシと同じアーロンの血族。マルグリットにとって、相手にかかっている波導術を打ち消すのは容易い。

「問題はわたし達がオルハに弱味を握られたということを…。迂闊に動けば、わたし達が人生にピリオドを打たなければならなくなるわ」

カレンの説明にみんなは同意する。
なお、ラウンジにはロトムがいる。ロトムはこの様子を映像にし、オルハのスマホに送っている。

『そう…。彼女達は次の一手に出てくるのですね』、
『そうロト…。この僕をこき使うなんて…』
『スクラップ工場に行かないだけでもありがたいと思ったほうがいいですわよ。報酬はアローラ探偵ラキのDVDだから、ロトムにとってメリットがあるはずですわ』
『うぅ~…かならずくださいロト…』

実はロトム、オルハの脅迫と報酬によって、オルハに従っている。今のロトムはオルハの監視カメラ的存在。モニカ達の行動を把握しているのであった。彼女達の弱味の写真はほとんど、ロトムが激写したものによる。

 

それから時間が経過。サトシとオルハは図書室にある寝室で性行為を行っている。オルハの計画は順調である。しかし、サトシとの性行為が気持ちよすぎて、オルハは何度もイッて、気がついたらアへ顔となっている。このときの状態は後背位(バック)である。

「シャトシ君すごいですわ!もっと!もっとわたしの子宮に注ぎ込んでくださいー!」

サトシはオルハの中に何度も射精する。射精するたびにオルハはイッてしまうという。それから、サトシは自分のあれをオルハのあそこから抜くと、今度はオルハのお尻の中に挿入する。

「サトシ君、そこはダメ!」

オルハは拒否するも、すでに挿入された。精液が潤滑油となっているため、楽に挿入できた。お尻の処女を奪ったサトシである。そして、絶頂を迎えたサトシはオルハのお尻の中に射精する。

「お尻も気持ちよかったですわ…」

オルハの感想である。

 

一方、ラウンジにいるロトムは……女性達に捕まってしまっている…。なぜなら、オルハと共謀?していたことがバレたからである。

「はいロトム、あなたの裁判を始めます」
『ロトー!』

しかも、簡易的な裁判を開くモニカである。

「聞かれたことを正直に答えるように。あなたの回答次第で、この道具を使うことになります」
『ロトーー!!』

モニカはロトムにあるものを見せて、ロトムを恐怖のどん底に突き落とす。あるものとは、工具セットと電動ドリルセットである。言葉を間違えたら、分解されるに違いないと、ロトムは恐怖を抱いている。

「わたしから質問。いつからオルハさんとグルになっていた?」

レベッカは質問する。

『オルハさん達が来た当日ロト。オルハさんに脅迫されて……今に至ったロト…』

ロトムは回答する。

「次はわたし。いつから弱味を握っていたの?」

カルロッテは質問する。

『僕が関わっているのはこれだけロト。それ以外の弱味は身に覚えないロト』

ロトムは回答する。考えてみれば、ロトムだけでこんなに弱味を握られるのは不可能。

「わたしの質問。オルハが弱味を握った出所を探りなさい」

モニカは質問する。質問というより要求である。

『それについて心あたりあるロト』

ロトムに心あたりがあるようだ。

『以前、オルハさんはある人物と電話していたロト。サトシとイーシャ姫の婚約とか、その代わりにサトシの子供を産みたいなどと話していたロト。電話の相手は……ハナコさん』
「「「えぇ!?」」」
『オルハさんはそう言っていたロト』

なんと、サトシとモニカの母親ハナコの名前が出てきた。それを聞いたみんなは驚愕した。

「しまった!お母さんはイーシャを自分の娘のように気に入っていたことを忘れてたわ」

モニカは思い出した。

「強敵ね…。想い人の親に気に入られた時点でわたし達が不利だわ…」

危機感を覚えるマルグリット。

「だけど、まずはあいつが握っている弱味の出所を掴まないとならないわ。オルハはこれでも策士なの。あいつに知られた時点で終わりだというくらいに」

と、リルは説明する。
そのとき、スマホの着信音が鳴り響いた。モニカのスマホである。モニカはスマホを手に取って電話に出ると…。

「もしもし、お母さん」
『久しぶりねモニカ』

ハナコである。

『実はサトシの婚約者が決まったの。アイルランド王国第3王女のイーシャ姫よ』
「ちょっとお母さん!オルハと裏取引したの!?」
『裏取引って侵害ね…。イーシャちゃんがわたしのかわいいかわいい娘になるんだから、サトシにはちょっと働いてもらっただけよ』
「うぅ~…」
『話を戻すけど、具体的な日程は決まってないんだけど、数ヶ月後にはサトシとイーシャちゃんの婚約式があるから。モニカ、あなたも出席するように』
「ちょっと!サトシとイーシャの意思はどうなの!?」
『サトシとイーシャちゃんは了解してくれたわ』
「わたし、将来、サトシと結婚しようと思ってたのに…」
『あなたがいつまで経ってもブラコンを治さないからこうなったのよ。まあ、それが理由じゃないんだけどね』
「サトシとエルちゃんの熱愛は?」
『イーシャちゃんがエルちゃんからサトシを寝取って略奪したって公表するから問題ないわ』
「…邪魔してやる…」
『邪魔はさせないわよ。イーシャちゃんをわたしの娘にできるならわたし、なんでもやるんだからね。もうひとつ、サトシの近くにいる女の子達の身辺調査をして弱味をオルハさんに渡したから。それじゃあねモニカ』

ハナコとの電話は終了した。一連の黒幕はハナコと断定できる。

「マルグリット!」
「はい!」

モニカはマルグリットに声をかけた。

「あなたのアーロンの波導で、サトシにかかっていた『チャーム』を打ち消す。そして、わたし達でオルハを取り押さえる。オルハさえ押さえれば、弱味は世の中に出ないわ。同時にオルハにアフターピルを飲ませる。いいわね?」

モニカの提案にみんなは頷いた。
サトシを救ってオルハを抑えるという共同作戦は今夜決行することが決まった。

21 欧州編 サトシの女難が続く(R-15)

夕方…。ロケットグループ別宅にファイヤーボールズのみなさんが帰ってきた。直後にオルハとイーシャ、リルとリサといったお姫様達が到着。しかし、ファイヤーボールズがここにいることに、お姫様達がここに来ることについて、お互いはなにも知らなかった。そしてモニカが帰ってきた。後者は事前に知らされているのだが、ファイヤーボールズについてはなんも聞いていない。さらに、カレンとユイコも居候しているなんて話も聞いていない。
そしてラウンジ…。ラウンジにはモニカ、カレン、オルハ、リル、カルロッテの5人がいる。

