09 カントーリーグ編 サトシ危険?フーパ使い現る!

カントーリーグ4日目が終了。第3回戦に進出した主なトレーナーは、サトシ、シゲル、ショータ、トロバ、ティエルノ、ジュン、ナオシ、シューティー、コテツ、ケニヤン、ベル、オリビエである。モエ、コトネ、カズナリ、ケンタ、ジュンイチ、コウヘイ、ラングレー、カベルネはこの第2回戦で脱落となった。

「メガシンカなんてバットテイスティングよ!!」

どうやらメガシンカを使うトレーナーと当たって脱落となった。ちなみに相手は、かつてサトシがカロスリーグでバトルした、メガアブソルの使い手であるアヤカである。
そして、対戦相手の組み合わせが決まった。サトシの対戦相手はヒューリーという男性。道化師の衣装を纏ってジュペッタの人形を糸で操り人形にしている不気味な男。そのジュペッタの人形の首に、キーストーンが付いている首輪が巻かれているという。

 

夕方…。
そのサトシはポケモンスタジアムでカスミとタケシと会話している。ニビジムのジムリーダーはタケシの弟のジロウでVIPとしてこのカントーリーグに招待されている。ポケモンドクターを目指すタケシだが、ジロウの付き添いとしてここにやってきている。

「へぇ~、これがキーストーン」
「トキワの森にあるとは思わなかったわ」
「俺もびっくりだよ。まさかスピアーが手に入れて大事にしているとは思わなくて…。ちょっと悪いことしたかな」

キーストーンについて会話している。カスミとタケシは間近でキーストーンをみるのは初めてのようだ。

「あっ、サトシ」

そのとき、アローラ組が現れた。声をかけたのはスイレンである。それからしばらくすると…。

「へぇ~、サトシと一緒に長く旅をしていた仲間ってタケシのことだったんだ」

マオは感激した。

「しかし、サトシがアローラに行っていたとはな…。そのうえライチさんっていうお姉さんとバカンスを…!けしからん!」
「ちょっとタケシ!話が違う方向に行ってないか!?」
「なぜ俺に打ち明かさなかったのだ!?モニカさんっていう美人のお姉さん、そのモニカさんの友人であるカレンさんも親しく!さらにリル姫様とオルハ姫様とも親しく!これはもう重罪だ!」

サトシに嫉妬心を露わにするタケシである。

「ということでライチさん。このあと俺とランデブーし……しびれびれ…!!」
『ケッ』

ライチにナンパするタケシにグレッグルが『どくづき』で制して、どこかに連れていかれたという。タケシのグレッグルである。

「いいパンチしてるなあのグレッグル」

カキの感想である。サトシにとってお久しぶりの光景である。

「カスミ、サトシについて聞かせて」
「いいわよ」

スイレンはカスミという恋敵からサトシに関する情報を入手するためにあえて聞いた。カスミはサトシのエピソードを語る。

「なるほど……サトシが旅をして初めて出会ったのがカスミというわけか」

と、ククイは微笑む。

「ところでカスミ、サトシのこと好きなの?」
「えっ…?」

スイレンに指摘されたカスミは顔を真っ赤にする。

「…あ…あいつとはそんな関係じゃないって……だから…その…」
「ホントに?」
「ホント!」
「ホントにホントに?」
「ホントにホントよ!」
「よかった…」

カスミはサトシのことが好きじゃないと断言してしまった。それを聞いてスイレンは安堵する。
しかし、カスミは内心、サトシに好意を抱いている。いわゆるツンデレというやつである。

「失礼。ここにサトシ君がいると思ったが」
「「「!!?」」」

そのとき、サトシの対戦相手であるヒューリーが現れた。

「キーストーン!?あの人もメガシンカを!?」

リーリエはヒューリーが持っているジュペッタの人形の首飾りについているキーストーンに気がついた。

「俺ですけど」
「そうかそうか。わたしはヒューリー。アランを知っているね?」
「カロスリーグ決勝で俺が対戦したあのアランですか?」
「そう。君と同じメガリザードンXの使い手だ。あいつとバトルして敗れたんだが、そんなことはどうでもいい。明日はよきバトルをしよう」

