12 カントーリーグ編 決着!サトシVSオリビエ!

カントーリーグ9日目の最終日。ポケモンスタジアムの観客席は超満員。そしてVIP席には各地方のチャンピオン(トーホクチャンピオンは除く)と四天王とジムリーダーの姿があり、他にもモニカ、レベッカ、オルハ、イーシャ、リル、リサの姿もある。

「え?カレンさんはトーキョーシティに?」

レッドはモニカと会話している。

「ええ。なんだか用事ができたって言っていたからね」
「それは残念ですね」

実は2人は知り合いである。ちなみに、レッドは18歳。

(言えるわけないじゃない…!ロシア軍が日本に攻撃してくるかもしれないからその対応に当たっていると言ったらパニックになっちゃうじゃない…!)

この事実を知るのはモニカ一人。パニックになると考えて明かすことができないでいた。判断は正しい。

「しかし、しばらく見ないうちにあいつ強くなりましたね。そして女の子にはモテている。男として羨ましいかぎりですよ」
「ええ。モテすぎるのもちょっとね」
「モニカさんのブラコンも治さないと」
《バキッ!!》

その瞬間、モニカの鉄拳がレッドの脳天に直撃。痛がっているレッドである。

「なにか言った?」
「いえ…なんでもないっす…」

モニカにとってブラコンは禁句である。

「なんだ…まだブラコンを治してないのかモニカ…?」
「……………」

そのとき、鋭い眼光の持ち主にして絶世の美女が現れた。その美女は紅蓮のごとく燃えるような赤い目をしている。モニカにとってその声は聞き覚えがあり、冷や汗がダァーっと流れ始めた。声がした方向にモニカは振り向くと…。

「久しぶりだなモニカ」
「ヴェロニカ大元帥閣下!!?」

地球連邦軍大元帥にしてモニカとカレンの上官ヴェロニカ・シュヴェルトラウテが現れた。このときの服装は軍服でなく私服姿である。

「どうしてここに?」
「暇だからきたのだ」
「ここ、許可がないかぎり立入禁止となってるんですけど」
「ああ。わたしが連邦軍大元帥と明かしたらすんなり通してくれたぞ」

VIP席にまできた理由である。

「それでレッド、モニカのやつはまだブラコンを治してないのか?」

レッドに聞いた。

「ええ。フーリーの事件があってから、もうべったりと…」

と、事情を話す。2人は顔見知りのようだ。

「フーリー?ああ。サトシの対戦相手でフーパを使った国際指名手配犯か。それは大変だったな。そんなことはどうでもいいが、オルハとリル、モニカのブラコン度はどのくらいか?」

ヴェロニカはオルハとリルに聞いた。オルハとリルとも知り合いである。

「サトシの童貞を奪いました」

と、オルハは言うと…。

「ほう、最後の一線を越えてしまったか」

ヴェロニカはモニカを睨んだ。

「血はつながっていないので問題ありません」
「まあそうだな。だがお前もサトシではなく他の男を作ったらどうだ?」
「サトシがいるので作りません。そもそも大元帥も人のこと言えないのでは?行き遅れたままアラサーに突入して…」
《バキッ!!》

行き遅れとアラサーというキーワードに反応して、ヴェロニカはモニカの脳天に拳骨をぶちかました。モニカは死ぬほど痛がっている。

「誰が行き遅れでアラサーだと…?」
「す…すいません~…」

そして、ヴェロニカはモニカのほほをつねり始めた。
この光景を目の当たりにしている人達は唖然とした表情になっていた。世界チャンピオンと称されたモニカが一人の女性に恐れているということに、誰も想像できなかったようである。

「誰なのあの人?」

シロナはレッドに聞いた。

「ヴェロニカ・シュヴェルトラウテさん。地球連邦軍大元帥でモニカさんの上官に当たる人で、アメリカ大陸に君臨する四皇の一人のポケモンマスターです」
「「「!!!??」」」