「ちょっとカルロッテ!なぜわたしの家に居候しようとしてんのよ!?」
「ちゃんと契約は取っているわ。はいこれ、契約書ね」
「安過ぎるわ!」
「相手のほうもビジネスを理解していて助かったわ」

やはりモニカは怒りを露わにするも、カルロッテは契約書を提示して、モニカを黙らせた。筋を通しているファイヤーボールズ達である。

「カレンもなんでここにいるの?」

モニカはカレンのほうに振り向いた。

「まあいろいろとね。それと今晩サトシ君を借りるから」
「なんで…?」
「まあいろいろとね」
「やましいこと考えてるでしょ?」
「そのいろいろという中に事情というものが含まれているの。率直に言うけどわたし、サトシ君で妊娠しなければならないのよ」
「冗談じゃないわ!!」

カレンは事実を話すと、やはりモニカは怒りを露わにした。

「なんでサトシなの!?精子バンク利用すればいいじゃない!サトシの人生をメチャクチャにする気!?」
「妊娠したら精子バンク利用したって公表するから問題ないわ。でないとわたし、実家に戻れないのよ」
「なんで実家?妊娠と関係あるの?」
「子供を産めば問題ないでしょと親に言い切っちゃったのよ。そして、こうなったわけ」
「認めないわよそれ!ちゃんと精子バンク利用しなさいよ!」
「いやよ!わけのわからない男の子供を産みたくないもの!」

結局、口喧嘩するモニカとカレンである。

「サトシ君の子供産みたいな~」
「そうですわね」

リルとオルハはこう漏らす。

「わかったわ。サトシを連れてマサラタウンで過ごすから」

モニカは諦めたような表情でこう述べる。

「ちょっとモニカ!あんたはいいとして、サトシ君だけ連れて行かないで!妊娠できないじゃない!」
「いやよ!サトシが汚れるわ!」
「どうせあんたがサトシ君を汚すでしょ!」
「わたしはいいの!サトシの姉だから!」
「論理的に問題あるわ!」
「血が繋がってないから問題ない!」
「「うぅ~!」」

また口喧嘩を始めるカレンとモニカ。

「わかったわ。わたしがこの件をまとめる」

カルロッテは割って入った。

「それじゃゲームしましょう」
「「「ゲーム?」」」
「オルハとリルも参加する?勝てばサトシ君の子供を妊娠できる権利が与えられるというゲームだけど」
「やる~♪」
「やりますわ♪」

しかも、オルハとリルも誘う。

「いいわよ…」
「やってやろうじゃないの…」

カレンとモニカは了承する。

「わたしは参加を見送るわ。この百均で買ったトランプで……1発勝負のポーカーを行う」

カルロッテはトランプを出してポーカーを主催。
そしてゲームが始まった。数分後…。勝負は決まった。

「フルハウスでわたしの勝ちね♪」

カレンが勝利。リルはフラッシュ、オルハはスリーカードを出すも、モニカはただのワンペア。これでサトシの夜伽の相手はカレンに決定。

(((邪魔してやる…!)))

ただし、負けた3人は妨害を考えている。

 

一方…。

「「「うぅ~~!!!」」」

ハルカ、ヒカリ、セレナ、エル、リサ、イーシャ、マルグリット、ロレインは火花を散らしてにらみ合っていた。なぜなら、今晩サトシと一緒に寝るのは誰かと争い、今に至ったのである。
しかも、今いる場所は、サトシの部屋である。しかも、サトシもここにいる。ロトムとピカチュウは保身を図って別の場所にいる。

「あたしがサトシと一緒に寝るの!他の女は邪魔よ!」
「風俗女と一緒に寝たらサトシが不幸になるの!王女であるわたしと寝ることがサトシにとって幸せなの!」

マルグリットとリサは張り合う。どちらも気が強いので、どうなるか想像できない。

「ねえサトシ、別の部屋で一緒に寝ましょう」

イーシャはサトシを誘うも…。

「サトシ!そんな腹黒女と一緒に寝たら不幸になるわ!」
「誰が腹黒女なの!?」

リサに制止されて怒りを露わにする。
それから、このような状態が続いている。サトシは逃亡を図ろうとするも…。

「「「待ちなさいサトシ!!」」」

気づかれた。

「ダッシュ!」

そしてサトシはそのまま逃亡。

「「「待てー!!」」」

逃亡したサトシをそのまま追いかける女子達である。

 

数分後…。サトシは……レベッカに捕まった。現在はレベッカの部屋にいる。そして、鍵をガチャッとかける。

「ここなら安全だ」
「あ、ありがとうございます」

実はレベッカ、漁夫の利を狙っていた。サトシが逃げることを計算していたのである。

「さてサトシ、今晩は一緒に寝るか」
「え…でも…」
「女達に捕まるかわたしと一緒に寝るか、どっちがいい?」
「…レベッカさんと寝ます…」

サトシはレベッカと一緒に寝ると述べた瞬間、レベッカは衣服を脱いで白のランジェリー姿になる。ランジェリー姿となったレベッカは妖艶である。さらにショーツを脱ぐ。

「寝る前の運動をしとくか?今日は安全日だから、気にしなくていいぞ♪」

と、ベッドに誘うレベッカである。サトシは拒否の意思表示をみせようとするが、レベッカから伝わってきた。拒否したら野獣と化した女達に放り込むと…。結局、拒否できなかったサトシである。
その後、営みを始め、そして終えた2人である。

「満足♪」

レベッカはサトシとの性行為に満足する。コンドームを使っておらず、その証拠にレベッカのあそこからサトシの精液が流れ始めた。そしてサトシは疲れ果てて眠ってしまった。このとき、2人は全裸である。
そのとき、サトシのスマホが鳴り響いた。最近、導入したLINEのアプリである。カレンからのメールである。内容は…。

『サトシ君、わたしの部屋にきて』

である。レベッカはサトシのスマホを操作すると…。

『サトシはわたしと子作りしている。姉さんは無理して子供産まなくてもわたしが産むbyレベッカ』

と、送信した。数秒後、メールがきた。

『ふざけんなクソ妹!サトシ君は承諾してくれたのよ!わたしを妊娠させるって!』

内容はこんな感じである。

『どうやらサトシはわたしで満足しているようだ。わたしの部屋でスヤスヤと寝ているし…。今はフェラチオして起たせて入れようとしている最中だ。処女の姉さんこそ邪魔するな』

と、送信。本当にサトシのあれを口に咥えてフェラチオしている。すると…。

『サトシ君を出せ!』
『サトシは寝てる』
『起こせ!』
『いやだね。真っ昼間から子作りすればいいじゃないか』
『夜中に処女をあげたいの!』
『バイブやディルドで膜を破け』
『ふざけるな!』