と、ヒューリーは握手を求める。

「はい。望むところです」

サトシはヒューリーに握手しようとするが…。

「待ってください!」

そのとき、リーリエは割って入った。

「ヒューリーさんと言いましたね!あなたの手のひらにあるものはなんですか?」
「「「!!?」」」

リーリエはそう指摘した。ヒューリーの手のひらを見てみると、手のひらに画鋲がくっ付いている。これにはびっくりしたみんなである。

「まさかマジシャンのタネを見破るとはね。まあ初歩的なものだけど」

ヒューリーは肯定するが、見破られることを想定していたようだ。

「その画鋲の針には痺れ薬が塗ってある。君がどれほどのものか試したくてね」
「お前…」
「そういえば使ってないね。サトシゲッコウガ」
「!?」

サトシゲッコウガという言葉を聞いて、サトシは驚く。

「カロスリーグのデータを見て少し調べてみたんだが、サトシゲッコウガがダメージを受けると、君にもダメージが負う。状態異常を受けると…」
「もう体験済みだ。だからゲッコウガの使用を避けていたんだ…!」
「それは残念だ。サトシゲッコウガがもし『猛毒状態』を喰らうと…君はどうなるかが見たかったんだがね。明日の試合、楽しみにしてるよ。それじゃあね」

ヒューリーは去っていった。最後まで不気味な男だったという。

「な…なにあれ…」

マオは述べる。

「……………」

そのとき、リーリエは震え始めた。まるでヒューリーという男に対して怯えているような感じだった。

「リーリエ、どうしたんだい?」

ライチは聞いた。

「あの人から…死の匂いがします…」
「「「!!?」」」

死の匂いがする…。それを聞いたみんなは驚愕した。

「死の匂いがするって……まさかあの男…」
「冗談はやめてよ…!わたしもなんだか怖くなってきちゃった…」

タケシの言葉をカスミが中断する。

「なんの騒ぎだ?」

そのとき、カントーチャンピオンのレッドが現れた。

「レッドさん!?」
「久しぶりだなサトシ。まさかあのお前がここまで強くなるとは思わなかったな」

彼はサトシの知り合いのようだ。

「それで、どうしたんだ?」
「実は…」

サトシはレッドにヒューリーについて事情を説明する。

「死の匂いがする…か……。言われてみれば…そうかもしれないな…」
「「「!!?」」」

レッドはリーリエの言葉に肯定した。

「実は出場者の中に大量殺人を犯した国際指名手配犯が紛れ込んでいると聞いたんだ。その指名手配犯の名はフーリー。マジシャンでその奇術を持って、かなりの人を殺しているそうだ」

レッドはそう説明する。

「話には聞いたことがあるけど…それが本当だとしたらヒューリーという男は…」
「確たる証拠はないが…おそらく同一人物とみて間違いないだろう…」

タケシの言葉にレッドは同意する。

「幸いにもモニカさんとカレンさんがこの会場に来ている。サトシ、あの人達はどこにいる?」
「たぶん、セキエイローレットにいます」
「サトシはこの事実をモニカさんとカレンさんに伝えてくれ。俺は各地のチャンピオンと四天王とジムリーダーに協力を仰ぐ」
「明日俺、ヒューリーという男とバトルすることになってるんだけど…」
「そのままバトルしてくれ。なにかあったときはこちらで対処する。サトシ、今でもあいつはお前を狙っているかもしれないから気をつけるんだ」
「はい」

レッドはそのまま立ち去ってしまった。
直後、サトシはスマホでモニカに連絡する。モニカはスタジアムの売店にいたので、すぐにラウンジに到着することができた。
サトシは自分の対戦相手についてモニカに説明する。

「なんですって!?サトシの対戦相手ヒューリーという男が国際指名手配犯のフーリーと同一人物!?」
「まだ証拠はないんだけど、リーリエがヒューリーから死の匂いがすると言って…」

モニカでさえ驚くほどである。

「わかった。みんな、寝るときはなにがなんでも部屋を開けちゃダメよ。知り合いが訪ねてきたら、合言葉などで身分確認するといいわ」

モニカの忠告にみんなは首を縦に振る。

「あれ?みなさん」

そのとき、ショータが現れた。サトシはショータに事情を話すと…。

「えぇ!?サトシの対戦相手があの…」
「静かにしてくれ…」

ショータは驚きの声をあげるが、サトシに制止される。

「わかりました。なにかあったときは僕もフォローします」

ショータという頼もしい協力者を得て一安心である。

 