ヴェロニカがポケモンマスターであるという事実を聞いて、みんなは驚愕を隠せなかった。

「俺は一度だけ、モニカさんとヴェロニカさんのフルバトルをみましたが、結果はヴェロニカさんが圧勝。6対0でモニカさんがボコボコにされました」

と、話すと…。

「ちょっとレッド君!その事実だけは明かさないで!」

モニカに突っ込まれた。

「別に恥ずかしいことじゃないでしょう」

と、レッドは少し笑みを浮かべてこう話した。

「あの…」

そのとき、エリカが恐る恐るとヴェロニカに声をかけた。

「タマムシジムのジムリーダーのエリカと申します。カレンさんからヴェロニカさんについて、少しですが話を聞きました。サイン、もらえないでしょうか…?」

しかもご丁寧に色紙と黒のマジックペンをヴェロニカに差し出す。

「ちょっとエリカちゃん、ヴェロニカ大元帥の機嫌が悪そうだから、殺されないうちに離れたほうがいいよ」

と、モニカは忠告するが…。

「誰が機嫌悪いだと?わたしはそんな短気ではない」

ヴェロニカに突っ込まれた。

「…違うんですか?」
「当たり前だバカモノ。わたしが年中無休機嫌悪くしていると思っているのか?これでもポケモンコーディネーターだ。観客に機嫌悪そうな表情を見せるほど愚かではない」
「「「ええぇー!?」」」

見た感じ武闘派そうな人が、実はポケモンコーディネーターであることに、その事実を知らないみんなは驚愕を隠せなかった。
そのとき、ヴェロニカはモニカが座るVIP席の椅子に腰を下ろす。そこわたしの席と言おうとしたモニカだが、これ以上言うと殺されかねないので、あえてとどまった。
ヴェロニカはエリカの求めに応じて色紙にサインを書いた。

「ありがとうございます」

ポケモンマスターのサイン、一生に一度あるかないかの機会である。

「あの…僕もお願いしていいでしょうか…」

ダイゴさんもである。

「男は嫌いだから断る」
「ガーン!!」

ヴェロニカに断れてしまった。これにショックを受けるダイゴ。

「ああダイゴくん。大元帥は男嫌いの女好きのレズだから、女しかサインしてもらえないのよ」
「…そうなんですか…?」

と、ヴェロニカがサインを断った理由をモニカはダイゴに話す。
その後、女性を中心に、ヴェロニカにサインを求めたのはいうまでもない。

 

そしてバトルフィールド。サトシとオリビエがそれぞれの入口から現れてトレーナーボックスに入る。この瞬間、サトシファンとオリビエファンの女性達が熱狂的かつ声を上げ始める。
サトシの傍にピカチュウがいることから、ピカチュウを使用するようである。ちなみに、傍にロトムがいる。

「会いたかったよサトシ。君とのバトル、楽しみにしていたんだ。今までの相手はつまらなかったからね」
「それじゃ、俺とのバトルを楽しんでくれ。今までの相手はつまらなかったんだろう?期待してもいいぜ」
「ホントに!?実は前にモニカさんから君のことを話してくれたんだ」
「お姉ちゃんを知っているのか!?」
「社交界の交流っていうのがあるんだ。そこで何度か顔を合わせてるよ」
「なるほど」
「それより、僕のことを知っている?」
「ああ。フランス王国第3王子オリビエ殿下だろう。リサとイーシャが話してくれたんだ。王族同士の付き合いで何度も顔を合わせているはずだ」
「うん、そうだよ。それより、オリビエでいいよ。言っておくけど、僕は波導使い。君から波導を感じるけど、まだ完全に覚醒したわけじゃないよね?」
「ああ。運がよければ覚醒するかもな。だけど、全力で行くぜ。お前が波導使いであろうと」
「それでいい。フランス王家の血筋を持つ者のみが使える波導術を披露してあげるよ」