気がついたらこんなやり取りになった。

「さてと…」

レベッカは寝ているサトシの下半身に乗っかって、自分のあそこにサトシのあれを入れて、腰を動かし始める。騎乗位で、まるで性欲を満たすかのような感じである。このとき、コンドームは使用していない。こんな感じでサトシの精力を貪りつくすレベッカであった。

 

翌日の朝…。サトシはレベッカと寝たことについて、サトシ大好きな女の子達に睨まれた。

「サトシはわたしを選んだのだ」
「「「うぅ~~!!!」」」

勝ち誇った表情をするレベッカに女の子達は恨めしそうな表情になって睨んだ。

「レベッカ!」

そのとき、モニカが現れた。

「よくも弟を汚してくれたわね!」
「ダッシュ!」
「待ちなさーい!!」

レベッカは逃亡。モニカは逃亡したレベッカを追いかけるのであった。

 

グランドフェスティバル・トーキョー国際大会が開催された。場所はトーキョードーム。トーキョースタジアムと隣接した場所にあり、トーキョースタジアムが日本ポケモントレーナーの聖地なら、トーキョードームは日本ポケモンコーディネーターの聖地でもある。この大会に、セレナ、エル、ハルカ、ヒカリが参加。リサとイーシャも参加する。その他に海外からのコーディネーターも多く参加することになっている。大半がトップコーディネーターで、メガシンカ使いも多数いる。出場資格はいろいろあるが定義はない。おそらく、グランドフェスティバルの地方大会の出場権を持つ人が出場資格を持っていると考えられる。ちなみに、ゲストしてリルとオルハも出席することになっている。全国チャンピオンにしてコーディネーターでもある彼女達はコーディネーターの羨望の的となっている。
そしてロケットグループ別宅…。ファイヤーボールズは今日イベントと風俗などがお休みのため、ここでのんびりしている。しかし、全員がサトシと性行為したがっている。サトシはファイヤーボールズに狙われているのだが、モニカが番犬となって今に至る。現在は図書室で、モニカからの英才教育を受けて奮闘中。モニカもここぞとばかりは真面目である。このとき、サトシとモニカの傍にピカチュウとロトムがいる。ちなみにレベッカは学校。ユイコはお仕事。そしてカレンは……寝ている。

「しばらく見ないうちにできるようになって…。このこの♪」

と、褒めまくるモニカである。

「ほとんどカレンさんに見てもらっていたから」
「……………」

嬉しそうな表情をするサトシ。カレンに見てもらったという言葉を聞いて、モニカは不機嫌そうな表情になった。

「ねえサトシ、カレンからどんなことを教わったの?」
「一通りに教わったよ。護身術とか…」
「サトシ~♪」
「お姉ちゃんくっ付き過ぎ!」

しかもモニカ、サトシに引っ付いている。
そして、英才教育の時間が終了。

「サトシ、こっち♪」

モニカはサトシを図書室の中にある寝室に連れていく。ピカチュウはロトムに任せる。そして、モニカはサトシをベッドの上に押し倒した。

「サトシ!しばらく禁欲生活が続いたからエッチして!」
「えぇ!?」

このときのモニカは理性が外れた状態である。
1時間後…。

「もっと…もっとしようよシャトシ~…!」

サトシの特性『テクニシャン』と『メロメロボディ』によって、さらに理性が外れたモニカはサトシを求める。かなり久しぶりなため、こうなっている。言うまでもないが、2人は裸の状態。コンドームの使用はなし。モニカによって、何度も中出しされるサトシである。

「お姉ちゃんごめん!」

やばいと思ったサトシは服を着てトンズラこいた。

 

数分後…。サトシはカレンからのLINEが来た。内容を見てみると、部屋に来てほしいとのこと。サトシはカレンの部屋を尋ねると…。

「待ってたわよ」

と、カレンに招き入れる。このときのカレンはラフな格好になっている。

「あのカレンさん、なにか用でもあるのですか?」
「忘れたの?わたしを妊娠させることを…」
「あ…」

サトシは思い出した。カレンに妊娠させてと頼まれていたことを…。

「その他の性知識と妊娠に関連する知識についてインターネットで調べてね…。それで集めてみたんだけど…」

カレンは誰も知らないところで、性行為に関するものを集めてみたという。
テーブルの上にあるのは…亜鉛サプリ、精力剤、媚薬、ローションなどさまざま…。

「すごいですね…」

サトシもこれには引いてしまったとか…。

「始める前にお風呂に入りましょう」

カレンはサトシを連れて浴室に入って入浴し始める。積極的にコミュニケーションを取るカレンである。
入浴を終えた後、2人はベッドの上で性行為に入る。ちなみに鍵はちゃんと閉めて、カーテンも閉めている。
サトシは特性『テクニシャン』を持って、積極的にカレンを攻める。キスしたり、胸をいじったり、あそこに指を入れながらクンニしている。そしてカレンはイッた。さらにサトシはそのまま、自分のあれをカレンのあそこに挿入する。同時にカレンの処女膜を破り、カレンの処女をもらっている。それから数十分後、サトシとカレンは同時に絶頂。それにともなって、サトシはカレンの中に射精する。まだまだ出てくる。射精し終えた後、サトシはカレンのあそこから自分のあれを抜くと、カレンのあそこから精液と血が混じって流れ出てきた。血とは、処女を喪失したときにともなった出血である。

「すごくよかったわサトシ君…」

満足したカレンである。

「俺もです…」

サトシもである。あのサトシを満足させるカレンはただものではないようだ。

「ねえサトシ君、もう一回いいかしら?」
「でも、まだ痛いですよね?」
「大丈夫よ。もっともっとちょうだい」

ついに堕ちたカレン。
そして数十分後…。

「やっぱりここにいたー!」
「お姉ちゃん!」
「モニカ!?」

モニカが現れた。今のモニカは怒りの表情になっている。このとき、サトシはカレンに中出ししたばかりの状態となっている。

「人の弟になにしてんのよ!?」
「子作りしてるのよ!邪魔しないでよ!」
「とことん邪魔してやるわ!アフターピルを飲め!」
「絶対にいやだ!」

しかも、アフターピル(緊急避妊薬)を持ってカレンに飲ませようとしている。

 

夕方…。グランドフェスティバル・トーキョー国際大会の1日目が終了。一次審査はポケモン3体使ったトリプルパフォーマンスで高度なテクニックを要するものだが、出場したリサとイーシャはこれを難なくやる。しかも満点を取っている。ハルカとヒカリとセレナとエルもなんとか生き残るが、出場したほとんどの日本人が脱落している。外国人、というより欧州系の外国人コーディネーターが多く進出している。
そしてロケットグループ別宅…。