その後、サトシはモニカと一緒にセキエイローレットに戻っていった。セキエイローレットにいるカレンとオルハとリルにフーリーについて事情を説明すると、カレンはすでにレッドからの連絡を受けて事情を承知しているとのこと。サトシを一人にしておくわけにはいかないので、誰かがサトシと一緒に寝る必要がある。

「姉であるわたしが一緒にいるわ」
「モニカずるい!サトシ君はわたしが守る!」
「あんたはある意味大量殺人犯より危ないからダメ!」
「ぷ~!」

リルはサトシと一緒に寝たがっていたが、モニカに却下された。

 

翌日…。幸いにもなにも起こらず朝を迎えた。
カントーリーグ5日目、第3回戦がスタート。会場は重苦しい雰囲気に包まれている。しかし、観客達は一部を除いて何も知らない。すでにサトシとヒューリーがそれぞれのトレーナーボックスに着いている。フィールドは岩となる。
サトシのピカチュウはサトシの傍におらず、モニカの傍にいる。サトシはこのバトルでピカチュウを使わないようだ。

「逃げずにきたね」
「お前を倒す!ワルビアル!!」

ヒューリーは挑発しながらもサトシは闘志を燃やす。最初に出したポケモンはワルビアル。

「どこまで戦えるか楽しみだよ。まずは小手調べだ。オーロット!!」

対するヒューリーはオーロットを出す。

「てっきり夜中に仕掛けると思っていたけど…」
「寝首を掻くなど、そんな卑怯な手を使うほどわたしは落ちぶれていない」

どうやら彼にもプライドがあるようだ。バトルスタート。

「オーロット!『ウッドハンマー』!!」
「『ドラゴンクロー』で迎え撃て!!」

お互いの技が激突。

「なかなかやるじゃないか。『エナジーボール』!!」

オーロットは咄嗟に『エナジーボール』を放った。ワルビアルに直撃する。効果抜群の技を受けても、ワルビアルはまだまだやれると感じである。

「強い…!」

サトシでさえこう漏らすほどの強さをヒューリーは持っている。

 

観客席…。

「なんだって…!?」
「サトシとバトルしている相手は国際指名手配犯!?」
「うん…」

ショータはトロバとティエルノに昨日のことについて事情を話していた。
一方、なにも知らないセレナとエルの観客席。

「あっ!セレナとエルさん、こんなところに!?」
「「サナ!?」」

そのとき、サナが現れた。
それからしばらく話し込んでいた。

「ずっと気になるんだけど…サトシってゲッコウガ使わないね」

サナは疑問を抱く。

「一度、ゲッコウガと別れたんだけど、アローラの事件がきっかけで帰ってきて、カントーリーグに向けてキーストーンを手に入れたって言っていたわね」

セレナは説明する。実はサトシはゲッコウガを使っていない。リザードン主体で勝ち抜いている。
だけど、サトシの相手があんな危ないやつであると知らないのが、不幸中の幸いだとか…。

「それにしても、サトシ君の対戦相手は不気味ね」

エルは述べた。ある意味、不気味なのは当たっている。

 