オリビエとサトシはモンスターボールを手に取った。バトルフィールドは草原と決まった。
カントーリーグ最後のバトルが始まった。

「デオキシス!君に決めた!!」

サトシはいきなりデオキシス(ノーマルフォルム)を出す。観客達は少し動揺する。

「君に決めたよ!メタグロス!!」

オリビエはメタグロスを出す。相性的にはややメタグロスのほうが有利である。バトルスタート。

「メタグロス!『でんじふゆう』!!」

先制したのはオリビエ。メタグロスは『でんじふゆう』によって浮遊し始めた。

「『シャドーボール』!!」

デオキシスは『シャドーボール』を放った。

「『こうそくいどう』でかわせ!そして『コメットパンチ』!!」

メタグロスは『こうそくいどう』でかわす。そして『コメットパンチ』でデオキシスに攻撃。デオキシスはダメージを受けるもまだまだやれるって感じである。

「『アタックフォルム』にチェンジ!『サイコブースト』!!」

デオキシスはフォルムチェンジして『サイコブースト』を放った。しかし、よけようとしない。それどころか、オリビエは笑みを浮かべていた。

「『武装色の波導』!!」

そう口にすると、メタグロスの体全体が黒く染まった。そして『サイコブースト』を受けるも、ダメージを受けている気配がなかった。

「黒く染まった?」
「これが波導使いのバトルだ!『コメットパンチ』!!」

そしてメタグロスは『コメットパンチ』でデオキシスに攻撃を仕掛けるが…。

「『テレポート』でかわせ!」

デオキシスは消えるも…。

「『見聞色の波導』!!」

オリビエはそう叫ぶと、メタグロスは『テレポート』で姿を現わしたデオキシスをいとも簡単に発見。

「まずい!『ディフェンスフォルム』!『リフレクター』!!」

サトシは慌てて、デオキシスに『ディフェンスフォルム』と『リフレクター』を指示。デオキシスはフォルムチェンジして『リフレクター』を張るも…。

「貫く波導術!『ブリューナク』!!」

オリビエは手をかざして『ブリューナク』と叫んだ瞬間、メタグロスの『コメットパンチ』がパワーアップ。デオキシスはその攻撃を受けた。『リフレクター』は破壊され、吹っ飛ばされ、観客席の壁に激突。戦闘不能になった。

「デオキシス戦闘不能!メタグロスの勝ち!」

審判はメタグロスの勝ちを宣言する。

「…!?」

防御に特化したディフェンスフォルムのデオキシスをたった一発で戦闘不能になった。これについて、サトシは動揺を隠せなかった。サトシはデオキシスをボールに戻す。

「普通さ、ディフェンスフォルムのデオキシスがたった一発でやられるのはあり得ないことだよ。そのからくりを教えてあげる。審判、タイム」
「あ…うん…タイム!」

オリビエは審判にタイムを要求して、審判はそれを受け入れてタイムをかけて、一時中断となった。それを聞いた観客達はざわめき始めた。

「メタグロスがなぜ黒くなったのか、それは武装色の波導を纏わせたからだ」
「武装色の波導…?」
「武装色の波導は、いわば見えない鎧を着るような力。その鎧が固ければ固いほど、その分の攻撃力に転じる。武器に纏わせることもできるし、ポケモンと同調させることで、そのポケモンに纏わせることができる。その結果、攻撃力と特殊攻撃力を増幅させるだけでなく、防御力と特殊防御力も増幅させることできるというわけだ。どれくらい増幅させられるかは波導使いの力量にかかっている。次は見聞色の波導についてだ」
「見聞色の波導…?」
「見聞色の波導は相手の気配をより強く感じる力。その力が高まれば、視界に入らない敵の位置と数を把握できるし、さらには相手が次の瞬間になにをしようとしているかを読み取ることができる。ちなみに、見聞色の波導を鍛えすぎると、わずかだけど未来が見えるという話だ。最後に僕がやったからくりについてだ。僕がデオキシスを倒すときに使ったのは『ブリューナク』と呼ばれる波導術」
「ブリューナク…」
「ブリューナクはフランス王族の血を引く者しか扱えない波導術。効果は攻撃対象のポケモンの防御力と特殊防御力を無視し、さらに『まもる』と『リフレクター』と『ひかりのかべ』を破壊する貫通効果を持つ」
「そうか!それでディフェンスフォルムのデオキシスの防御力と特殊防御力をゼロにしたのか!?」
「そういうこと。そういえば、武装色と見聞色を知らないの?」
「ああ。お姉ちゃんから、まず波導を完全にコントロールする特訓を始めるようにと言われたんだ。そこまで教わってない」
「特訓を始めたのは?」
「約3ヶ月前から」
「う~ん…僕が武装色と見聞色を完全に会得するのに1年半ぐらいかかったからね…。無理もないよ。武装色と見聞色を会得するのに、平均的に2年かかるといわれているから、恥ずかしく思うことはないよ」

オリビエは波導使いの戦い方についてサトシに解説する。オリビエは波導使い。しかし、サトシは波導使いとして完全に覚醒していない。

「ありがとなオリビエ。それでも俺は勝ちにいくぞ」
「今の君じゃ波導使いである僕には勝てないよ」
「そうでもないさ。普通の人間でも波導使いに勝っているという前例があるからな。その前例に従ってバトルする!」
「たしかにそうだね」

サトシは改めて闘争心を燃やす。

「審判、プレイを」
「プレイ!」

オリビエは審判に伝えると、審判はプレイを再開。

「ピカチュウ!頼む!!」
『ピカ!!』

サトシはピカチュウを出す。

「サトシ、ピカチュウ出すなんて舐めてるの?」

オリビエは唖然とした表情になった。

「安心しろオリビエ。俺のピカチュウは過去に、カイリューとバンギラスとメタグロスを倒したことがあるから」
「嘘っ!それが本当なら、全力を出すよメタグロス!」
『メタ!!』