「あっ、サトシ君」

オルハに話しかけられたサトシ。

「オルハさん?」
「お願いがあるのだけどいいでしょうか?」
「ええ。俺にできることがあれば?」

なにか要求しているようだ。

「わたしを妊娠させてくれないでしょうか?」
「えぇ!?」

内容がぶっ飛んでいる。

「わたしの両親が、結婚がいやなら精子バンクを利用しろと言ってきているのです。だけどわたし、訳の分からない男性の子供を産むのが嫌なんです。そこで思いついたのがサトシ君です」
「なるほど…」
「もちろん、サトシ君がわたしの結婚相手になってくれるなら話は別ですが…」
「ちょっと難しいです」
「サトシ君の子供を妊娠しても、世間では精子バンクを利用したと公表しますので、サトシ君に害がおよびません」
「わかりました。もし拒否したらどうなるのですか?」
「この写真をバラまきます」
「えええぇぇ!!!??」

オルハは一枚の写真をサトシに見せた。その写真に写っているのは、サトシとカレンの性行為である。いつ撮られたのか、サトシは考えるも動揺していた。

「これを脅迫に使うのは心痛みますが、サトシ君にフラれたらわたし、なにをしでかすかわかりません」
「うぅ~…わかりました…」
「もうひとつ、わたしがここにいる間はサトシ君、わたしの恋人になってくださいね」
「でも…」
「浮気したらわたし、なにをするかわかりませんが」
「わかりました…」

オルハの脅迫に屈するサトシである。
果たしてサトシ、この難局を無事に乗り越えられるのだろうか…。

05 強大な敵!ティアでも苦戦!相手は大陸外の勢力!

そして、2日が経過。フェディス歴1874年7月24日。

「完成しました!!」

シュロス学園のトルーパー格納庫にティアの姿があるが、ティア専用機の機体が完成した。

「とんだ化け物を作り上げたもんだな俺達…」

それに携わったジョルズは呆れてものを言う。他の技術者達も動揺の反応である。

「さて、試運転試運転♪」

と、ティアはそのトルーパーに乗り込もうとしたそのとき、爆発音が響いた。場所は校庭である。

「なんだ!?」

ジョルズは驚きの声をあげる。

「大変です先生!」

そのとき、一人の男子生徒が現れた。

「正体不明の巨大なトルーパーが校庭に現れました!しかもそのトルーパー、巨大なビームサーベルを!」
「「ビームサーベル!!?」」

ビームサーベルという言葉を聞いて、ティアとジョルズは驚きの声をあげるも、ティアの表情は目を輝かせている。
その校庭に、その巨大な白いトルーパーの存在があった。右手には大型のビームサーベルがある。シュピゲールが次々と出撃して応戦するも、あのシュピゲールがことごとく撃墜されている。

「雑魚には用はない!司令官を出せ!!」

そのトルーパーの男性パイロットは司令官を指定。トルーパーの左手には撃墜したシュピゲールの残骸があった。そして、大型ビームサーベルの刃がシュピゲールのコックピットに近づく。

「うわぁーーー!!!」
「「カーグ!?」」

そのシュピゲールのパイロットが機甲兵科5年のカーグ・ベンナー。同級生であるコーレルとエディナがカーグの名を呼ぶ。2人はシュピゲールに乗って、そのトルーパーと戦ったが敗れた。そしてカーグが風前の灯火。

「そこまでだ!!」

そのとき、シュピゲールを駆るヴェルディが現れた。ヴェルディ専用にシュピゲールが赤くペイントされている。

「アルバーノの司令官とお見受けする。ヴァロビニア島で我が軍を探っていたのは貴官の部隊か?」
「いかにも。名を名乗れ」
「失礼した。わたしはヒムナス・ターライナー。神聖ヴァルファーレ帝国皇帝直属ウラヌスが一角、クレイン・フォン・ミュッケンベルグ様が直属の騎士!」
「ヴァルファーレだと!?」
「機体名はサートブレク。そちらの人型機動兵器はトルーパーと呼ばれているが、こちらの人型機動兵器はキャバリーと呼ぶ。ついでに説明するが、我が主武装はこのビームの剣なり!」

人々は動揺した。神聖ヴァルファーレ帝国の機体がこの場に現れて攻撃を仕掛けてくることを誰もが予想できなかった。
トルーパーとキャバリーは同じ人型機動兵器だが、キャバリーのほうが先進的である。その証拠にコックピット内が全天周囲モニターとなっている。360度見渡しても周りがモニターで、イメージでいえばコックピットの椅子だけが浮いているような感じである。しかもトルーパーの2倍近くの全長を有するが、性能は圧倒的にキャバリーのほうが高い。サートブレクの全長は約16m前後。
サートブレクがカーグが乗っているシュピゲールの残骸を放り投げると…。

「抜刀!」

右腰部から、もう1本の大型ビームサーベルを左手に取った。普段、大型ビームサーベルは両腰部に格納されている。

「うおおお!!」

ヴェルディが駆るシュピゲールは高周波振動剣ガルヴァブレイドを右手に持って、サートブレクに立ち向かった。

「姫様を援護しろ!!」

他のシュピゲールとグレイギスとグレイサがライフルを持ってヴェルディを援護する。

「甘いな」

しかし、サートブレクはビームサーベルを構えて、ライフルから放たれる弾丸を完全に防ぐ。

「そこだ!!」

一瞬の隙を見つけたヴェルディはガルヴァブレイドを振り下ろした。だが、攻撃を受けたのはヴェルディのシュピゲールのほう。ガルヴァブレイドを持つ腕が切断された。さらに両足も切断。

「ここまで違うのか…」

ヴェルディは絶望した。そしてディアナの言葉を思い出す。

『手は出さないほうがいいわ』

このことだったのかと、ヴェルディは思った。その後、ヴェルディを援護した多くのトルーパーが、サートブレクたった一機によって屠り去られた。
そのときだった。

「むっ!」

どこからかサートブレクに砲撃が放たれた。

「上空からか!?」

ヒムナスはサートブレクのカメラを上空に向けると、飛翔した一気の白銀のトルーパーの姿があった。そして地面に着地する。

「大丈夫ですか姫様!?」
「ティア、お前か…」

そのトルーパーのパイロットはティア。ヴェルディの無事を確認した後、ティアはサートブレクに目を向ける。

「わたしは神聖ヴァルファーレ帝国の騎士ヒムナス・ターライナー。機体名はサートブレク。名を名乗られよ」
「アルバーノ王国国立シュロス学園技術科1年1組ティアフル・ルンヴェルグ。機体名はヴィルヘルミナです」
「ルンヴェルグ…!?まさかあのお方の息子か!?」
「あのお方?」