そしてバトルフィールド…。

「オーロット戦闘不能!ワルビアルの勝ち!」

審判はワルビアルの勝ちを宣言する。ヒューリーはオーロットを戻す。

「なるほど。君の実力はわかった。ここで終わらせよう!ジュペッタ!!」

そしてジュペッタを出す。ジュペッタの首に首輪が付いている。その首輪にはジュペッタナイトというメガストーンが付いている。バトルスタート。

「生まれ変われ!メガシンカ!!」

手に持っているジュペッタの人形の首に付いているキーストーンに触れると、ジュペッタナイトと共鳴し始めた。ジュペッタはメガジュペッタにメガシンカする。

「ここでか!?」

これにはサトシも驚く。

「『マジカルシャイン』!!」
「フェアリータイプの技を!?」

メガジュペッタは『マジカルシャイン』を放った。ワルビアルはこの攻撃を受けて戦闘不能になった。

「ワルビアル戦闘不能!ジュペッタの勝ち!」

審判はジュペッタの勝ちを宣言する。同時に会場は盛り上がりをみせた。
サトシはワルビアルを労いながらボールに戻した。

「頼むぞ!リザードン!!」

そしてリザードンを出す。さらにペンダントにしているキーストーンを握って、リザードンが身に着けているリザードナイトXと共鳴させる。

「燃やし尽くせ!メガシンカ!!」

リザードンはメガリザードンXにメガシンカさせる。バトルスタート。

「ジュペッタ!『シャドーボール』!!」
「『かえんほうしゃ』だ!!」

『シャドーボール』と『かえんほうしゃ』が激突。パワーは互角である。

「『ゴーストダイブ』!!」

するとメガジュペッタは消えた。しばらくすると、メガジュペッタが現れてメガリザードンXを強襲。メガリザードンXはダメージを受けた。

「もういちど『ゴーストダイブ』!!」

さらにメガジュペッタは消えて『ゴーストダイブ』を仕掛けようとしてくる。

「そうはさせるか!」

そのとき、サトシは波導を使用し始める。波導の使い方にも種類はあるが、サトシは相手の位置を読み取ることに波導を使う。

「そこだ!リザードン!『かえんほうしゃ』!!」

サトシが指定した場所に向けて、メガリザードンXは『かえんほうしゃ』を放った。すると『ゴーストダイブ』で消えたはずのメガジュペッタが命中。直後に姿を現す。

「バカな!波導使いでもなければジュペッタの姿は!……まさかサトシ君…君は…!ええい!『あくのはどう』で迎え撃て!!」
「かわして『ドラゴンクロー』!!」

ヒューリーは動揺するも次の攻撃に移す。メガジュペッタの『あくのはどう』をかわしたメガリザードンXは『ドラゴンクロー』を構えてメガジュペッタに突撃して、そして攻撃する。メガジュペッタは『ドラゴンクロー』を受けて戦闘不能になった。同時にメガシンカは解けた。

「ジュペッタ戦闘不能!リザードンの勝ち!」

審判はリザードンの勝ちを宣言。同時に会場は盛り上がる。ヒューリーはジュペッタを戻す。

「ふふふ…ははははは…!!」

そのとき、ヒューリーは不気味そうに笑い始めた。警戒するサトシである。

「サトシ君!君は最高だ!最高だよ!わたしにこのポケモンを出させるとはね!」

そしてヒューリーはモンスターボールを手に取って、フィールドに投げる。そのモンスターボールから出てきたのは……誰もが驚くポケモンである。

「な…!?」

サトシは驚愕を隠せなかった。観客達も驚き、VIPの人達でさえも驚愕するほどである。
ヒューリーが出したポケモンは、フーパ。しかも「ときはなたれしフーパ」というフォルムである。フーパはフォルムチェンジできる。普段の姿は「いましめられしフーパ」であるが、何らかの形で今の姿になったという。ただ、これだけは言える。フーパは幻ポケモンであるということを…。

「そう…フーパだ!!」

ヒューリーは笑みを浮かべる。バトルスタート。

 

セレナ達がいる観客席…。

「「「フーパ!!?」」」

セレナとエルとサナは揃えて、驚きの声をあげた。ちなみに、セレナのポケモン図鑑で確認済み。

「フーパって幻のポケモンでしょ!?なんであんな人がゲットしてるの!?」

サナは動揺して述べた。

 

ショータ達がいる観客席…。

「みなさん!構えてください!なにがあってもいいように!」

ショータはティエルノとトロバに伝える。3人はモンスターボールを手に取る。

 

アローラ組がいる観客席…。

「全員、Zリングを構えろ。幻のポケモンのフーパ。しかも力が解放された状態だ!」

ククイの言葉にみんなはZリングを装着して構えて、いつでも出られるようにモンスターボールを手に取った。

 

VIPの観客席…。

「レッド君!突入の準備を!!」
「カレンさん!?」

その席にカレンが現れた。

「チャンピオン達もレッド君から聞いているでしょ!それとさっき、サトシ君の対戦相手の正体が確認されたわ!ヒューリーの正体は、大量殺人を行った『奇術師』の異名を持つ国際指名手配犯フーリー!」
「本当ですか!?」
「だから突入の準備!いくらサトシ君自慢のメガリザードンXでも、力が解放されたフーパにかなわないわ!最悪の事態になる前に取り押さえるのよ!!」
「「「ああ!!」」」

チャンピオン達とは、レッド、ジョウトチャンピオンのカズサ、ホウエンチャンピオンのダイゴ、シンオウチャンピオンのシロナ、イッシュチャンピオンのアデク、カロスチャンピオンのカルネ、セトグニチャンピオンのナツユキ。