ピカチュウが600族のポケモンを撃破してきたことを知ったオリビエは驚くも、闘争心を燃やす。バトルスタート。

「ピカチュウ!『10まんボルト』!!」
「『コメットパンチ』!!」

ピカチュウとメタグロスの技が激突して爆発した。

 

一方、観客席…。オリビエの口から波導使いの存在とその戦い方を聞かされて、今でも動揺している観客もいる。波導使いという言葉を知っている観客はいるが、ほんの一部でしかない。
ショータ達がいる観客席…。

「道理で手も足も出ませんでしたよ…」
「ていうか、反則じゃないのか?」
「ルールには問題ないとされています」

ショータは改めて波導使いの強さを知ることになる。ティエルノの言うとおり、たしかに反則に等しいのだが、トロバがいうには問題ないそうだ。

 

一方、VIP席…。

「まさかオリビエ王子が出てくるとは思わなかったらね。あのとき、ちゃんと武装色と見聞色を教えておけばよかったわ」

サトシに波導の使い方を教えたモニカでさえ後悔している。

「心配するなモニカ。土壇場で覚醒というのがあるだろう」
「大元帥…」

そんなモニカにヴェロニカは話す。

「ああそうそう。落ち着いたらマサラタウンのお前んちにしばらく厄介になるからそのつもりで」
「はい!?」

と、ヴェロニカの言葉にモニカは驚愕した。

「うち、せまいですよ!?」

モニカは拒否するが…。

「前来たときはせまいと感じなかったが?そもそも2階建ての100坪で6LDKの新築住宅建てているのだろう。問題ないだろう」

ヴェロニカはこう述べる。

「さらに迎賓館までこっそりと建てたそうじゃないか。お前はマサラタウンにどれだけ家を建てれば気が済むのだ?マサラタウンからモニカちゃんタウンにするのか?」
「「「モニカちゃんタウン…」」」
「それだけじゃないぞ。軍事施設の一部を私物化して、その一室を「モニカちゃんのかわいいポケモンルーム」と名付けてかわいいポケモン達と戯れていたではないか」
「あの…わたしのかわいいポケモン達は…」
「あのかわいいポケモン達はわたしが引き取った。かわいく育てているから安心せよ」
「この年増女!!」
「誰が年増女だ!!上官侮辱罪で叩き切ってやる!!!」
「いやーー!!」
「待て!この小便臭い小娘がー!!」

モニカに年増女呼ばわりされたヴェロニカは、空間から剣を顕現して、それを手に取って、逃げるモニカを追い掛け回し始めたのであった。

 

一方、バトルフィールド。

「ピカチュウ!『エレキボール』!!」

ピカチュウはメタグロスに向かって『エレキボール』を放った。メタグロスは攻撃をまともに受けて戦闘不能になった。

「メタグロス戦闘不能!ピカチュウの勝ち!」

審判はピカチュウの勝ちを宣言。同時に会場は盛り上がった。

「マジ…?」

オリビエはピカチュウの強さに唖然としていた。こちらは武装色と見聞色の波導を使ったにもかかわらず…。そして、オリビエは気を取り直して、メタグロスを戻して次のポケモンを出す。

「君に決めたよ!フライゴン!!」

フライゴンを出してきた。

「ピカチュウ、戻って休んでくれ」

サトシはピカチュウを戻す。相手は地面とドラゴンなので、判断は妥当である。

「グライオン!君に決めた!!」

サトシが出したポケモンはグライオンである。バトルスタート。

 

一方、セレナとエルとサナがいる観客席。

「サトシがんばれー!!」
「負けないでサトシー!!」
「そこよグライオン!!」

3人は熱心に声援を送っている。

 

戻ってバトルフィールド。

「フライゴン!『りゅうせいぐん』!!」

オリビエは勝負に出た。フライゴンは『りゅうせいぐん』を放った。上空から地上に向けて、次々と降り注いでいく。

「グライオン!かわして『ハサミギロチン』!!」

グライオンは『りゅうせいぐん』の弾丸を次々とかわしてフライゴンに接近して『ハサミギロチン』を放った。フライゴンは『ハサミギロチン』を喰らって戦闘不能になった。『ハサミギロチン』は一撃必殺の技で、どのようなポケモンでも、これをまともに喰らえば必ず戦闘不能になる。