ティアの姓名を聞いてヒムナスは驚愕した。

「まあいい、全力で任務を遂行する。あのお方の息子なら相手にとって不足なし!容赦はせんぞ!」

サートブレクは巨大なビームサーベルを二刀流に構えて立ち向かった。

「どんなに高出力の兵器でも、当たらなければ意味がありませんよ!」

サートブレクのビームサーベル攻撃を後方に下がるという形でかわすヴィルヘルミナ。すると地面に電磁ライフルのルヴァーストを放った。

「なに!?」

この反動で体勢が崩れるサートブレク。一瞬の隙をティアは見逃さなかった。

「てえい!!」

ガルヴァブレイドを手に持って、サートブレクに振るった瞬間、サートブレクの右腕が切断された。

「バカな!?」
「さらに!!」

ヒムナスが驚愕した瞬間、もう左手を切断。サートブレクは両腕を失った。これで大型ビームサーベルが使えない。直後、ヴィルヘルミナは飛翔してルヴァーストを構えた瞬間、サートブレクに向けて何度も連射し始めた。ルヴァーストの弾丸がサートブレクに直撃。

「この俺が負けるとは…!さすがルンヴェルグ卿のご子息…!見事だ…!」

この攻撃を受けたサートブレクは爆散。ヒムナスは戦死した。
ヴィルヘルミアが地面に着地。ティアはヴィルヘルミアのコックピットから降りて地面に立つと、シュロス学園中から歓声が沸いた。英雄の誕生である。

「……………」

この光景を目の当たりにしたヴェルディはむなしい表情となった。スペックが劣るとはいえ、味方の援護を得ながらもここまで奮闘することができなかった。しかし、あのヴィルヘルミナがあれば、自分は無敵であるとヴェルディは考えていたとか…。

「わたしが出るまでもなかったか…」

校舎の物陰にディアナがいた。もし、ティアが敗れそうになったら自分が出てくるつもりでいたが、その必要はなかった。

 

その後、この出来事がヴァーミリアン宮殿に伝わった。女王執務室…。その一室に女王ラミヴェルがいる。そのラミヴェルに報告しているのが女王騎士の女性。

「シュロス学園がヴァルファーレの攻撃を受けたですって!?」

この知らせを受けてラミヴェルが驚いた。

「相手はビームサーベルという光学兵器を使って、我が国自慢のシュピゲールを圧倒。ヴェルディ姫様も負傷されて、現在は医療施設に入院中とのことです。しかし、シュロス学園技術科1年1組ティアフル・ルンヴェルグが、自らが開発した新型機ヴィルヘルミナを駆ってこれを撃破。学生に負傷者が多数出たものの死者をゼロであることが不幸中の幸い。それともうひとつ、ヴァロビニア島にいたヴァルファーレ軍ですが、すべて撤退したとのことです」

淡々と報告する女王騎士の女性である。

「そうですか…。とりあえず、我が国への脅威は去ったということですね。しかし、ヴァルファーレのトルーパーを倒したヴィルヘルミナですか…」
「報告によれば、ヴァルファーレのトルーパーはキャバリーと呼ばれています。規格が違いますので、名称が異なっても不思議ではないと思いますが」

ラミヴェルは安堵する。ヴァルファーレが去ってくれたおかげである。

「現在、国立アルバーノ研究機関がキャバリーの残骸を調査すべく、シュロス学園に派遣されるそうです」
「わかりました。わたしも参りましょう」
「女王様自らですか!?」
「ええ。ヴェルディの見舞いもあるし、わたしの護衛役を頼みましたよユイ」
「わかりました。カイヴァル公にもお声をかけますか?」
「よろしくお願いします」

ラミヴェル自らがシュロス学園に行くと決定した。彼女の護衛を務めるのは、女王騎士の女性ユイ。そして、カイヴァル公も伴って、専用の飛空船に乗ってシュロス学園に向かっていった。

 

夕方…。国立アルバーノ研究機関の研究員がシュロス学園に到着して、さっそくヴァルファーレのサートブレクの残骸を調べ始めた。

「報告によれば光学兵器を使ったとか…」
「これがビームサーベルの共振器…」
「噂には聞いていたが、ヴァルファーレがここまで行っているとは…」
「これを手に入れただけでも大きなメリットだ…」

とくに注目したのが、サートブレクの大型ビームサーベルの共振器。柄になる部分である。計2つを手にしただけでも大きかったと研究員は話す。

 

一方、学園都市シュロスの病院の一室にヴェルディが入院して、ベッドのうえで横になっている。現在、女王ラミヴェルとカイヴァル公が見舞いにきている。護衛を務めている女王騎士の女性ユイは入口前に待機。

「わたしは今まで自惚れていたかもしれません。今まで敵なしだと思っていたのに、目の前の相手に手も足も出せず、悔しい思いでいっぱいです…」
「ヴェルディ…」

ヴェルディを心配そうに見つめるラミヴェルである。

「姫様!女王様もこちらにおられたのですね!」
「「ケネス?」」

ケネスが入室してきた。しかし、ケネスはボロボロ状態で体中に包帯を巻いている。

「まさか、ヴァルファーレの攻撃を受けたのか?」
「はい…」

ケネスは今まで陣頭に立って、ヴァロビニア島にいたヴァルファーレの監視を行っていたと2人に説明する。その途中、ヴァルファーレに発見されてしまい、応戦するも、ヴァルファーレのたった一機のトルーパーによって部隊が壊滅したとのことである。

「そのトルーパーは遠隔操作する光学兵器を使用し、四方八方の攻撃を仕掛けてきました。この攻撃を受けた我が軍は対応できず、数分も経たぬうちに壊滅しました…」

遠隔操作する光学兵器を使用するトルーパー…。それを聞いて3人は驚きを隠せなかった。

「そうだ!シュロス学園もヴァルファーレの攻撃を受けたと聞きましたが、どうなったのでしょうか!?わたしもこちらにきたばかりで、まだ状況を理解できていません!」

ケネスは聞いた。それについてヴェルディは説明する。

「サートブレクというトルーパー一機に我が軍自慢のシュピゲールが十数機も倒された。わたしもやられる寸前だったのだが、ティアがサートブレクを撃破して、この程度で済んだ」

ヴェルディの説明を聞いて、ケネスは安堵する。

「ヴァルファーレは自国のトルーパーをキャバリーと呼んでいるそうだ」

と、ヴェルディは付け加える。

「姫様」

ユイが入室してきた。

「ティアフル・ルンヴェルグというかわいい学生が面会を申し込んでいます♪」
「通せ。というかユイ、なぜ嬉しそうな顔をしているのだ?」
「だって、あんなかわいい子はいないんですもの…」
「とにかく通せ。ティアには絶対に手を出すな」
「は~い♪」