「ちょっと待ってカレン!サトシ君、リザードンを戻したわ」
「えっ?」

シロナの言葉にカレンはフィールドに目を向ける。

 

バトルフィールド。サトシはメガリザードンXをボールに戻し、あるポケモンを出す。

「頼むぞ!デオキシス!!」

サトシが出したポケモンは、なんとデオキシス(ノーマルフォルム)。観客達やサトシを知る人間達でさえも驚くことである。バトルスタート。

「いくらデオキシスでも、我がフーパにかなうまい。『いじげんラッシュ』!!」

別の空間からフーパの拳が次々と襲ってくるが…。

「スピードフォルムにチェンジ!かわせ!」

デオキシスがフォルムチェンジして『いじげんラッシュ』をかわす。

「アタックフォルムにチェンジ!『でんじほう』!!」

さらにアタックフォルムにチェンジして『でんじほう』を放つ。これを喰らったフーパは『まひ状態』となった。

「とどめだ!『ギガインパクト』!!」

そしてデオキシスは『ギガインパクト』で突撃。フーパは『ギガインパクト』をまともに喰らって戦闘不能になった。

「フーパ戦闘不能!よって勝者!サトシ選手!!」

審判はサトシの勝利を宣言した。

「なぜだ…なぜわたしのフーパが……容赦はせぬぞ小僧!!」
「なに!?」

ついに本性を現したヒューリー。突然、サトシが入っているトレーナーボックスの地面から鉄格子が現れて、檻としてサトシを閉じ込めた。

「なんだこれは!?ぐわあ!!」

サトシが檻に触れると電気が流れた。サトシは痺れた。

「真夜中に事前に仕掛けたトラップさ。ただの鉄格子ではない。電気が流れる仕組みさ。それだけじゃない。その下に爆弾が仕掛けてある!」
「なんだって!」
「このリモコンボタンで爆弾が作動するようになっているが、それだけではない。わたしに手を出せばトラップが作動する。わたしを殺せばトラップが作動する。迂闊に動かないことをおすすめするよ」
「やっぱりお前は…フーリーなのか!?」
「いかにも!君達でいう、大量殺人を犯した国際指名手配犯だよ。ちなみにヒューリーはわたしの本名でもある」

ヒューリーの言葉を聞いて、観客達は戦慄して恐怖を抱いた。一番危ないのはサトシである。彼の言うことが本当なら、手を出せばサトシの足元に仕掛けられている爆弾が作動する。突入できるように準備していた人達も迂闊に動けない。

「ロケットグループ総帥サカキよ!聞こえているか!大事な息子を助けたくば身代金1兆円を用意するのだ!そして、国外に逃亡できるように手をまわしてもらおう!」

しかも、この様子を見ていると思われるサカキに対して身代金を要求する。

「その必要はない」

そのとき、モニカが現れた。

「地面にある爆弾はすでに凍らせた。エルレイド!『サイコカッター』でサトシを救い出せ」

モニカはエルレイドを出して、エルレイドは『サイコカッター』でサトシを閉じ込めていた鉄格子の檻を破壊する。

「馬鹿め!爆弾……なぜだ!なぜ作動しない!」
「言ったでしょう。爆弾は凍らせたって」

ヒューリーは爆弾のリモコンスイッチを押す。しかし、爆弾が作動しない。モニカが凍らせたとのことである。爆弾が作動しないことにヒューリーは動揺を隠せなかった。

「よくも人の弟に手を出してくれたわねーー!!」
「ぶはーっ!!」

さらにモニカは怒りを露わにして、ヒューリーの顔面に飛び蹴りをかます。喰らったヒューリーは吹っ飛ばされた。

「くそ!フーパ!!」
「フーパを取り押さえろキュレム!!」

ヒューリーは場に出ているフーパで対処しようとするもモニカはキュレムを出し、キュレムはフーパを取り押さえる。

「ならばジュペッタ!」

ヒューリーはジュペッタが入ったモンスターボールを手にしようとするも…。

「リザードン!」
「!?」

そのとき、リザードンがヒューリーを強襲して取り押さえた。しかもこのリザードンは色違いで、所有者はカレンである。

「爆弾処理班を!トレーナーボックスの下にある凍った爆弾を処理して!それから警察部隊を!緊急逮捕だ!!」

カレンは周辺にいたジュンサー達警察官に的確な指示を出す。

 