「フライゴン戦闘不能!グライオンの勝ち!」

審判はグライオンの勝ちを宣言。同時に会場は大盛り上がり。オリビエはフライゴンを戻して次のポケモンを出す。

「君に決めたよ!クレベース!!」

次に出したポケモンはクレベース。重量級のポケモンである。相性ではクレベースが有利である。バトルスタート。

「グライオン!『ストーンエッジ』!!」
「こっちも『ストーンエッジ』!!」

互いのポケモンは技を放って激突。爆発する。

「『こうそくスピン』!!」
「飛べ!」

続けてクレベースは『こうそくスピン』でグライオンに迫る。グライオンは飛んでかわす。

「『ギガインパクト』!!」

さらに『ギガインパクト』でクレベースに攻撃。

「『こおりのキバ』!!」

クレベースは『こおりのキバ』で仕掛けようとするが、いつの間にかグライオンの姿がなかった。それどころか、『ギガインパクト』の反動を利用して、クルクルと回転しながら距離を取って後退した。

「とどめをさす!『ハサミギロチン』!!」
「同じ手は通用しない!『ゆきなだれ』!!」

グライオンは『ハサミギロチン』の態勢を取ってクレベースに攻撃を仕掛けるも、『ゆきなだれ』で対応される。グライオンは効果抜群の技を受けて戦闘不能になった。

「グライオン戦闘不能!クレベースの勝ち!」

審判はクレベースの勝ちを宣言する。同時に会場は盛り上がりをみせる。サトシはグライオンを戻して次のポケモンを出す。

「ルチャブル!君に決めた!!!」

次に出したのはルチャブル。出てきた瞬間にカッコよくポーズを決めた。バトルスタート。

「『ゆきなだれ』!!」

先制したのはクレベース。

「かわして『とびひざげり』!!」

ルチャブルは攻撃をかわしながらクレベースに『とびひざげり』を仕掛けた。クレベースは効果抜群のダメージを受けたが、まだピンピンしている。

「『ストーンエッジ』!!」

クレベースは『ストーンエッジ』を放った。ルチャブルは攻撃を受けるが、まだまだピンピンしている。

「とどめだ!『こうそくスピン』!!」
「まだまだ!『フライングプレス』!!」

オリビエは勝負に出た。クレベースは『こうそくスピン』で突撃するが、ルチャブルは『フライングプレス』で対応する。両者の技が激突。結果は、クレベースが戦闘不能になった。

「クレベース戦闘不能!ルチャブルの勝ち!」

審判はルチャブルの勝ちを宣言。同時に会場は盛り上がった。オリビエはクレベースを戻す。

(まずい…。波導使いとして覚醒していないにもかかわらず、まさかサトシがここまでやるとは……。もし波導使いに覚醒したら……僕達ヨーロッパ勢のポケモントレーナーにとってかなりの脅威となる…!それどころか…頂点に立つ可能性も十分あり得る…!ここから先は……容赦しない…!)

オリビエは改めてサトシの脅威を感じ始めた。

「君に決めたよ!ドンガラス!!」

ドンガラスを出してきた。ルチャブルはそのまま。バトルスタート。

「ルチャブル!『からてチョップ』!!」
「こっちは『つじぎり』!!」

お互いの技が激突。パワーは互角である。

(なんだ…?相手の動きが読める……これが見聞色…じゃあ武装色は…?考えるの面倒だ!イメージだイメージ!)