と、ユイが退出すると、入れ替わるようにティアが現れた。手には花束を持っている。ヴェルディのお見舞いが目的である。

「ティアフル君。こちらは女王ラミヴェル様と、カイヴァル公爵サリア様である」

ケネスはティアに2人を紹介する。

「初めまして、シュロス学園技術科1年1組ティアフル・ルンヴェルグと申します。お見知りおきを」
「「ズキューン!!」」

自己紹介するティアに、ラミヴェルとカイヴァル公は自身の心になにかが射抜かれた。

「かわいい子…」
「なんというかわいさ…」

ラミヴェルとカイヴァル公の感想である。感激した表情になっている。

「母上、サリア、手を出さないほうがいいですよ」

ヴェルディは忠告するが…。

「手は出しませんよ」
「そうですよ」
「「ふふふ…」」

あからさまにやましいことを考えている女王様と若い公爵閣下である。

「息子に手を出したら未来はないわよ…」
「ディアナ殿!?」
「お母さん!?」

そのとき、ティアの母親ディアナが現れた。花束を持っていることから、ヴェルディのお見舞いにきたようである。
ティアはみんなにディアナを紹介し、みんなはディアナに自己紹介する。

「いやはや、まさか母君がこのような美しい方だったとは…」

しかもケネス、デレデレである。

「ティア君とわたしの娘をお見合いさせてはどうでしょうか?」
「わたしの妹はどうでしょうか?」
「「……………」」

ティアがほしいラミヴェルとカイヴァル公は媚びを売るような感じでディアナに話す。直後、2人は互いと睨んだとか…。

「息子は渡さないわよ」
「「「……………」」」

ディアナは即答で拒否。

「さてヴェルディ!ケガが治ったらヴァロビニア島の遺跡を探索するわよ!」
「「「遺跡!!?」」」

しかもディアナ、ヴェルディを遺跡探索に誘う。遺跡という言葉にラミヴェルとカイヴァル公とケネスは驚きの声をあげるが…。

「遺跡探索ですと!ならばわたしも行きます!遺跡探索は男のロマンですから!」
「僕も行きますよ!これ以上の男のロマンはありませんから!」

ケネスとティアは目を輝かせたような表情になっていたとか…。

「そういえば遺跡があるとかなんとかとティアは言っていたな…」

と、ヴェルディは数日前のことを思い浮かべる。

「女王様…なんかとんでもないことになっていますが…」
「我が国の利益になるのならむしろ積極的にやるべきです」

と、カイヴァル公とラミヴェルは相談するが、ラミヴェルは好意的である。

「決まりね。それと、これは他言無用でお願いね♪」
「わかりました。しかし、ヴァロビニア島からヴァルファーレがいなくなったとはいえ、それは確かな情報なのでしょうか?」

ラミヴェルは聞いた。

「いなくなったわ。ヴァルファーレにいる友達が話してくれたもの」
「「「えぇ!?」」」

ヴァルファーレにいる友達という言葉に、ティアを含むみんなは驚きの声をあげた。

「その根拠は?」

カイヴァル公は聞いた。

「遺跡の扉が開いたのはいいんだけど、ヴァルファーレになにか問題あったらしいのよ。それに、あれだけの超科学力を持つヴァルファーレにとって遺跡探索の価値は皆無に等しいしね」

と、詳しく説明するディアナである。しかし、これ以上は聞かないことにするが、謎である。

 

フェディス歴1874年7月25日。学園都市シュロスの飛空戦着陸場から1隻の飛空船が飛び立った。搭乗しているのは、ティア、ディアナ、ラミヴェル、ヴェルディ、ケネス、カイヴァル公、女王騎士の女性ユイの7人。ヴェルディは軽傷だったので1日で退院できたが、ケネスはまだ戦える状態ではない。それどころか、よく見かける探検家の格好になっていた。その格好にみんなは引いていたが、ティアは感動した表情になる。
飛空船のトルーパー格納庫には、ティア専用機ヴィルヘルミナがあるが、シュピゲールが5機搭載されている。エディナとカーグとコーレルの機体で、3人はヴェルディの要請を受けて遺跡探索に参加している。もう1機はヴェルディの…。さらにもう1機はユイが搭乗する。整備担当はジョルズで、彼も搭乗している。
飛空船の向かう先は、アルバーノ王国の東に位置し、海に囲まれた無人島ヴァロビニア島。ヴァルファーレが調べていたのだが、そのヴァルファーレがいない。そして、飛空船はヴァロビニア島の広いエリアに着陸する。

「魔物の襲撃に備えて、数人はここで待機」

待機するのは、エディナとカーグとコーレルと女王騎士のユイの4人。

「わたし、待機しても大丈夫なのですか?」
「女王様とヴェルディ姫様はわたしが護衛する」

カイヴァル公は説明すると、ユイは納得した。
遺跡の中に入るのは、ティア、ディアナ、ラミヴェル、ヴェルディ、ケネス、カイヴァル公の6人のみ。

「こっちよ」

さらに彼女は遺跡まで案内する。歩いてわずか数分なのですぐに到着した。遺跡の中に入る。遺跡の扉がすでに開いてあったので、さらに奥に進む。
それから数分が経過。現在、広いエリアにいるのだが、6人は足を止めた。目の前には奥に進む通路がある。

「どうやらここまで探索していたようね。この先は…トラップか…」

ディアナは地面に落ちていた石を通路に投げると、どこからともかく石に目掛けてビームが放たれた。これにはびっくりのみんなである。

「しかし、ヴァルファーレほどの連中なら、この程度のトラップは解けないはずがないと思いますが」

ケネスは聞いた。

「わからないわ」

と、ディアナは推測する。

「だけど、遺跡が古代文明の遺産で、現在でも稼働していることは間違いないね。トラップがそれを証明してくれたわ」

ディアナのさらなる推測にみんなは同意する。
そして、みんなはそのエリアを探索し始める。直後、別のところに扉を発見。扉を開いて奥に進むと、特殊な装置を発見。具体的な形は、装飾が施された球体状の装置である。

「これは…他の遺跡に似たようなものがあったわ…」
「間違いありません。各国はこの装置の謎を解明するのに躍起になっているはずです」

カイヴァル公とケネスは説明する。ラミヴェルとヴェルディも心当たりがある。

「エターナルフォーチュンね」
「「「!!?」」」

この装置をエターナルフォーチュンと呼んだディアナにみんなは驚きを隠せなかった。

「ご存知なのですか?」

ラミヴェルは聞いた。

「無限稼働機関エターナルフォーチュン。出力はヴァルファーレが保有する大型戦艦の動力機関として使われるほどよ」
「「「無限稼働機関…!?」」」

無限稼働機関というディアナの言葉に、みんなは驚く。無限稼働機関とは文字通りエネルギーが半永久的に途切れることがない機関である。ヴァルファーレは何らかの形で量産に成功して、大型戦艦の動力機関として採用されることになったという。