その後、ヒューリーが起こした事件は瞬く間に収束された。ヒューリーは緊急逮捕。ヒューリーが持っていたキーストーンとジュペッタナイトとフーパは没収。トレーナーボックスの下にある爆弾とは、ヒューリーが事前に埋めた小型爆弾のことで、モニカは咄嗟に波導を使って、サトシに影響を及ぼさないように、こっそりと凍らせたのだった。爆弾処理班が回収した爆弾は、爆破処理によって処理されたという。大会はしばらく中断。
なお、この事件に関する号外が発行され、日本各地に広まった。
記事のタイトルは「狙われたサトシ選手!非常に危なかった!」である。内容はこうだ。

『ヒューリーの正体は大量殺人を犯した国際指名手配犯フーリーであることが判明した。バトルで幻のポケモンであるフーパを使ったことには驚いたが、伝説のポケモンであるデオキシスをサトシ選手が使ったことにも驚いた。サトシ選手の勝利に終わったが、フーリーは正体を明らかにしてサトシ選手を拘束。しかし、サトシ選手の姉にして全米チャンピオンマスター・モニカがサトシ選手を救い、全日本チャンピオンマスター・カレンがフーリーの身柄を拘束。犠牲者を出さなかったのは不幸中の幸い。なお、フーリーの存在を気づかせてくれた、アローラ地方出身のリーリエさんには感謝状が贈られたという』

フーリーの逮捕に貢献してくれたリーリエに感謝状が贈られたことが、この号外で注目されたという。

 

ポケモンスタジアムのラウンジ…。そこにはサトシがいるのだが、モニカもいる。サトシのピカチュウとロトム図鑑もいる。

「お姉ちゃん…俺はもう大丈夫だから…」
「ダメよ。お姉ちゃんが傍にいないとまた狙われるでしょ」

しかし、モニカはいつも以上にサトシにべったりでブラコンを全開にしている。具体的には、抱き寄せているような感じである。

 

その後、大会は再開された。そしてカントーリーグ5日目が終了。第3回戦でサトシが知っているトレーナーも脱落した。ケニヤンとジュンがここで脱落となった。
明日の対戦相手の組み合わせが発表された。サトシの相手はベル。今度はまともな対戦相手が決まって、サトシ自身はホッとしている。
現在、勝ち残っている人数はちょうど32人。午前中に第4回戦が行われ、第5回戦が午後に行われるという予定となっている。それで合計8人が勝ち残り、明後日から6対6のフルバトルとなる。
ポケモンスタジアムのラウンジにはまだサトシとモニカはいるが、モニカがサトシにべったりしている状態である。この光景を目の当たりにした男達は思った。リア充爆発しろ、負けちまえ、という殺気が込められている。

「サトシく~ん」

そのとき、ベルが現れた。今日は珍しくサトシを吹っ飛ばさなかった。普通だと、サトシに体当たりしてサトシを水のあるところに落とすという意味不明な巡り合わせがある。

「ああベル。明日のバトル、よろしくな」
「うん。ところでサトシ君!わたしが勝ったら、エルさんと別れてわたしを恋人にして!」

と、ベルはサトシに宣戦布告すると…。

「それはわたしに対する宣戦布告なのね?」
「いた~い!」

モニカが割って入ってベルの両頬をつねり始めた。

「ところであなた、サトシのバトルを見て、サトシに勝てる自信あるの?」
「うっ…」
「キーストーンは?」
「ううっ…」
「じゃあサトシ、明日は小細工抜きでぶっ潰しなさい」
「えぇ!?」

どうやらベルはキーストーンを持っていないようである。しかし、あのバトルを見てサトシに勝てる見込みは、ゼロに等しかった。

「じゃあサトシ君!もしわたしが負けたら……わたしの処女をサトシ君にあげる!」
「処女?」
「わたしの処女膜をサトシ君のお〇〇〇んで貫いて、子宮に射精して、妊娠してできちゃった婚を…」
「卑猥な言葉を口にするんじゃありません!」
「いた~い!」

と、またモニカに両頬をつねられるベルである。

「行きましょうサトシ」
「え…う…うん」
「サトシく~ん!!」

と、モニカはサトシを連れて、ベルを置いてスタコラサッサと去っていった。

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