サトシはなにか掴んだようだ。

「ルチャブル!おれを信じてくれ!お前に波導を与える!!」
『ルチャ!』

波導を使おうとしている。

「そうはさせるか!武装色!『ブレイブバード』!!」

オリビエはドンガラスに武装色の波導を纏わせて『ブレイブバード』を指示。

「『フライングプレス』!!」

サトシは『フライングプレス』を指示。そのとき、ルチャブルの体が黒く染まった。

「武装色の波導!?」

武装色の波導である。これにはオリビエも驚く。互いのポケモンの技が激突。するとドンガラスが吹っ飛ばされて地面に倒れて戦闘不能。

『ルチャーー!!』

ルチャブルは雄叫びをあげた。見たか!と言わんばかりの雄叫びである。

「ドンガラス戦闘不能!ルチャブルの勝ち!」

審判はルチャブルの勝ちを宣言。

「……まさか………」

オリビエは動揺している。ここまで追い詰められるとは予想できなかったからである。オリビエは次のポケモンを出す。

「頼む!カメックス!!」

次に出したのはカメックス。バトルスタート。

「ルチャブル!体力を削られるだけ削るんだ!『シザークロス』!!」
「なめるな!『グロウパンチ』!!」

ルチャブルとカメックスの技が激突。カメックスの技が勝り、ルチャブルは戦闘不能になった。

「ルチャブル戦闘不能!カメックスの勝ち!」

審判はカメックスの勝ちを宣言。サトシは2タテしたルチャブルを労いながらボールに戻して、次のポケモンを出す。

「ゲッコウガ!君に決めた!!」

サトシはここでゲッコウガを出す。バトルスタート。

「カロスリーグのデータにあった厄介なポケモン…。シンクロ率を高めることでフォルムチェンジする特殊なポケモンか……カメックス!メガシンカ!!」

オリビエはここでカメックスをメガカメックスにメガシンカさせる。バトルスタート。

「俺達はもっともっと強く!行くぞ!!」

サトシとゲッコウガが構えた瞬間、ゲッコウガの体に水が纏い始めた。纏った水が巨大な水手裏剣となって背中に背負うだけでなく姿も変わった。ユリーカ曰くサトシゲッコウガである。キズナ現象によるメガシンカ、というよりフォルムチェンジ。サトシとゲッコウガがシンクロすることにより初めて成せると言われているが、結局は謎に包まれたものである。
この光景に人々は驚きと感心を持つ。

「カメックス!『ハイドロカノン』!!」
「ゲッコウガ!『みずしゅりけん』!!」

お互いに放れた技が激突して爆発する。

「『いあいぎり』!!」

サトシゲッコウガは『いあいぎり』で仕掛ける。メガカメックスはダメージを受ける。

「なんてポケモンだ。…卑怯だけどあれを使わないと勝てない…」

オリビエは追い込まれた。

「さらに『つばめがえし』!!」

サトシゲッコウガは追い打ちをかける。このままだとメガカメックスは倒れる。次のポケモンでも勝てる見込みはない。
そして、オリビエは秘策に出た。オリビエは自然とそのまま顔を横に振り向くと、サトシはつられて、オリビエが振り向いた方向に顔を向ける。観客やVIPの人達も同様である。

「『グロウパンチ』!!」
「しまった!!?」

一瞬の隙を突いたメガカメックスはサトシゲッコウガに渾身の一撃を込めた『グロウパンチ』を放った。この一撃によってサトシゲッコウガは戦闘不能。同時に姿が戻る。

「ゲッコウガ戦闘不能!カメックスの勝ち!」

審判はカメックスの勝ちを宣言。

「ちょっとオリビエ!卑怯じゃないのか!?」

サトシは抗議するが…。

「こんな古典的な罠に引っかかった君が悪いけど」
「うぐっ…」

オリビエに言い返され、返す言葉が見つからなかった。

「ちなみにこれ『よそみ』と言って、モニカさんが編み出した卑怯の中の卑怯の技でもある」
「お姉ちゃん!どういうことだよこれ!?それでも世界チャンピオンなのかよ!?」

『よそみ』を編み出したモニカにサトシは猛抗議するが…。

「うっさいわね!もし負けたらピカチュウをわたしのペットポケモンにするからね!」

拡声器を持って逆に言い返された。

「鬼ー!そんなんだから恋人できないんだよ!」
「わたしの恋人はサトシで十分だ!血はつながってないから問題ない!」
「いやだよ!お姉ちゃんの恋人になったらあの世に行きそうだ!」
「ふざけんな!やっぱり負けたらサトシ、あなたのかわいいポケモン全部いただくからね!勝ったらお姉ちゃんの恋人になること!」
「勝っても負けても俺が不幸になるの変わんねえじゃねえか!」

そして、姉弟の口喧嘩が始まった。

「サトシ!負けたら地獄の特訓が待っているから覚悟しろ!!」
「ヴェロニカさん!どうしてそこに!?」
「勝てたら褒美やるから細かいこと気にするな!試合に集中せよ!」

さらにモニカからヴェロニカに代わった。サトシは彼女を知っているが、その苛烈さもサトシ自身が知っている。負けたら明日の朝日が拝めるかどうかもわからない。
ちなみに、サトシゲッコウガがダメージを受けるとサトシにダメージを受けるという仕組みになっているが、こんな状態なのでダメージもくそもない。
気を取り直して続行。