「エターナルフォーチュンを起動するには特殊な方法が必要なの」
「その特殊な方法とは?」

ラミヴェルは聞いた。

「遺伝子に刻印された起動キー。起動キーを刻印された遺伝子の持ち主は、この装置に触れるだけでエターナルフォーチュンを起動することができるの。無制限にね。また、本人の意思でエターナルフォーチュンを停止させることができるし、親族などその人の血を引く人であれば、無条件でエターナルフォーチュンを起動させることができるのよ。ただし、ここで注意。起動者が命を落とすと、同時にエターナルフォーチュンが停止するの。古代文明は何らかの形でエターナルフォーチュンを普遍化して、誰でも起動できたとされているけど、現時点での起動方法は、先ほど説明したとおりよ」

詳しい説明をするディアナである。

「ティア、触れてみて」
「え?」
「いいからいいから♪」

ディアナに言われるがまま、ティアはエターナルフォーチュンに触れると次の瞬間、球体状の装置から突然、発行し始めた。同時に機械の起動音も響いてきた。エターナルフォーチュンが起動したということである。

「ティアはわからないけど、わたしの遺伝子に起動キーが刻印されているの。わたしは起動者でもあり、わたしの血を引くティアも起動者だということよ」

ディアナは自分達の秘密を明らかにする。

「だけど変ね。どうして引き返したのかしら?ヴァルファーレ本国になにかあったの?」

と、考えるディアナである。

「まあいろいろとね」

女性の声が響いた。声がした方向をみると、槍を携える一人の美女がいた。赤い髪のツインテールをしている。

「あらクレインじゃない」
「数日前にあたしと戦ったっていうのに、またこんなところに来て…」
「悪い?」

どうやら知り合いである。

「あんたがエターナルフォーチュン新規認証システムを使って自分の遺伝子に起動キーを刻印するから、あたし達はあんたの命を奪わなければならなくなったのよ」
「竜王ザヴォルグを従えているのに、ゴースト系モンスターが出てくると戦えないくせに…。よくウラノスに選ばれたわね」
「はん!あんたと出来が違うのよ!元『同僚』だからといって容赦しないわ!」
「その前にひとつ聞くけど…。クレイン、どうしてここで引き返したの?」
「皇族の一部が内乱を起こしたからよ」
「なるほど。だから急に引き返したのね…。そこまでは知らなかったわ」
「ディアナ、あんたそろそろヴァルファーレに戻ったら?というかメルディル女帝陛下は新規認証システムを使われたくらいで命を狙うほど器は小さくはないと思うけど、なにやらかしたの?」
「別になにもしてないわよ。それに、新規認証システムはメルディル女帝陛下の許可をもらって使ったし…」
「それホントなの!?」
「だけど、事実を知った他の皇族達が起動キーを持つわたしの命を狙い始めてね。気づいたら数百人の騎士をぶった切って、ウラノスの2人を始末して、結局はアルバーノ王国に亡命せざるを得なかったのよ。うざくてね…。アルバーノにいても命を狙われたし…2年も前になるわね…」
「なるほど…」
「あんたもやるの?」
「当然!ここで始末しなきゃ、あたしが幽霊嫌いであることを知られてしまうからね!」
「別にそれいいんじゃない。みんな知ってるし」
「うがーーー!!!」

敵同士であるのだが、仲は良好である。

「え?ティア、お前ヴァルファーレ人だったのか?」
「わかりませんけど、僕も初めて知りました」

ヴェルディはティアに聞くも、ティア自身はまったく知らなかったようだ。

「すまぬディアナ殿、わたしはこの女に尋ねたいことがある」

ケネスが割って入ってきた。

「光学兵器を遠隔操作する機体のパイロットはおぬしなのか?」

ケネスは思い出した。自分の部隊がヴァルファーレによって壊滅されたことに…。

「もしかして、ファルナスタのこと?」
「ファルナスタ?」
「あたしの専用機アルティマブレイブのファルナスタ。なるほど、もしかしてあたし達を監視していたアルバーノの部隊って、あんたのことなの?」
「いかにも!その前にもうひとつ、サートブレクをシュロス学園に襲撃させたのは…?」
「サートブレク?ああ、あたしの指示でね。アルバーノの力をみたくて襲わせたのよ。まさか撃破されるとは思わなかったわ」

ヴァルファーレによるシュロス学園攻撃の黒幕は、クレインであった。

「そうか貴様か…。今ここで貴様の首をとる!」

ヴェルディは剣を構えてクレインに立ち向かった。そしてクレインは槍を構えた瞬間、ヴェルディの剣が空に舞い上がった。

「おらー!」

さらに槍を振るって、ヴェルディを後方にふっ飛ばす。

「強い…!」

カイヴァル公は口に出すと、携えていた剣を抜いて構える。

「みなさん!協力してあの人を倒しましょう!」

ティアは携帯している太刀を抜くと…。

「ズキューン!!」

クレインはティアの表情をみて、自身の心になにかが射抜かれた。

「かわいいーー♪♪」

そして魅了された。

「決めた!この子を拉致って、ベッドの上でにゃんにゃんする♪」

しかもやばい方向に行ってしまった。

「人の息子になにやましいことを考えてるの!!」
「え?息子?」

ティアがディアナの息子だと知ったクレインは激怒した。

「時空魔法!テレポートブラスト!!」
「なんでーー!!?」

そしてディアナはクレインに向けて、時空魔法テレポートブラストを発動。殺傷能力はないのだが、喰らった対象は半径10km辺りの場所に飛ばされるという。まともに喰らったクレインは別の場所に向けて、強制的に空間転移されたという。

「ふぅ」

と、ディアナはやれやれとした表情になる。

「さて、わたしの正体が知られちゃったようね」

と、みんなのほうに顔を向ける。

「ディアナ殿、あなたはヴァルファーレの人間なのですか?」

ヴェルディは聞いた。

「宝石商兼傭兵なのは本当だけど、これでもヴァルファーレ人なの。そしてわたしは、神聖ヴァルファーレ帝国皇帝直属にして最強12騎士団「ウラノス」の一人。ヴァルファーレ帝国軍防衛長官で階級は元帥。全部元がつくけどね。ティアに自分のことを話さなかったのは、ヴァルファーレに命を狙われないためなのよ」