「リザードン!君に決めた!!」

リザードンを出して…。

「メガシンカ!!」

メガリザードンXにメガシンカさせる。バトルスタート。

「リザードン!『かえんほうしゃ』!!」
「カメックス!『りゅうのはどう』!!」

お互いの技が激突。パワーは互角。

「『ドラゴンクロー』!!」
「『グロウパンチ』で迎え撃て!!」

さらに接近戦。この調子が続いて1時間が経過。メガリザードンXとメガカメックスはまだ戦っている。

「まずい!サトシが波導使いに覚醒しちゃった!しかも僕の波導もかき消される!?」

どうやらサトシはこのバトルで波導使いに覚醒して、さらにオリビエの波導をかき消す。バトルの中でサトシは成長した。

「まさかアーロンの子孫とはね。ソフィとマルグリットと同類だとは……一気に決める!『ハイドロカノン』!!」
「まだだ!『ブラストバーン』!!」

メガリザードンXとメガカメックスはそれぞれ、渾身の一撃を込めた技を互いに向けて放った。双方の技が激突することなく、相手に着弾する。攻撃を受けたメガリザードンXとメガカメックスは倒れて戦闘不能。同時にメガシンカが解ける。

「リザードン!カメックス!共に戦闘不能!」

審判はリザードンとカメックスの戦闘不能を宣言。同時に会場は大盛り上がりをみせた。
サトシとオリビエはそれぞれのポケモンを戻して、最後のポケモンを出す。

「また頼むぜピカチュウ!」
『ピカ!!』

サトシはピカチュウを出す。

「君に決めたよ!ビクティニ!!」

オリビエはイッシュ地方の幻のポケモンであるビクティニを出す。最後のバトルが始まった。

「(Zワザを取っておいてよかったぜ…!)ピカチュウ!『10まんボルト』!!」
「(もう波導は切れて使えない…!)ビクティニ!『かえんだん』!!」

ピカチュウとビクティニは互いに向けて技を放った。技が激突して爆発。互角である。

「(出し惜しみはしない…!)『Vジェネレート』!!」
「『でんこうせっか』で接近して『アイアンテール』で打ち上げろ!!」

ビクティニは『Vジェネレート』を出して突撃するも、ピカチュウは『でんこうせっか』のスピードを利用して接近し、ビクティニを『アイアンテール』で打ち上げる。

「『エレキボール』!!」

さらに『エレキボール』を放ってビクティニに着弾。地面に落ちて大きなダメージを受けるも立っている。

「とどめだ!!」

そしてサトシはZリングを構えた。Zパワーがピカチュウを纏い始めた。

「これが俺達の!全力だあぁっ!『スパーキングギガボルト』!!」
「まだだ!『オーバーヒート』!!」

ピカチュウはZワザを放ち、ビクティニは『オーバーヒート』を放った。ピカチュウのZワザが『オーバーヒート』を打ち消し、そのままビクティニに着弾。ビクティニはそのまま倒れて戦闘不能になった。ピカチュウは立っている。

「ビクティニ戦闘不能!よって勝者はサトシ選手!」

審判はビクティニの戦闘不能を宣言して、サトシの勝利を宣言する。
この瞬間、カントーリーグ・セキエイ大会の優勝者はサトシとなった。同時に会場は大盛り上がり。とくにサトシ大好きな女の子達は歓喜に沸いた。アローラ組に関しても、最後にサトシがZワザを決めたことについて、喜びを隠せなかったという。

「やれやれ。完敗だよ」

そのとき、オリビエはビクティニを抱き上げてサトシに近づいた。

「だけど、悔しくないさ。次に戦うときは絶対に負けないからね」
「望むところさ」

オリビエとサトシは握手を交わすと、会場はさらに盛り上がった。

『緊急速報です!』

そのとき、会場の巨大なモニターが切り替わった。緊急速報という言葉にみんなは静かになった。

『ロシア連邦が突然、日本に対して宣戦を布告!シンオウ地方は現在、ロシア軍の大規模な侵攻を受けており、国防軍は対応していますが陥落するのも時間の問題です!それだけでなく、ホウエンとジョウトとトーホクとセトグニ!このカントーにまでロシア軍の部隊が出現したとのことです!みなさん、今すぐ避難を……!』

ロシアが日本に宣戦布告。モニター画面が突然プツンと切れた。

「ロ…ロシア軍だって…!?」
「なんでいきなり…!?」

このニュースを聞いた観客達は動揺を隠せなかった。

「避難はさせない…そんなことはあたしが許さない…!」

そのとき、ロシア軍の軍服を纏ったロシア人の女性が空間転移で会場のど真ん中に姿を現した。同時に上空に、ロシアの国旗を掲げた巨大戦艦が1隻現れた。

「何者だ!?」

サトシは聞いた。

「あたしはロシア軍大尉カテリーナ・ベススメルトノワ・チフォネエジ。カントー地方制圧部隊を指揮するもんや」

と、女性は指を鳴らすと、上空の巨大戦艦から、都市制圧用の機動戦車が出撃して、次々と会場に着地する。会場に着地した起動戦車は全部で6機。機動戦車とは、先ほど説明したように都市制圧用を想定して開発されたロシア軍自慢の半人型機動機体。全長は約4m。両肩に重機関銃、右手には巨大なチェーンソー、左手にはパイルアンカーという人を殺すことに特化した兵器を搭載されている。
さらに会場に、武装したロシア軍兵士が次々と現れた。

「目的はなんだ!?」

サトシは聞いた。

「そんなの言えるもんか。トーキョーシティにある無限稼働機関クリエイションドライブの設計図とか、ロケットグループを武力で制圧とか、ヴァイタリンスグループが主導しているとか、サトシ君を拉致ってニャンニャンするとか、そんなの言えるもんか」
「……ちゃっかり目的を言ってるんですけど…」
「「「……………」」」

ロシア軍は機密性が高いとされる正規軍だが、このカテリーナの女性、ロシア軍の目的を全部言ってしまった。これに唖然するロシア軍と人質にされそうになる観客達であった。

「サトシを拉致ってニャンニャンするってどういうことなの!?」

しかもモニカ、拡声器を使ってカテリーナに問いかけた。

「そんなの言えるもんか。あたしの親友のヴァシリーサがベッドの上でイチャイチャしたいとか、そういうことを言えるもんか」
「……あんた本当にロシア軍の軍人なの…?目的をバラしてどうすんの…?」
「しまったーーー!!!」

口が軽いカテリーナである。指摘されて自覚し始めたカテリーナは後悔の念を叫んだ。そしてロシア軍は思った。こんなのが上官で大丈夫なのだろうかと…。恥ずかしくて逃げ出したいと思っていた。
そのとき、ヤマブキジムのジムリーダーであるナツメが動いた。自身が持つ超能力で機動戦車をすべて無力化して圧縮させてペシャンコにする。

「「「!!?」」」

これには驚いたロシア軍兵士である。

「「「取り押さえろーーー!!」」」

観客達も勇気を出して、会場を制圧しつつあるロシア軍兵士をすべて取り押さえた。直後、警察組織が駆けつけ、ロシア軍兵士をすぐに拘束する。
動くまでもなかったモニカとヴェロニカである。そして、ヴェロニカは動いて、上空に飛んでいる巨大戦艦に向かって右腕をかざした

「破壊!」

と、ヴェロニカは口にすると、巨大戦艦が散りになって消えた。爆散せず、正確には消滅である。この光景を目の当たりにした観客達は驚愕する。
ヴェロニカが行ったのは、『破壊』という属性を持った波導を利用した波導術。ポケモンマスターの称号を持つ者しかできない波導術である。イメージとしては、ドラゴンボール超の破壊神が使う『破壊』という技である。そのままだが…。波導にも種類があるという。

「げぇ!?ババア!!」

カテリーナはヴェロニカがいると知って驚いた。ババア呼ばわりして…。しかも、モニカとリルとオルハは笑いを堪えていたとか…。

「誰がババアだ!それより貴様、わたしとモニカがいることを知って襲撃したのは褒めてやる!」
「え?いたの?」
「…貴様……どこの部隊に所属していた?」
「ロシア対外情報庁だけど?」
「諜報機関に所属していたのか!?貴様のような口の軽い軍人がよく諜報機関に配属されたな!」
「そ、そそ、そんなの関係ないでしょう!」
「会場に誰がいるのかを把握してから実行しろ!破壊してやる!!」
「いやだ!せめてサトシ君に処女を捧げてから…」

その瞬間…。

《チュドーン!!》
「きゅ~」

カテリーナが攻撃を受けて爆発して気絶した。やったのは…

「人の弟を汚そうとしやがって…」

スティンガーミサイルをぶっ放したモニカである。そのスティンガーミサイル、どこから持ち出したのかは不明。
ちなみにカテリーナは20代前半なのだが、彼氏いない歴=年齢の処女である。容姿と顔立ちは良い方なのが、彼氏ができない原因はそこにあるとか…。
だけど、ロシアが日本に宣戦布告して侵攻を始めたのは事実である。しかし、この会場から犠牲者どころか負傷者をゼロに抑えることができた。カテリーナがバカで助かったのは不幸中の幸いである。

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