ディアナは自分の正体を明かす。ティアでさえ知らない事実である。

「防衛長官って軍のトップではありませんか!?では、クレインという女は…」
「わたしと同じウラノスよ。わたしがいなきゃ全員死んでたし、それにあの女はわたしのかわいいかわいいティアきゅんにやましいことを考えるし…」
「「「……………」」」

と、ティアに抱きついて、ティアのほっぺに何度もチュッチュするディアナである。息子に対してかなり溺愛している。

「しかし、なぜ我々に協力的なのでしょうか?」

一国の元首であるラミヴェルは聞いた。

「なぜってそりゃ……遺跡探索は女のロマンではなくて?」
「「「はい?」」」

珍妙な回答するディアナであるが…。

「おお!同士がここにいるとは思いませんでしたぞ!」
「さすが僕のお母さん!」

男のロマンにうるさいケネスとティアに感動される。
その後、装置を操作してトラップを解除。遺跡のさらに奥に進む。それから時間が経過。エリアにたどり着いた。目の前にはコンソールが並べられている。ディアナはコンソールを起動して、キーボードを打って操作する。

「なるほど…ここで行き止まりってわけね…。さらに奥に行くには、一回外に出て別の入口に入らなければならないってことかしら?」
「じゃあ、この入口は外れ?」
「外れじゃないわ。このエリアのどこかに鍵があるそうよ」

ディアナの説明を受けたみんなはさっそく鍵を探し始める。直後…。

「これではないでしょうか?」

ケネスは鍵を見つけた。それをディアナに渡して、本物かどうかと照らし合わせる。

「そのようね」

さらにコンソールを操作して地図を出す。

「入口は……ここね。すぐ近くじゃん。一回外に出ましょうか?」

鍵を手に入れ、入口を把握したみんなは一度外に出る。クレインが現れたから、外のみんなに被害が及んだのかと考えると、そうでもないようだ。それどころか、クレインがここにきたことを誰も知らない。
気がついたら夕方になった。それでもまだ探索は続ける。

「ここね」

さっそく見つけた扉。茂みと森などに隠れていたために見つからなかった。とはいえ、高さ30m以上ある巨大な扉であった。しかし、鍵穴らしきものが見つからなかった。探すと、すぐ横の壁に鍵穴を見つけた。ディアナは遺跡内で見つけた鍵を鍵穴に差し込んで捻ると…。

「あれ?」

なにも起きなかった。

「電力が来てないのでは?」

ラミヴェルの言葉がきっかけで、みんなは周辺を探索し始めた。しかし、すぐに発見できた。扉から少し離れたところに入口がある。扉もあるが誰でも開く。その入口に入って、奥に進むと、地下動力室らしきエリアに出た。その中央に、巨大なエターナルフォーチュンがあった。ティアはそれに触れると、エターナルフォーチュンが起動。眩い光を放ち始めたと同時に機械の動作音が響いてきた。
巨大な扉のところに戻って、ディアナは再び扉の横にある鍵穴に鍵を差し込んで捻ると、その巨大な扉がゆっくりと開いた。入口に入ると、内部は船内のような内装だった。

「「おおおおおーーー!!!」」

さっそくティアとケネスは目を輝かせて興奮して奥へと走っていった。そんな2人を見たみんなは呆然としていたとか…。
内部は非常に綺麗である。数多くの部屋があり、設備も完備されている。各部屋に広い浴室と水洗トイレとベッドなど最低限のものが備わっている。ティアは浴室と水洗トイレが使えるかどうかを確かめると、普通に稼働している。浴室の蛇口から暖かいお湯がある。多少汚い部分もあるが、たわしなどで綺麗にすれば普通に使える。魔物もいないので、今日はここで一夜を過ごすとみんなは決めた。
さらにさらに奥に進むと、最上階である管制エリアに到達。内部は巨大な艦橋そのもの。無数のコンソールが並べられていた。ディアナは席に着いてコンソールを起動し操作し始める。

「このエリア!?」

ディアナは席を立ち、急いである場所に向かった。みんなはディアナの後を追いかけていく。そして、あるエリアに到着。そのエリアを見て、みんなは驚愕を隠せなかった。なぜならこのエリアは、格納庫。驚くべきなのは、格納庫にある巨大な戦艦の数。見た感じだと、ざっと数百隻に上る。ディアナは傍にあったコンソールを操作し、格納庫のデータを検索。

「宇宙戦艦が2千隻近くも格納されている。全長1kmの宇宙母艦129隻。全長480mの宇宙巡洋艦1787隻。全長800mの宇宙輸送艦367隻。動力源はすべてエターナルフォーチュン…。さらにエターナルフォーチュンを搭載した人型機動兵器も数百機ある。このヴァロビニア島の正体は…天空に浮かぶ巨大な宇宙軍事要塞…。直径約80km…。古代文明の遺産のひとつ…。起動すればヴァロビニア島が浮上し、宇宙に進出することができる。搭載されている武装は要塞主砲ガルガンディア。異次元転移バリアシステムで強固なバリアを展開して攻撃を防ぐ。簡単にいえば、この軍事要塞だけで大陸を全土支配することができるということよ」

ディアナの説明にみんなは恐怖を感じた。もし、これがヴァルファーレの手に渡ってしまえばどうなるか…。悪しき者が渡ってしまえばどうなるか…。思わず悪い方向に行ってしまう。
その他のデータを検索して、構造についてわかったことがある。2万隻の艦船が収容可能の巨大空港。400隻を同時に建造と修復が可能な整備ドック。様々な兵器が生産可能な兵器工場。居住区画の巨大都市と医療施設。あらゆる機能が備わっている。

「みなさん……この話…見なかったことにしませんか…?」

ラミヴェルは真剣な表情でみんなに提案する。

「人々の生活を豊かにするために、我々は古代文明の謎を解こうと必死でした。しかし、これをみたらと思うと、怖ろしくてなりません。アルバーノ王国の中に悪の心を持つ人達がいるでしょう。悪用されないためにも、封印しましょう」

説明を受けたみんなもラミヴェルと同じ考えである。

「鍵はわたしが預かっておくわ」

ディアナは持っていた鍵を空間転移させた。

「わたしの意思で鍵を呼ぶことができるからね。盗まれたらいやでしょう」

と、鍵を再び呼び出して手に取った。たしかに、これなら盗まれる心配はない。

 

その後、みんなは遺跡の外に出た。ディアナは鍵で巨大な扉を閉じて、その鍵を異次元空間に格納する。同時に起動していたエターナルフォーチュンを起動者であるティアは停止する。
遺跡内に一夜を過ごすと決めたが、結局は飛空船に乗って、学園都市シュロスに直行するのであった。その後、ディアナを含むみんなは学園都市シュロスの高級ホテルに宿泊。ティア達学生はそのままシュロス学園の学生寮に戻ったという。